ハン・ガン作 斎藤真理子訳「ギリシャ語の時間」(晶文社)¥1800+税
「言語はあたかも数千本もの針を組み合わせて織り上げた服、または鎧のようであり、彼女をその中に閉じ込められてちくちくと刺し続けていた。それが突然、消えた。」
言葉を話せなくなった女は言葉を取り戻すために古典ギリシャ語を習い始める。少しずつ視力を失っていくギリシャ語講師の男は彼女の“沈黙”に関心をよせる。ふたりの出会いと対話を通じて、人が分ちあえるもと分ちあえないものを静かに問い続ける作品。
失われた韓国語、履修していたフランス語、新たに学ぶ古典ギリシャ語、韓国文学に、ギリシャ哲学、そしてボルヘスのイメージが時空を重層的に表現しています。
『菜食主義者』でアジア人作家として初めて英国のブッカー国際賞を受賞したハン・ガンの長編小説。
韓国の若い作家を紹介するシリーズ〈韓国文学のオクリモノ〉第1回配本。
装丁は寄藤文平+鈴木千佳子
B6判240pages