櫛野展正 編著「極限芸術 死刑囚は描く」

極限芸術 死刑囚は描く

櫛野展正 編著「極限芸術 死刑囚は描く」(クシノテラス)¥1111+税

本書の前書きによると、日本には現在120余名の死刑囚がおり、服役刑の受刑者とは違って刑務作業はなく、24時間監視の狭い独房で30分程度の運動とトイレの時間以外は座って、ある日突然「その朝」が来るまで自分の罪と向き合っているという。
数十年もその朝を待つ人もいれば、死刑確定から数年で執行される人もおり、そのひとりの時間をある者は写経をし、ある者は句を詠み、ある者は絵を描いて過ごす。

特別に美術教育を受けたわけでもなければ、絵画体験もない死刑級が極限の状況で、限られた画材で描かれた絵は、表現の極限でもあり、既存の常識や価値観ぬゆさぶりをかける。

収録作品は「死刑廃止のための大道寺道子・赤堀政夫基金」により集められたもので、日本初の“死刑囚の作品集としてアウトサイダーアート専門のギャラリー・クシノテラスから発行された。
和歌山毒カレー事件の林眞須美、痛車塗装経験を活かした作画の強盗殺人犯・若林一行、
秋葉原無差別殺傷事件の加藤智大をはじめ42人の作品を収録。

林眞須美、風間博子、岡下薫、井上孝紘、北村孝、北村真美、千葉祐太郎、鈴木勝明、藤井政安、田中毅彦、岡本啓三、後藤良次、星彩、高橋和利、熊谷昭孝、迫康裕、何力、謝依俤、原正志、宮前一明、しょがんせん、若林一行、闇鏡、音音、加藤智大、伊藤和史、檜あすなろ、高井空、西山省三、猪熊武夫、長勝久、響野湾子、石川恵子、松田康敏、高尾康司、ike、金川一、江東恒、豊田義己、兼岩幸男、松本健次、小林竜司ら42名の作品を多数収録

椹木野衣、田口ランディの論考もあり。

A4判44pages

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