月別アーカイブ: 2008年11月

先端的硬派雑誌 ハードスタッフ 12『追悼総力特集・林直人の夢の丘』

ハードスタッフ 12『追悼総力特集・林直人の夢の丘』  ¥1680

 76年からロックペイパーとして一貫した姿勢を貫き、自費出版で活動を続ける先鋭疾風社の「ハードスタッフ」、約15年ぶりの新刊です。
 特集はINU、AUSCHWITZなどで活動する一方、ミニコミ誌『アウトサイダー』を発行、アルケミーレコードの創立にも関わり、関西ロックシーンの立役者の一人であった林直人。80年代よりり、作品や文章を通して互いを知っていたこともあって手紙をやりとりするようになり親交を持った編集・発行人の小西昌幸氏の強い思いが伝わる特集。
西村明「追悼・林直人 関西パンクシーンを創った男」
坂本葉子「最後の2年半 追悼・林直人くん」
北嶋建也「そびえ立つ壁、見上げ 林直人復活序章ライヴ当事者としての回顧」
美川俊治「林直人とノイズ」
青木るえか「林直人さんの思い出」
小西昌幸「我ら見はてぬ夢の丘 林直人氏の思い出に捧げる」
OJO広重「夢の丘と代書人バートルビー」
トングインタヴュー「林直人、かく語りき」
[解説]ミニコミ『アウトサイダー』について(小西昌幸)
林直人ディスコグラフィ/林直人の文章 翻刻「アウトサイダー」創刊号/林直人年譜/林直人資料
「文字作りの現場から」小宮山博史(佐藤タイポグラフィ研究所)インタヴュー
「編集・装釘から印刷史研究へ」 府川充男インタヴュー
南陀楼綾繁「悲しきコレクター 板祐生と川西健一・川西英」
小西昌幸「超越者の志とスケールについて 木部与巴仁『伊福部昭・音楽家の誕生』書評」
「講演会「伊福部昭・時代を超えた音楽」」 木部与巴仁インタヴュー
「卒寿記念(徳島県北島町)で演奏される伊福部昭先生の作品について」木部与巴仁インタヴュー
小西昌幸「伊福部昭先生卒寿記念祭企画担当者日録」
小西昌幸「伊福部昭先生卒寿記念祭こぼれ話」
木部与巴仁「伊福部昭氏を悼む」
「赤塚不二夫と過ごした日々『漫画に愛を叫んだ男たち』(清流出版)」 長谷邦夫インタヴュー
「『赤塚不二夫のまんがNo.1シングルズ・スペシャル・エデイション』刊行を祝福する」 長谷邦夫インタヴュー
「制作現場の熱気を伝えたい『マンガ編集者狂笑録』(水声社)長谷邦夫インタヴュー
西村明「スーパーミルク「ライブ・エレキダンス 1979〜1980」発掘顛末記」
赤牛戸圭一「覚えているかい?ザ・スターリン★ベスト?」
木村浩之「日本推理作家協会賞授賞式のごく私的な記録」
小西昌幸「紀田順一郎先生の日本推理作家協会賞受賞を祝福する」
池田憲章「『新青年』の名編集長・水谷準さんの死を悼む」
池田憲章「小松崎茂先生の思い出」
池田憲章「佐々木守さんの目線」
小西昌幸「追悼・長井勝一青林堂会長」
小西昌幸「タブラトゥーラ公演を企画して」
小西昌幸「タブラトゥーラ幻のアルバムをめぐって」
「幻のファーストアルバム『絆』」 岡本一郎インタヴュー
坂田由美子「取材後記 小西昌幸氏インタヴュー番組制作者のメモ」
薮坂一郎「長生きの秘訣」
薮坂一郎「25歳で聴いたCD」
林敬「テンパな人々〜博士の異常な愛情、または善男善女はいかにして心配するのをやめて霊界を愛するようになったか」
久山信「FORTY LICKS -時をこれて」
小西昌幸「早春スケッチブックについて」
小西昌幸「寺山修司と演劇実験室『天井桟敷』」
小西昌幸「推理小説研究の巨匠逝く 追悼・中島河太郎先生」
小西昌幸「澁澤龍彦のこと 日曜美術館『幻想の王国〜澁澤龍彦の宇宙」NHK教育TV」
小西昌幸「種村季弘さん講演会を企画して 昭和を駆け抜けた2人の異端〜澁澤龍彦と土方巽〜」
小西昌幸「種村季弘先生の思い出」
小西昌幸「ドイツ館の謄写印刷物と「敗者」の精神史」
木部与巴仁 書き下ろし小説「時速0km下の世界」
B5判192P

ヨシダマガジン 03 大島弓子無限大

ヨシダマガジン 03 大島弓子無限大  ¥630

 こんな大島弓子論を待っていた…!? 吉田アミによる待望の大島弓子論!
 ヨシダマガジン2で、新旧のマンガについて書きまくった吉田アミが今度は一人の作家の作品を年代順に読み、一作一作をコメントしつつ、作品の変容とそこに通底するものを浮かび上がらせます。
 対象となるのは少女漫画の巨匠・大島弓子先生! 大島作品のファンである一方で、その感覚を共有するのが少女の特権とばかりに特別視されがちな作品を、丁寧に読み直し語ることで、少女世界から解放しようと試みる。
 一つの作品が、次なる作品を読み解くxとして反映され、どんどん複雑な式となる一方で、創作から次第に猫と自身の生活を描く報告となり、変容してゆく大島ワールド。そして、そこに大島哲学?を読む吉田アミ。
 いったい大島作品に誘われて、筆者がどこに着地しようとしているのか、ぜひご一読を。
A4判12P

文芸誌 破滅派

 雑誌の不振が取りざたされる中、WEBでまず作品を無料公開した後、まとめて雑誌として発表刷るという形で同人活動をする、WEB生まれのオフラ人文芸誌「破滅派」。
 ユニークなコンセプトが先行していた創刊号に比べて、分業化もすすみ、雑誌へゲストも充実、充実してきています。
破滅派 002  ¥500

【短編競作】
手嶋淳「町」
佐藤「階下」
紙上大兄皇子「鬼築家の素敵な食卓」
大谷雅宏「たった一度の表情」
柿人不知「春の思い出」
児島啓祐「つけものいし」
32MB「沈黙の音の中で」
竹之内温「ダブル・プラトニック・スウィサイド」
【特集】
学歴社会にモノ申してみる
 ほろほろ落花生「RE:現代文(解答編)」
品格の時代にモノ申してみる 
 深川潮「娼婦の品格」
【エセー】
エマニュエル・イタ子「痛女痛信(最終回・イショ)」
山谷感人「K氏の休日・序」
伊須方里峰「祈られ、折られる」
【詩】
小堀龍一「右肩上がりの青春」
【特別寄稿】
高橋文樹「働きながらじゃ作家になれない、働くな!」
A5判112P
破滅派 003 ¥500

【巻頭漫画】
今日マチ子「破滅ちゃんと堕落くん」
【特集:掌編競作】
掌の破滅派〜川端康成オマージュ
紙上大兄皇子「雷国」
深川潮「風景」
大谷マサヒロ「ココデハナイドコカ」
今川久古「シューゲイザー・レビー彗星」
児島啓祐「旧懐」
トッチィ・メル「ていうかさ」
【創作】
竹之内温「樒、雨の日」
手嶋淳「大人の休日」
大谷マサヒロ「ユビキタス社会における、ある人たちの話」
ほろほろ落花生「対話篇」
児島啓祐「雨の傷跡」
谷田七重「海辺のざんげ部屋」
伊須方里峰「ソノ身、美カラズヤ」
【新潮新人賞受賞第一作】
高橋文樹「泣きながら、ポークソテー」
【評論】
詠み人知らず「癒しの楽園としての『ARIA The ORIGINATION』」
【ルポルタージュ】
悪辣外道和尚・紙上大兄皇子「地方の破滅派は、今。」
四コマ漫画 タイツ「ハロー・ペティ」
A5判112P

CDR萩原佳明「時刻表の音楽 ー山手線のためにー」

CD-R 萩原佳明「時刻表の音楽 ー山手線のためにー」 ¥1050

 山手線を音にしてみたら、あるいは山手線を聴いてみたい…ということで
山手線29駅の時刻表をもとに音を作るという、ユーモラスな思いつきを、様々な要素を盛り込み緻密に実現してみた楽曲集です。
 時刻表の1分を16分音符とし、予め用意した音列を電車の発車に合わせて音を出すと…。エレクトロニカ、ダンス、現代音楽、エクスペリメンタル・メタル、チップチューンに動物の鳴き声まで詰め込まれ、駅ごとに、音楽家やゆかりの人物へのオマージュとなっていますが、その駅がなぜその音楽家なのかは不明、でもそのおかげで様々なスタイルを駅の数だけ味わえます。作者自身による詳しい解説つき。
01.品川駅 -2群の木管五重奏のために-
02.大崎駅 -小口大八のために-
03.五反田駅 -フィリップ・グラスのために-
04.目黒駅 -モーグ博士と八百屋さんのために-
05.恵比寿駅 -第三の男のために-
06.渋谷駅 -レス・ポールのために-
07.原宿駅 -テリー・ライリーのために-
08.代々木駅 -カールハインツ・シュトックハウゼンのために-
09.新宿駅 -オギュスト・ミュステルのために- [フルサイズ試聴]
10.新大久保駅 -スティーヴ・ライヒのために-
11.高田馬場駅 -科学の子のために-
12.目白駅 -イワン・ヴィシネグラツキーのために- [フルサイズ試聴]
13.池袋駅 -屈原のために-
14.大塚駅 -ロバート・フリップのために-
15.巣鴨駅 -八橋検校のために-
16.駒込駅 -モートン・フェルドマンのために-
17.田端駅 -青少年のために-
18.西日暮里駅 -ルイ・アンドリーセンのために-
19.日暮里駅 -イゴーリ・ストラヴィンスキーのために-
20.鴬谷駅 -ウグイスとウグイス嬢のために-
21.上野駅 -動物たちのために-
22.御徒町駅 -フレドリック・トーデンダルのために- [フルサイズ試聴]←音量御注意
23.秋葉原駅 -現代視覚文化のために-
24.神田駅 -クシシュトフ・ペンデレツキのために-
25.東京駅 -ジェルジ・リゲティのために-
26.有楽町駅 -ヴァルター・シュピースのために-
27.新橋駅 -ジェラール・グリゼーのために-
28.浜松町駅 -ジョン・ケージのために-
29.田町駅 -オリヴィエ・メシアンのために-
30.-
31.稚内駅 -ヨハン・ゼバスティアン・バッハのために- (bonus)

復活!精神病新聞 増刊 べてる

復活!精神病新聞 増刊 べてる ¥315

 増刊ということで、通常の精神病新聞と離れてワンテーマをディープに取材。
 北海道・浦河にある、精神障害等を抱えた当事者たちの活動拠点で、生活+労働+ケアを相補的に行なう共同体”べてるの家”を、精神病新聞の小林絵理子さんが訪問。
 単なる、訪問記でなく、自らも鬱を抱える小林さんが、生涯を抱えた人たちが自身の状態を自己分析して発表し合う「当事者研究全国交流大会」に参加し、自身の発表を誌上で再構成。これまで、あまり触れることのなかった、恋愛を軸にして自身を語り、新たな境地を目指します。
 当事者研究の後のお祭りでは、幻想や妄想を語り合うちょっとあぶなくも楽しい大会と、ユニークさを讃えてしまう表彰式などが。
 また、べてるの家の理事で、ソーシャルワーカーの向谷地生良氏インタビューも収録。
 巻末では、小林さんのデイケア仲間でこの夏に自殺したM子さんとの別れを通して、死に対する考え方の変容を語る。
A5判26P