小川たまか「「ほとんどない」ことにされている側から見た社会の話を。」

小川たまか「「ほとんどない」こちにされている側から見た社会の話を。」(タバブックス)¥1600+税

日常で、何か疑問や違和感、悩みを感じても、それをSNSで発言すれば炎上したり、揶揄されたりで、建設的な議論にならないまま放置されがちな性暴力被害、痴漢犯罪、年齢差別、ジェンダー格差、女性蔑視CM、#metoo運動などのテーマ。

この問題に、”あえて踏み込み、自分の足で取材し、背景を調べ、その根底にあるものを探り、それをネット上の文脈にものせて、普通の人でも読みやすく書く”小川たまかの初単著。

2016年に着手して、過去の文章を加筆修正しながら新たな文章を書き、2年がかりでまとめたものだそう。

執筆・編集の間に、高橋まつりさん過労死自殺、伊藤詩織さんの事件があり、#metoo運動、発行と前後して東京医大の試験問題があり、常に問題になりながら決してよくなる兆しがみえないこのテーマについて、ただ正義をふりかざすのではなく、自らも傍観者になっていた過去や、ともすれば加害者側にまわりうる危うさを意識しながら、日常の中で「ほとんどない」ことにされている問題や状況について考え、語ります。

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