日別アーカイブ: 2021 年 6 月 17 日

山川直人「はなうたレコード」

山川直人「はなうたレコード」(平凡社)¥1400+tax

漫画家の豆太と、仕事で一日中黙々とお弁当を作るきな子。
ともに誰とも話さず働く二人が偶然出会い、言葉を交わした縁で互いにいい話し相手となり、やがてともに暮らすように…

喫茶店、古本屋、骨董屋、レコード屋……
どこか懐かしいお店が並ぶ街に暮らしながら、終電を逃して夜の散歩を楽しんだり、銭湯に行ってみたり、たまにちょっとだけ贅沢したり、ときどきすれ違ったり….
はなうたが聴こえてきそうな、豆太ときな子の日々の営みが描かれ、(執筆・連載時期がコロナ禍に重なったこともあり)、思い立ってふらりと散歩に出るのが楽しい、ささやかな日常こそが幸せだったりすることを思い出させてくれます。

古い街並や、アパートの畳や押入が描かれている一方で、登場人物がスマホ使ったり、ファストファッションブランドの袋を持っていたり、作品に様々なレコードや本が描かれていたり….という細部やリアルな部分を見るのも楽しいです。

A5判224pages
初回入荷分にサインを入れていただきました。(なくなりましたら終了となりますので、ご了承ください)

山本タカト「ジャポネステティーク」

山本タカト「ジャポネステティーク」 (河出書房新社/エディシオン・トレヴィル) 特装版¥5000+tax 普及版¥3800+tax

山本タカトが生み出した新しい日本趣味・耽美主義の画集。

山本タカト美学の真髄は、作家が幼少期に憧れた挿絵の匠伊藤彦造の絵筆、あるいは苛烈な色彩と描画で圧倒的な印象を刻みつけた月岡芳年の肉筆浮世絵の薫陶で画家をこころざし、かつてジャポニスムへの熱狂によって変容した西欧美術の影響を再帰的に受容、あらたな山本ジャポニスムとして洗練昇華させた表現にある。

最新画集『ジャポネステティーク』は、デビュー以来描き続けてきた浮世絵、日本美術の系譜につらなる山本独自の日本趣味・審美主義・耽美主義の集大成。
『南総里見八犬伝』挿絵群・装丁画をはじめ、谷崎潤一郎全集のためのイコン、泉鏡花、岡本綺堂、横溝正史、山田風太郎、寺山修司、山白朝子(乙一)、劇団☆新感線等に提供した作品群のほか幽霊画・春画の連作等、山本ジャポニスム/エステティシスムの魅力が横溢するモノグラフである。

A4判上製120pages
特装版(5000円+税)と普及版(3800円+税)がございます。

特装版:サテン布張表紙、別丁扉、エディションナンバー(76〜500/500)と著者サイン入
普及版:著者サイン入

上の紫色のがサテン布張表紙の特装版、下が紙の普及版(紙は色が沈んでいますが紫色です)。ともにエンボス加工があります

上がサインとエディションNoが入った別丁の扉がついた特装版、普及版。