書籍」カテゴリーアーカイブ

山川直人「日常の椅子 菅原克己の風景」

山川直人「日常の椅子」

山川直人「日常の椅子 菅原克己の風景」(ビレッジプレス)¥800+税

同人誌「菅原克己の風景」シリーズ三冊に発表した作品を中心に詩人・菅原克己の詩をモチーフにした作品に描きおろし加えてまとめたもの。

高田渡の歌う「ブラザー軒」をきっかけに、菅原克己を知り、グループ展仲間とともに、その世界を絵や詩で表現する同人誌を発行したり、機会あるごとに、描いてきた菅原の詩をモチーフにした作品を収録。
2005年からのおよそ10年に渡り、『コーヒーもう一杯』『澄江堂主人』の連載と同時期に描きためたものになります。

収録作品ーーー
あいびき/燈火/ヒバリとニワトリの鳴くまで/スコット・サーカスの夕べ/日常の椅子/聖バレンタインの夕べ/喫茶店の中二階で/〈贋札つくり〉について/「ビュビュ・ド・モンパルナス」を読んで/めくらのジャン/ブラザー軒/マクシム/四月のたより
菅原克己略歴

菅原克己(1911~1988)
詩人。宮城県亘理町生まれ。日本美術学校退学後、党籍のないまま日本共産党機関紙「赤旗」のプリンターや商業図案の仕事に携わりながら詩作に励む。1951年、最初の詩集『手』(木馬社)を刊行。1962年、共産党を除名される。以後は新日本文学会を活動の拠点としながら詩作を続ける。詩集のほかに自叙伝的エッセイ『遠い城』(創樹社/1977年)などを刊行。没後『菅原克己全詩集』(西田書店/2003年)が刊行された。

A5判96 pages

とみさわ昭仁「無限の本棚:手放す時代の蒐集論」

とみさわ昭仁「無限の本棚」

とみさわ昭仁「無限の本棚:手放す時代の蒐集論」(アスペクト)¥1480+税

飲尿療法など不思議な民間療法、大家族もの、占い師、恋愛指南、成り上がり系などテーマティックな古本蒐集のみならず、色紙に描いてもらう似顔絵、大晦日に登場する西暦メガネなどなど、なんでも蒐集する癖と活動を、自身のミニコミ「蒐集原人」に綴ってきたとみさわ昭仁氏が趣味が高じてついに2012年、古本屋マニタ書房を開業。

「オカルト」「毛」「ご長寿」「大家族」「秘境と裸族」「埋蔵金」「水商売」など独自のカテゴリーの棚の氏の古書店は、ライター業の事務所も兼ねていて、神保町のビルの4階にあります。他にないセレクション、世界観を反映しながら、仕入れや取材がある店を閉めるため月の半分ほどの開店、さらには対面販売のみでネット対応なしという運営方法。

50年の蒐集人生から、生まれた店と運営スタイル、コレクション論は断捨離とかミニマリストの時代の蒐集、ライフスタイルにあわせてデザインされたお店論でもあり仕事論だったりもします。

四六判240pages

四方宏明「共産テクノ ソ連編」

共産テクノ

四方宏明「共産テクノ」(パブリプ)¥2200+税

デスメタル・アフリカに続いてパブリブが放つご当地音楽ものは共産テクノ!!!
冷戦時代に、ソ連を中心とした共産圏で作られていたテクノポップ~ニューウェイヴ系音楽のガイドブック。

西側陣営で我々がテクノ体験をしているときに、もうひとつのパラレルワールドでも起こっていたムーブメントを、テクノポップを掘り下げるうちに共産圏に辿りついた四方宏明が発掘した数々の名作、迷惑、倒錯(盗作?)を紹介します。

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テルミンを生み出すほどの電子楽器大国だったソ連。一方でそれは「収容所群島」と呼ばれる抑圧体制を敷いていました。

若者達は当局の監視から逃れる為に、政治信条を問われないインストゥルメンタル曲に専念したり、あるいは音源を「サミズダート(地下出版)」で流通させたりと試行錯誤を余儀なくされました。結果的にダビングによって、ねずみ算式に増殖した非公式「テープレコード」がソ連全土に行き渡りました。

また著作権の概念が理解されておらず、情報も限られていた為、、欧米の人気曲をクレジットを載せず、オリジナル曲として発表する事も多発しました。そもそも西側の機材を入手する事が困難だった為、ミュージシャンが楽器を自作する事もありました。またわずか2トラックの録音機を駆使した「人力テクノ」まで現れます。

ペレストロイカ期には、国民の体力増強を図る政府と、国営レコード会社メロディヤ、そしてアメリカでブレイクビーツを目撃し、それをどうにかして取り入れたいミュージシャンの利害が一致し、「エアロビクス用の音楽」という建前の音楽が生まれ、そこから「スポーツテクノ」なるジャンルまで出現します。

更には「音楽芸術委員会」という本来、検閲の立場にいた組織が、ミュージシャンの音楽的な間違いを補正するなどして手助けし、音楽の品質を向上させていました。

またフランスのテクノバンド「SPACE」が、ソ連で公演して人気を博し、元々宇宙開発先進国だった事もあり、宇宙イメージと親和的な状況の中、ソ連でスペースディスコが大流行します。

この様にソ連のテクノは、アメリカやヨーロッパ、日本など資本主義陣営とは異なった環境で、様々な制限を課された事によって、不思議な形態へと進化していました。今の時点から見てみると、かなり変な事になっています。テクノが近未来風志向な雰囲気を狙っているだけあって、余計変に見えます。

このソ連のテクノの不思議な謎を、元々、テクノポップの第一人者として知られる四方宏明さんが徹底的に調査しました。テクノが音楽的に好みでなくとも、共産趣味的、いや文化人類学的に大変興味深いエピソードが盛りだくさんです。

B6判224pages

参考までに取り上げられたテクノの中でも特殊なのの画像を貼っておきます。
口琴がシンセの代わりをした、サイケオペラ調の土着テクノ?

台湾の日常雑貨の美を集めた「普通 美」

普通 美

「普通 美」(it is edition)  ¥2500+税

台湾の日常で使われている、用の美にも通じるシンプルで美しく昨日的な生活雑貨を集めた写真集。

しゃもじ、お弁当箱、ほうき、針、コップなど日本のものにも似ているけど、どこかノスタルジックでエキゾチック、チープなのに美しいものを一点一点カードにして箱に収め丁寧に作られた写真集。
500部限定版。

20×14×2.5cm (箱サイズ)
18.6×12.5cmのカード48枚入り

普通 美

普通 美

普通 美

普通 美

普通 美

青山夏樹「現代緊縛入門」

現代緊縛入門

青山夏樹「現代緊縛入門」¥2300+税

緊縛の基礎からトラブル対処法まで、「緊縛事故」を減らすためのガイドブック。
緊縛師・AV監督であり、SM/緊縛に関わる事故防止のための知識の普及と事故当事者へのサポートを目的としてBDSMセーフティサポート協会の代表をつとめる青山夏樹が、縄の扱い方、装置や力学的な視点からの吊り方、血管や神経など人体を配慮しての縛りなど、緊縛を楽しむための安全確認ポイントと知識を伝授。
縛り方や吊り方を説明するための図解や写真はありますが、一般的な緊縛写真集とは異なり説明を主体とした入門書になっています。

コンテンツーーーー

〇はじめに

〇第一章 緊縛の歴史
Section1 縄文から安土桃山まで
Section2 江戸から現代
特別寄稿 / 下川哲

〇第二章 緊縛の実践
Section1 縛りについての基礎知識
Section2 緊縛に使われる道具
Section3 縛り方
●注意事項
●緊縛用語
●基本の結び
●地上での縛り「捕り手縛り」「手錠縛り/応用」「後手縛り」「不動一本縛り」「亀甲/菱縄縛り」「胡坐縛り」「飾り縄」
●吊りでの縛り「吊り床」「吊り床の作り方」「逆海老吊り」「片足上げ吊り/ M字開脚吊り」「骨盤一点吊り」

〇第三章 骨と神経(朝倉さくら)
骨と神経についての危険箇所「橈骨神経麻痺の程度と治療の判断」
胸を固定して吊り上げた時の呼吸制限
急所付近の気を付けるべきポイント

〇コラム「緊縛師とは ①」

〇第四章 トラブル対処法
「過呼吸」
・過呼吸とは何か?何故起こるか・過換気の原因・症状・傾向・対処法
「縛りのシステム」
「ズレた縄」
「セーフワードを決める」

〇コラム「緊縛師とは ②」

〇第五章 緊縛事故例
事故報告に青山夏樹が答える ケース1~5

〇緊縛事故をなくしたい ~あとがきにかえて~

A5判112pages