台湾発のアジアのドキュメンタリー漫画誌「Monsoon vol.1」

Monsoon vol.1(漫工出版 Slowork Publishing)¥2500+税

台湾を拠点とするSlowork publishingが創刊した、アジアのアーティストたちによるドキュメンタリー漫画雑誌Monsoon熱帯季風。

漫工=Sloworkの名前の通り、シルクスクリーンを使った丁寧な少部数出版で良質のドキュメンタリー漫画を発行してきた版元は、台湾が文化的影響を多く受けてきた中国や日本以外に、アジアのモンスーン地帯を視野に入れ、作家と作品の発掘し、これからの漫画文化と文化圏を育てるドキュメンタリー漫画の雑誌を作りました。熱く広くアジアに吹く風となるように、その願いをタイトルに込めて。

ドキュメンタリーといっても社会問題や歴史だけでなく、日常観察、自然、フォークロア、建築など様々のモチーフをドキュメンタリー的なアプローチで描いています。

作品やによって紙を変えたり、シルクスクリーンで印刷したイラストを綴じ込んだり、光沢紙や銀のインクの効果を狙った印刷があったり、丁寧で贅沢な造りです。

漫画だけでなく、レビューもあり、マルタ出身のアメリカの作家ジョー・サッコの「パレスチナ」「Safe Area Goražde」とともに、日本のドキュメンタリー漫画として花輪和一「刑務所の中」(牢獄中)が紹介されています。いぶし銀地にスミで印刷された刑務所内の風呂場の見開きページが印象的です。

26m×18.5cm 148pages
カラーページが大半で、折り込みページやシルクスクリーンの綴じ込みページあり。

↓ 創刊前にクラウドファンディングのために作られた予告編

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表表紙見返しと、シルクスクリーンにより銀のインクで印刷された扉

鶏のさばき方の詳細が図解されています

作品によって紙も異なります。奥は折りたたみページ、手前はツルツル光沢紙に銀の印刷。