書籍」カテゴリーアーカイブ

飯塚めり「東京喫茶帖 カフェノート」

飯塚めり「東京喫茶帖 カフェノート」

飯塚めり「東京喫茶帖 カフェノート」(カンゼン)¥1600

喫茶店の雰囲気やそこで働く人、集まる客たちの様子までもが好きで、席でひっそりメニューをスケッチしては「カフェ・モンスター」というジンを発行してきたイラストレーターの飯塚めりが、これまでのスケッチとレポートを一冊にまとめたもの。

気分や目的、人数、季節や天気によって訪ねる喫茶店を変えて楽しむ。
一人時間を楽しめる店、雨の日に行きたい見晴らしのいい店、都内にいながらヨーロッパ気分を味わえる内装の店…など、54の喫茶店を紹介しています。

ジンではスケッチはその場でスマホで撮影した画像を使っていますが、単行本では絵も大きくクリアに使って、紹介文やコラムも大幅に加筆されたうえに、撮りおろした写真が加わり、新たな構成でお届けします。

A5判144pages 特製カップ型しおりつき

cafemonsterbookmark400

カップ型のしおりのおまけ

cafe monster バックナンバー

ジンcafe monster のバックナンバーもございます

ウィッチンケア文庫 長谷川町蔵「あたしたちの未来はきっと」 久保憲司「スキゾマニア」

プロアマ問わない書き手たちの試作の場、インディーズ文芸創作誌「ウィッチンケア」から生まれた新たな作品を、ペーパーバックの形でお届けするシリーズ、ウィッチンケア文庫がスタート!!
映画・音楽コラムニスト長谷川町蔵と、写真家・ロックジャーナリスト久保憲司、共に初の小説作品を同時発売。

あたしたちの未来はきっと

ウィッチンケア文庫01 長谷川町蔵「あたしたちの未来はきっと」(タバブックス)¥1250+税

走りながら、よろけながら、
踊りながら、ぼんやりこう思った。
あたしの未来はきっと、
彼女たちのそれとは全然違うものになるだろうって-

2010年、中学2年のお楽しみ会で「少女時代」を踊るはずだった、未来を約束されたかにみえた美少女9人を待ち受けていた現実とは。
東京郊外の町田を舞台に、少女たちは時空を越えて運命を切り開くー。映画・音楽コラムの名手が初めて描く青春群像小説。
試し読みはこちら>>>>
B6判変型148pages

久保憲司「スキゾマニア」

ウィッチンケア文庫02 久保憲司「スキゾマニア」(タバブックス)¥1100+税

でも、やり続けるしかないんだよ。
あの高円寺のデモの日、
やっぱ東急ハンズにヘルメットを
買いにいくべきだったんだ。
たぶん僕たちの戦いはずっと続いているはずなのだ-

パンク、レイヴ、フェス、 デモ、そしてトランプショック。
80年代から現在まで日本のカウンターカルチャーの記憶を歩く。
単身渡英、写真家、ロック・ジャーナリストとして活動する一方、
日本のクラブシーンの基礎を築いた著者による現代日本のビート小説
試し読みはこちら>>>>
B6判変型104pages

野中モモ「デヴィッド・ボウイー変幻するカルト・スター」

野中モモ「デヴィッド・ボウイー変幻するカルト・スター
野中モモ「デヴィッド・ボウイー変幻するカルト・スター」(ちくま新書)¥840+税

デヴィッド・ボウイ(1948.1.8~2016.1.10)の生涯を「デヴィッド・ボウイ・イズ」や「ボウイ・トレジャーズ」などの翻訳を手掛けた野中モモが、変幻自在のスーパースターを取り巻くそのときどきの社会状況や音楽シーンとあわせて、時間軸にそって読み解いた一冊。

デヴィッド・ボウイが生まれた戦後間もないイギリス、育ったロンドン周辺地域の様子、髪の毛をオレンジに染めて登場した際のロンドンっ子たちへの驚き、「レッツ・ダンス」の世界制覇…
デヴィッド・ボウイが開拓し、今では当たり前になった様々な事柄がいかに新しくユニークであったかを、当時の世相や業界、音楽シーンに目を配りながら明らかにしてゆきます。

ロンドンに暮らし、土地感を持ち、デヴィッド・ボウイにまつわる様々な文献に触れ、サブカルチャー、社会運動などにも通じた筆者が、自身の体験や身体定規を通して、現在の日本で暮らす読者に実感しやすい形で例えや参考になる事象があげらながら書き進めているので、初心者も、長年のファンもデヴィッド・ボウイと彼がいた時代を、懐古趣味や現在のバイアスからちょっと距離を置いて振り返ることができます。

新書判254pages

ゼイナ・アビラシェド「オリエンタル・ピアノ」 関口涼子・訳

オリエンタル・ピアノゼイナ・アビラシェド「オリエンタル・ピアノ」 関口涼子・訳(河出書房新社)¥2400+税

オリエンタル・ピアノ」の紙面は、音とデザイン化された絵にあふれている。
状況説明のテクストも登場人物たちのセリフもクツが鳴る音や鳥のさえずりも同じ字体で書かれて、オノマトペがペンや筆で書かれたマンガを見慣れた人には少しとっつきにくかもしれない。
しかし、それは50年代のペイルートに暮らす主人公の一人アブダッラーを取り巻く音の景色でもある。彼は自身の音楽を奏でるために(たとえばハリー・パーチのように)12平均律にない4半音を奏でるオリエンタル・ピアノを開発し、ウィーンに招かれ、ピアノの量産化に向けて普及活動に精を出す…。

一方、現代のパリ。幼い頃から祖父にフランス語を仕込まれ、アラビア語と2つの言葉の中で育った若い女性が、ベイルートからのこの町に移住し、両国を往復しながら、やがてフランスに帰化するうちに、フランス語に不在の言葉に気付いたり、アラビア語にないニュアンスを体感したりして、二つの言葉は編み物のように絡み合いながら、このもう一人の主人公の中で、豊かな表現を織りなしてゆく。

曾祖父と曾孫娘の物語が交錯するなかで、(曾祖父と親友の性格が正反対なら、その親友は双子の片割れであり…、
時代は変れど曾祖父も曾孫娘も東洋と西洋の間で自らの音楽or言葉を奏で…と)様々な要素がデュアルかつ精密に描かれてゆく。

言語や文化を、自身の記憶や体に取り込み、再び紡ぎだすことで自身の物語=人生を歩んでゆく様は、誰もが自分のオリエンタル・ピアノを発明し、奏でる行為であるかのように。

B5判212pages

オリエンタル・ピアノ

意気揚々としたアブダッラーの気持ちはトビウオの音符で表現され。

オリエンタル・ピアノ

フランス語とアラビア語は、彼女の中で編み物のようにひとつに織り込まれてゆく…

オリエンタル・ピアノ

コロナブックス「諸星大二郎の世界」

諸星大二郎の世界

コロナブックス「諸星大二郎の世界」(平凡社)¥¥1600+税

1970年のデビュー以来、半世紀にわたり300以上の作品を生み出してきた漫画家・諸星大二郎のカラーイラスト、原画を下描きの線やネームの切り貼りなどのリタッチなしに収録し、作品を辿りながら読みすすむガイド&研究本。
画業の変遷を追いながら、考古学者や民俗学者、中国文学者、文化人類学者、文芸評論家などスペシャリストたちによる研究序説を付し、作家自身の幼少時代を辿る旅や書斎と蔵書などから作家の深層にアプローチします。

原画ギャラリー、自らのルーツを辿る東京・足立区本木町の旅、書き下ろしエッセイ、書斎と本棚の大解剖(メイン書棚に入った蔵書をすべてリスト化!)、漫画家・山岸凉子との初対談、諸星大二郎に聞く95の質問、人物年表、主要作品解説、全作品データほか。

◆目次

諸星研究序説
古代[評論]松木武彦
民俗[評論]畑中章宏
東洋[評論]福嶋亮大
南方[評論]都留泰作
西洋[評論]東雅夫
日常[評論]東雅夫

諸星少年のいた街で。
[エッセイ]諸星大二郎 本木町を訪ねて

諸星大二郎の本棚 モロホシワールドを生み出す小宇宙へ――。
[対談]山岸凉子×諸星大二郎

諸星大二郎に聞く95の質問
略年譜
諸星大二郎主要作品解説

[選・文]斎藤宣彦

諸星大二郎全335作品初出誌&単行本データ

B5判変型 144pages

諸星大二郎の世界 諸星大二郎の世界