写真誌youngtree press入荷しました

youngtree press no.6 “New Life Issue”
 A4変型 289×224 56P ¥840

 youngtree pressは、若木信吾さんがはじめた写真誌。携帯やデジカメで気の向くままに撮るプライヴェート写真でもなければ、雑誌や写真集に載る商業ベースの写真とも違う、その間にある個々人の大切なものをドキュメンタリー・スタイルで表現した、写真とテキストで構成される雑誌です。
 一見、私的でありながら、この時代と人々の営みを克明に記録すべく、長い目で人や世界や雑誌を捉えようとする若木さんの姿勢が根付いています。
 第6号の特集は「New Life Issue」。二人の若手カメラマンの、海外に飛び出しての新たな生活が紹介されています。
 木原由起子さんの「RAGANA」では、大学を卒業して、写真の勉強のためにロンドンに渡ったものの写真学校も卒業し肩書きのないまま焦燥感を抱え海外にとどまる私は、ふと思いついた「魔女」を取材しようと、ヨーロッパで最後にキリスト教を受け入れただけに土着性が強いに違いないという勘だけで、ロクな準備もないままリトアニアへ向かいます。民俗博物館で出会った民間医療や魔女の仕事を研究する女性リタは、そのいい加減さに当初にべもない対応だったのに、なぜか正体不明の旅行者を魔女の元へと案内します…。リタの案内で魔女を巡り、リトアニアに通ううちに、何ものでもなかった私が見つけたものは…?。
 福田喜一さんの「EAST OF THE SUN」は、砂漠化が進む内蒙古で、植林事業を行っているお姉さんのもとに、助っ人兼カメラマンとして出向き、現地の人たちと過ごした滞在記。砂漠に藁を碁盤の目状に植え込みながら、そこに草を植え、草原や牧草地を甦らせようとする地道な植林作業。肥料となる羊糞の運び出したり、放牧を手伝って羊たちを追ったり。モンゴル人の長の家での歓迎会では、現地の風習でとことん飲まされ喰わされ討ち死?、部屋では蠅の羽音につきまとわれ、車に乗ればぬかるみにタイヤをとられ止まっては押しの繰り返し、星と疎らな民家の明かりだけを頼りに夜道を歩く…。だけど不自由なんて感じる間もないほど、食べて働いて撮る日々は、たいへんそうなのにどこか楽しそうなんです。
 いずれも写真に対する説明やキャプションはなく、カメラマン自身の手記と、その物語を背景にした印象的なシーンが写真として掲載されているのも特徴です。バックナンバーもあわせて入荷しています。