著・虹釜太郎 絵・すずえり「夜顔尽し」 ¥1800
古い着物や帯揚げ、根付けなどで作った双六「夜顔尽し」を持って、公園などで道行く人とゲームに興じ旅を続ける謎の主人公。
その虹釜太郎の散文を気に入った、ミュージシャンのすずえりが挿絵を描き、自ら本をデザイン、製本しました。イラストは和布の模様を用いた美しい双六たち、ミニCDつきで、表紙の柄がそれぞれ違います。
目の前の景色を語りながら、いつのまにかそれが幻覚的な様相を呈し、現実と幻想の間を放浪するような虹釜太郎のテクスト。まさに辺境文学?とでも言うべき境地ですが、そのレトリックや迷宮めいた構造が圧縮された本人の自費出版物はちょっと手強いという方や初心者にオススメの短編です。一文一文をゆっくり読めるテクストの組み方に、牡丹や菊や桜などの和布の美しい花々の模様が伴い、その幻想世界を堪能できます。
10×8.5cm 22P