月別アーカイブ: 2018年3月

台湾発のアジアのドキュメンタリー漫画誌「Monsoon vol.1」

Monsoon vol.1(漫工出版 Slowork Publishing)¥2500+税

台湾を拠点とするSlowork publishingが創刊した、アジアのアーティストたちによるドキュメンタリー漫画雑誌Monsoon熱帯季風。

漫工=Sloworkの名前の通り、シルクスクリーンを使った丁寧な少部数出版で良質のドキュメンタリー漫画を発行してきた版元は、台湾が文化的影響を多く受けてきた中国や日本以外に、アジアのモンスーン地帯を視野に入れ、作家と作品の発掘し、これからの漫画文化と文化圏を育てるドキュメンタリー漫画の雑誌を作りました。熱く広くアジアに吹く風となるように、その願いをタイトルに込めて。

ドキュメンタリーといっても社会問題や歴史だけでなく、日常観察、自然、フォークロア、建築など様々のモチーフをドキュメンタリー的なアプローチで描いています。

作品やによって紙を変えたり、シルクスクリーンで印刷したイラストを綴じ込んだり、光沢紙や銀のインクの効果を狙った印刷があったり、丁寧で贅沢な造りです。

漫画だけでなく、レビューもあり、マルタ出身のアメリカの作家ジョー・サッコの「パレスチナ」「Safe Area Goražde」とともに、日本のドキュメンタリー漫画として花輪和一「刑務所の中」(牢獄中)が紹介されています。いぶし銀地にスミで印刷された刑務所内の風呂場の見開きページが印象的です。

26m×18.5cm 148pages
カラーページが大半で、折り込みページやシルクスクリーンの綴じ込みページあり。

↓ 創刊前にクラウドファンディングのために作られた予告編

試し読みはこちらから>>>>>

表表紙見返しと、シルクスクリーンにより銀のインクで印刷された扉

鶏のさばき方の詳細が図解されています

作品によって紙も異なります。奥は折りたたみページ、手前はツルツル光沢紙に銀の印刷。

伊藤紺,生湯葉シホ,こいぬま めぐみ、いつか床子,mao nakazawa,菅原 沙妃 ほか「でも、ふりかえれば甘ったるく 」

伊藤紺,生湯葉シホ,こいぬま めぐみ、いつか床子,mao nakazawa,菅原 沙妃,西平 麻依,渡邉 ひろ子,エヒラ ナナエ
「でも、ふりかえれば甘ったるく 」(PAPER PAPER)¥1500+税

zineを発行したり、web、SNSなどで表現を行う女性9人が、日常の歪みや違和感、あるいは偶然や小さな奇跡から感じとった困難や幸福、心のうつろいをそれぞれの視点から綴ります。生活者たちの日常に寄り添う一冊。

zine『この先も何十回と夏がきてバニラコークに憧れたりする』でイラストを担当したeryがカバーイラストを担当、短歌の伊藤紺が寄稿しているほか、「別人帳」のいつか床子らが参加。

収録作品はーーーー
伊藤 紺「ファミレスのボタン長押しするように甘く」
生湯葉 シホ「永遠には続かない」
こいぬま めぐみ「検索結果は見つかりませんでした」
いつか 床子「幸せでない話」
mao nakazawa「私の庭」
菅原 沙妃「ここにいていいよ」
西平 麻依「大人になるのは、きっとそれから」
渡邉 ひろ子「夜の散歩から」
エヒラ ナナエ「愛すべき孤独に」

カバーデザイン:ery

四六判変型 (17.8cm×10.8cm)296pages
左開きの横書きでペーパーバックのようなかんじです。

もんだみなころ 「どこへでもいけるのに、ここにいる」

もんだみなころ 「どこへでもいけるのに、ここにいる」¥500+税

わたしここにいる
たまたま■■■■■■■■■■ここにいる
わたしここにいる
もっともっと違う場所いきたいのに
わたしここにいる
選んでる
どこへいってもいいのに
信念なく
たまたま
選んだ気になって
なんとなくを選んで
わたしここにいるよ
どこへでも
いけるのに
ここにいる           (もんだみなころ)

心の中の声や葛藤、不安や空虚、自己否定と肯定、依存と自立…
揺れ動く心を綴ったコミックあるいは詩画集。

A5判56pages

イスラエル発 性をテーマにしたインディペンデントマガジン Forno

Forno magazine issue11 ¥2000+税

イスラエルの写真家Lilac Madarが編集・発行する”性”をテーマにしたアートジン。
広告を撮らずにインディペンデントに特集ごとにfornoのために、アーティストたちに自由に作品を制作し寄稿してもらっています。年1くらいの割合で発行。

毎回、お題があって、11号のテーマはBUTTOCKS、おしり。
イラスト、コラージュ、写真、コミック、様々な表現で様々なアーティストが作品を寄せています。
日本からカツマタヒデユキ、永井コージが寄稿。

A4判40pages

バックナンバーもあります。(発行元でストックのあるもののみ)

新刊2冊 スケラッコ「平太郎に怖いものはない 前編」「「しょうゆさしの食いしん本」

スケラッコ「平太郎に怖いものはない 前編」(リイド社)¥630+税

日常の登場人物たちを、チクワやしょうゆさしの姿で描いたり、「盆の国」では、亡くなった人たちを日常に呼び込んだスケラッコが、本作では、江戸時代の広島の少年・稲生平太郎の妖怪実見譚「稲生物怪録」をベースに、舞台を現在に移して、シュールにゆるく幽霊のいる日常を描いています。
ちなみに、現在の平太郎は、お好み焼き屋さんを営む16才。
トーチwebにて連載中

B6判160pages

スケラッコ「しょうゆさしの食いしん本」(芳文社)¥619+税

コミックの中で食卓をよく描き、自身のレパートリーを紹介したジンも出したスケラッコの
食いしん坊コミックエッセイ!!

コンビニメニューから、ちょっとぜいたくしてのすき焼き、
パラパラチャーハンとしっとりチャーハン、ありあわせの材料で作る丼もの、
自家製エスニック、自家製あんこを乗せてのトースト、再現ちゃんこ鍋
などなど、外食や買い出しも楽しみながら、家庭用に工夫したりアレンジした
お料理を紹介します。

モノクロの絵で表現された料理、そして食感やおいしさの表現もみどころです!!

出てくるメニューは
ブリトー、シューマイ、すきやき、関西だしうどん、カマスゴのアヒージョ、
やきめし、なんでもたまごとじ丼、トマトキムチ納豆そば、いろいろのせちゃうピザ、
ベトナム風揚げ春巻き、エスニック風おかゆ、小倉トースト、ラザニア、
手巻き寿司、エビフライ、ちゃんこ鍋

B6判160pages