月別アーカイブ: 2009年11月

モジ便り vol.2 「モジと線/モジと伝統工芸/モジとカレンダー

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モジ便り vol.2  ¥500

 「言葉になって思いをつたえたり、アートや記号になったり、モジってとってもおもしろい!」と、文字を切り口に書、文字を書く道具、文字を使ったオブジェなどを幅広く取材してまわる小冊子、モジ便り。

 こちらも3年ぶりの2号目! モジをテーマに自らが歩いて見た中から丁寧に取材対象を探し、編集し、1号に1号じっくり作られています。特に、地方在住の編集人が地元からの目線で、自らの周辺の伝統の技も積極的に取材している点がユニーク。

 今号の編集人からのメッセージは—-「線が集まってモジになる。美しい線を書く3人をご紹介します。また、日本に古くから残るいいものを私なりに伝えたいと思い伝統工芸について取材しました」

内容は—-
【モジと線】
 美しい線をひく人、三人三様の創作を取材—
●画家・冨田廣さん:線と形の普遍的な美を追究する作家にインスピレーションの源を訊く。
●カリグラファー・三戸美奈子さん:様々な画材で自由にカリグラフィを表現する、その素材に注目。
●書家・大塚彩風さん:木に文字を刻む「刻字」に、ふたつと同じものがない木という素材との一期一会、即興的な創作を見る。

【モジと伝統工芸】
●豊橋筆・沼野昇一さん:特殊技法“練り混ぜ”を使った伝統の的な豊橋筆「筆庵」代表
●製本・井上夏生さん:製本家・手製本工房「まるみず組」主宰。
●名古屋友禅・渡邊芳治さん:名古屋友禅型染部門・伝統工芸士。伊勢型紙を使い、色数を押さえた渋い染料で細かな模様を染める紙加工術。

【モジとカレンダー】
  一枚一枚、和紙をちぎって、ひとつひとつ文字を書いて作る、やぐちなおこさんのカレンダーを、毎月ごとに紹介。

 vol.1よりも8ページ増えましたが、今回も一冊ずつ編集人自らが糸で綴じて製本しています。
A5判中綴じ38P (カラー32P モノクロ8P)

シネマコリア2009 〜韓国古典アニメ特集〜

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 先日、お隣り韓国の伝説的作品『ロボット・テコンV』をはじめとした韓国の古き良きアニメの上映会が、シネマコリアの主催で愛知芸術文化センターにて行なわれます。

両監督を招いての黎明期の韓国アニメトークもあり。

 

 上映作品『少年勇者ギルドン』(1967)と『ロボット・テコンV』(1976)は、いずれも韓国では長らく「幻の作品」でしたが、近年フィルムが発見され、復元&復活上映された韓国を代表する名作古典アニメ。当日は「韓国アニメの父」ともいえる両作品の監督が来場。韓国アニメーション黎明期をリアルタイムで知るVIP2名による来日トークは、これが最初で最後かも?!  

 

 「発見! 黎明期コリアン・アニメーションの世界」

11月7日(土)

愛知芸術文化センター 12階 アートスペースA

日付 開場 開演 作品名

11月7日(土) 

12:40開場 13:00開演 『少年勇者ギルドン』(75分)

15:10開場 15:30開演 『ロボット・テコンV』(80分)

17:40 トーク「韓国アニメーションの黎明期」(80分)

 

『少年勇者ギルドン』

韓国/原題 ホン・ギルドン/1967年/75分/監督 シン・ドンホン/日本語吹替版

ハングルで書かれた最古の小説『洪吉童伝』の主人公としてお馴染み、義賊の

ヒーロー、洪吉童(ホン・ギルドン)の活躍を描いた韓国初の長編劇場アニメ。

 

『ロボット・テコンV』

韓国/1976年/80分/監督 キム・チョンギ/日本語字幕付

韓国人なら知らぬ者のいないロボット・アニメの代表作。1976年に劇場公開されるや

いなや空前の大ヒットとなり、韓国に劇場アニメ・ブームをもたらした。

 

主催 シネマコリア http://cinemakorea.org/

 作品や監督の詳細は、こちらをご覧下さい。

お問い合わせ シネマスコーレ TEL052-452-6036

リトリート vol.02 ひとりものが行く!

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リトリート vol.02  ¥500

 ミニコミの世界には、長いインターバルで発行を続ける10年選手、20年選手がいますが、ここにもオリンピックを上回る堂々のペースで2号目を出した、ウェルカムバック〜なミニコミが! 創刊号が2002年だから実に7年ぶり。満を持しての2号目の登場です。ミニコミならではのマイペース! と言ってしまえばそれまでですが、その間、作業をしていなかったわけではなく、常に発行人さんの念頭にありながら、そのご身辺にはいろいろなことがあったもよう…。
 「ひとりものが行く!」という特集は、“もしかして、発行が延びている間にひとりものでなくなってしまうかも…”という危惧だか期待を抱えつつ、ひとりものをモチーフにした本や漫画や音楽のレヴューをしたためること7年、いまもひとりという、孤高が見てとれます。
 
●特集:ひとりものが行く!
「ひとりもの」ブック・レビュー 枕屋探涼
「ひとりもの」漫画本レビュー 枕屋探涼
「ひとりもの」ソング対  枕屋探涼VS自炊回路
ひとりもの音楽私史 ホシノフミオ

●寄稿
ナツノオト・オトノタビ  キクチ・ナツ
究極のケミカル・サイケ・アンセム『第一級恋愛罪』について デリリウム淀川

●連載
日本カルト音楽家列伝 第一回 エレファントカシマシ(前編) 自炊回路
ノイズと私 第三回 ザ・ゲロゲリゲゲゲの巻  枕屋探涼
土曜音楽 第二回 割礼「ネイルフラン」 枕屋探涼
日曜音楽 第二回 つじあやの「バランソ」 枕屋探涼
絵葉書趣味 第二回  枕屋探涼
私的邦楽ランキング 2002〜2008  枕屋探涼

 編集・発行人さんが記事の大半を書いていますが、ひとりものに関する本を読み、音楽を聞きながら、おのが身に引き寄せ考えては、シニカルになったり理想を探ってみたりとその思索は尽きず…、昨今の「おひとりさま」ブーム以前からの7年越しの“ひとり”考は実用論ではなく生きている限り続くものといえましょう。
 7年の間には、早くに入稿した執筆者ホシノフミオ氏が逝去されたり、自らも病を得たりと、人生の転換期を迎えられた模様。その中で、木版画家の宇田川新聞さんに表紙を依頼してポップな雰囲気を導入したり、工夫を凝らす事も忘れてはいません。が、本文は簡素なレイアウトにローテクなプリントと製本で、ミニコミの骨太さをしっかり残し、この7年のインフラの変化をよい意味で感じさせない、強い存在感を発揮しています。
 新しい号を出すまでに7年かかったものの、後書きでは、次号は「野球」次々号は「死」をテーマを掲げ、続行の決意を表明。何かずっしりしたものが伝わってきます!
B5判92P