月別アーカイブ: 2011年7月

山本美希「爆弾にリボン」

爆弾にリボン

「週刊モーニング」第29回MANGA OPEN大賞を受賞した山本美希さんが、卒業制作として描いた処女作で、自費出版で発行した“サイレント・グラフィック・ノベル” 『爆弾にリボン』が、ラジオライフやワンダーJAPANなどの雑誌を発行している三才ブックスさんから発売となりました。

登場人物の表情の描写も抑えられ、ただ少女のいる景色が淡々と描かれてゆきます。「紅い花」とは違った少女の体の変化の描写、突然、思い立っての奇抜な行動etc.   リボンを巻いた爆弾のように、繊細なに宿る破壊的なエネルギーや葛藤を静かに描き出した作品。

黒赤二色だった表紙はカラーになり、価格もお求めやすくなりました。写真は自費出版バージョンと新刊。販売促進用のリボンつき爆弾から、出版社の熱い想いと爆発的ヒットへの願いが伝わってくるようです。(単行本化により、旧版のお取り扱いは終了となります。なお、もうひとつの自費出版「Sunny Sunny Ann!」¥1050は引き続きお取り扱い中です)

山本美希「爆弾にリボン」(三才ブックス)¥1575   A5横判上製

Le Tampographe Sardon スタンプの紹介(1)

Le Tampographe Sardonのスタンプは単体のものもあれば、いくつかがセットになったものもありますが、まず、単体のものを紹介しましょう。

boulle de noël

Boule de Noël ¥2500

ハンコの大きさは85×125mm箱入り(95×135×20mm)です。Boule de Noëlは、クリスマスのときにモミの木に吊るす球状の飾りです。クリスマス時期のプレゼントに? 七夕にも可?

Boule de Noël

Ex livris diabolique

Ex-livlis diabolique ¥2500

蔵書印ですが、それ以外にもメモやカードにも使えますね。

ゴム部分の大きさは50×85mm。台の部分は50×100mm。もち手つき。

Ex libris diabolique sample

homo sovieticus

homo sovieticus ¥2500

ゴム部分は53×32mm 台部分は40×60mm。持ち手つき。

usage de faux yves klein

Usge de faux Yves Klein ¥2500

ゴム部分は20×75mm 台部分(金属)は35×70mm。持ち手つき。
イヴ・クラインの『人体測定』から?
もちろんインターナショナル・クライン・ブルーのインクで押したいですね。

stampenstein

Stempenstein ¥2500

ゴム部分は38×48mm 台部分(金属)は40×60mm 持ち手つき。
ボリス・カーロフバージョンのフランケンシュタイン。

stampire

Stempire¥2500

ゴム部分は34mm×50mm 台部分(金属)は40×60mm。持ち手つき。
ヴァンパイア、クリストファー・リー バージョン

barbelé

Barbelé ¥2500

ゴム部分は40×60mm 台(金属)部分は40×60mm。持ち手つき。

chatiment corporel

Chatiment corporel ¥2500

ゴム部分は50×64mm 台(木)部分は50×68mm 持ち手つき。
19世紀末〜20世紀初頭にかけて活動したフランスのイラストレーター ルイ・マルテストのイラストがベース。スパンキング挿絵の巨匠です。

なまいき 01「特集:震災後を生きる」

なまいき

なまいき 01「特集:震災後を生きる」¥500

「なまいき」という誌名は“生活”を読み替えてみたもの。
特集は「震災後を生きる」。 3.11の震災後、現地に支援活動に向った人、あるいは被災地から逃れた人…様々な動きがあった中で、目に見えての震災被害はないけど明らかに以前とは違う主として東京でオルタナティブな生活を続ける人たちの声を集め、震災後の生き方を考える。

目次は
◎震災体験記:平賀さち枝(シンガーソングライター 岩手出身)/高橋辰夫(美術家)/neki(市役所勤務&ギター弾き語り)/馬場幸治(古書ビビビ店主)/笹口騒音ハーモニカ(シンガーソングライター)
◎新宿Motion店長 鶉野拓人インタビュー「ライブハウス再開への道のり」
◎橘上 書き下ろし「うみのはなし」
◎遠藤ミチロウインタビュー FUKUSHIMA!
◎あらい夜魅 フォトグラフィー

twitterなどのメディアが改めて注目された3.11後に、20歳の編者がミニコミを創刊したのは、震災後の生活や言葉をしっかりとした輪郭をもって残し、売上げの一部を募金に回すといった物や形を介した伝達を(形ある物に対して懐疑的、虚無的になってしまった今だから)改めてリセットし機能させようとしているようにもみえます。被災地でもなく避難先でもなく、今いるこの場所で考えることやできることを見詰め記録した真摯な一冊です。

B5判40P

河原奈苗 「WHEN I HAVE ….」

WHEN I HAVE DREAM

河原奈苗「WHEN I HAVE ……Dream, Scenery, and Memory」各¥1000イラストレーター河原奈苗さん(在ロンドン)の、美術大学修士課程の最終制作。WHEN I HAVE…..のタイトルで自身のイラストを6枚ずつ使い3種類(Dream/Scenery/Memory)の折り本にしたもの。

詳しい画像などは作家のサイトNanae Kawahara Illustarion Barbaraticsの中のMA Final Projectご参照ください。

102×147mm ハードカバー いずれも在庫僅かです

上:Dream

WHEN I HAVE SCENERY

Scenery

WHEN I HAVE MEMORY

Memory

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河原奈苗「Rappi Rangoku 乱飛乱国」¥1000

河原奈苗さんが多摩美術大学の学生時代に制作したイラストブック。
カラフルかつポップに女の子を描きながら、女の子が抱える幻想、妄想が現実に浸食しているような世界。
「らっぴらんごく
乱れてめちゃくちゃな世界を乱飛乱国(らっぴらんごく)といいます。陰と陽の変な世界がすみついている私の脳内が私にぴったりだと思いました」(あとがきより)

B5判50P 2008.1.8

Atelier IDEM 訪問

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前に紹介した、ピエール・ラ・ポリスも、昨年の展覧会のためリトグラフを刷ったモンパルナスにあるAtelier IDEM。

かつて、アトリエMourlotに、ピカソやマチスをはじめ、ミロ、ダリ、シャガール、ジャコメッティ、コクトーらが足を運び、リトグラフを制作したそうですが、この工房IDEMには、巨匠たちが使った当時の道具や機材がそのままに移され、今も作品を生み出しています。最近は、かつてのように石版を使うことは減ってきているそうですが、デビッド・リンチは、ここで石版を使って殆どの作品を制作をしているとのこと。工房の壁面の棚には昔の字体のロゴが残る小さな石版が本のように立てられて資料として保存されています(今でも使える状態だそうです)。

工房はギャラリーItem Editionを併設していて、IDEM製作のリトグラフを実際に見ることもできます。関連作家とその作品はこちらのサイトでも紹介されています。

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工房の片隅に立てかけられたピエール・ラ・ポリスのリト。試作品?

(クリックで画像が大きくなります)