探求する雑誌 ATLANTIS 創刊号 THE BORDER 境界

探求する雑誌 ATLANTIS 創刊号 THE BORDER 境界 ¥2000

トラベルジャーナル誌『NEUTRAL』や『TRANSIT』を手がけた加藤直徳が雑誌と旅をさらに追究して創刊したATLANTIS。
世界各地の旅はもちろん、その先の歴史や文化を旅する内容となっています。コラムや各記事の執筆陣も充実。

誌面のところどころに、熱い思いをのぞかせつつ、境界というテーマにそって、今、話題のアメリカとメキシコの境(空中写真では、大地に刻まれた一本の線にすぎない)を眺めて、何が国や人を隔てているのかを考えをめぐらします。

はたして、国境はどうやって決まるの?にはじまり(色々な決まり方あり)、民族や宗教の分布で境界をひいてみたり、風土や植生で世界の境界を眺め、2018年現在でもアクセスが難しい国々(外交問題やら、風習やら理由はいろいろ)を紹介。

そこから発展して、2章では、目に見えない境界として、東北や京都の異界、結界、過去との接点を訪ね、3章では、パレスチナとイスラエルの間の壁や性に関する壁などをとりあげます。
終盤では、アートや文学の境界として、松澤宥の宇宙、南洋の越境アートなどに話が広がります。

目次ーーーー

• アトランティス創刊によせて—この銀河の片隅で
楽園のイヴと誰も知らない国(写真:山西崇文)
あなたとわたしの境界線(文:福岡伸一/適菜収/春日武彦ほか)

■Chapter 1 国境とは何か
メキシコとアメリカを隔てる線(写真:パブロ・ロペス)
国境線の現在
国の境はどう決まる?
国境線を引き直す【人間編】【地球編】【バラエティ編】
すぐには行けない国

■Chapter 2 目に見えない境界
東北異界物語
横尾忠則の「目に観えない世界」
パプリカ
灰色のヴェールの向こうへ
京都結界地図

■Chapter 3 目に見える壁
憎悪の壁と醜い眺め
パレスチナとイスラエルを分け隔てるもの
性の境界
人類が築いた壁

■Chapter 4 都市の境界線
NY:ニューヨークの穴(写真:小浪次郎)
Paris:パリの中のパリ(写真:宮本武)
Tokyo:ニシカラヒガシヘ(写真:森嶋一也)
Okinawa:石川真生と沖縄

■Chapter 5 アートの境界
松澤宥と宇宙意識
感性を越境させる美術館
南洋群島に越境したアートの欠片

■Chapter 6 雑文集「境界」
岸田繁「境界で鳴る音」
時間の境界
石川直樹「境界が消える瞬間」
超えちゃってる人物図鑑
現代インドでカーストを越境する
川内有緒「バウルが超えてゆくもの」
日本の見えざる境
金村 修「境界線上の写真」
食べないで生きる
ボーダーは、なくならない?
湿板写真で浮かびあがるもうひとつのアメリカ
人はなぜ「線」を引くのか?

■Column
松岡正剛「アナログとデジタルの境界線」
田中康弘「幻想の境界線」
植本一子「家族の境界線」
磯部涼「川向こうの境界」
竹内薫「宇宙の境界」
黒住光「宮崎駿の境界」

A4判 200pages

アメリカとメキシコの国境は、砂漠地帯の上の線にすぎない部分も。

片おこしの扉ページの反対側は見ているだけで、流れているような。紙のデザインや印刷へのこだわり感じます。

実際の国境以外の、いろいろな境界をひいてみるーー