漫画」カテゴリーアーカイブ

台湾でみつけた本やzine (3) MURAI短編漫畫自選集

murai短編漫画自選集

自主制作〜一般単行本、展覧会など広く活動する漫画家MURAIさんのMangasickでの展示にあわせて、同店で作られた中訳の台湾版作品集。B6判48ページの小さな冊子で、「ムチープーシャアダン」「お礼に卵をあげよう」「白日夢」「ナスカ」などの短編を収録。

ペンネームからして、年齢や性別不詳な感じのムライさんですが、作品の舞台も”アジアのどこか”や”異国”の雰囲気のせいか、中訳されたセリフも絵柄に馴染んでいます。Mangasick店長で、高野文子さんの「棒がいっぽん」や五十嵐大介「リトル・フォレスト」などの訳者でもある黃廷玉さんが訳を担当し、日本側からはキッチュの編集者の呉塵罡氏が文字編集で加わり、言葉と文字の置き換えへの配慮が感じられます。

murai短編漫画自選集

石川次郎 × Le Dernier Cri「Chinpoko Jiro」

Chinpoko Jiro

石川次郎「Chinpoko Jiro」(Le Dernier Cri)¥2000+税

石川次郎のミニコミ「チンコマン」を気に入った、フランスのアートブック出版者Le Dernier Criのパキート・ボリノが、このシリーズの出版を提案し、石川次郎が描き下ろした16ページのコミックに最近のイラストを加えて完成したコミック。

これまでのチンコマン以上に、武器のチンコがのびるのびる!!!! 動く動く!!!!

ライブのない夜に、レイプを楽しむバンド“ポコチンズ”は、餌食の女性を捕らえ、まさに事に及ぼうとしたとき、助けを求める悲鳴を聴いたチンコマンが出動する。火炎放射器になったり、ミサイルまで発射する多機能チンポを武器にするヒーロー、チンポマンは、男たちを次ぐ次に伝家の宝刀で倒し、女性を救うのだがーー

タイトルはチンポコジローですが、主人公の顔立ちはパキート・ボリノ似。海外での初に出版を意識してセリフは少なめ?、シュールな景色が展開してゆくイラストストーリーになっています。

石川次郎のモノクロ原画にパキート・ボリノが色彩を置き、構成しました。

A4判 20pages オフセット
※日本語原文をおつけしています。

Chinpoko Jiro

Chinpoko Jiro

Chinpoko Jiro

ビュー(大谷秋人)「球体とマンガ」

球体とマンガ

ビュー(大谷秋人)「球体とマンガ」¥2500+税

大谷秋人からビューに活動名を改め、2014年3月~2015年6月ころまでに描いたマンガをまとめた600ページ近い、自立するほど分厚い本。

何を描いたらいいのか迷っていた時期に、その”わからなさ”を、日記のように描いた作品だそうで、難解ではないけど、心象風景や夢のようにイメージが展開してゆきます。

収録作品は「球体マンガ」「お煮しめシリーズ」と未完で未発表だった「たまごのかめ」。あとがきと作品解説付き。

A5判596pages

球体とマンガ

土屋慎吾「ゲゲゲのアシスタント~土屋慎吾の青春期~」

完全版 ゲゲゲのアシスタント

土屋慎吾「ゲゲゲのアシスタント~土屋慎吾の青春期~」¥1482+税

官能劇画家で、1968年から70年まで水木しげるのアシスタントをしていた土屋慎吾の青春期。

多忙を極める水木プロに同時期、在籍していのは、つげ義春、鈴木翁二、つりたくにこ、古川益三ら。水木一家や同僚たちの人間模様とあわせて、活気あふれる制作現場が描かれているのだが鬼太郎の絵を担当したり忙しいはずの筆者は、風俗に出かけたり、やがて中学時代の同級生に求愛したりと女性関係にも超多忙!
アシスタントの傍ら、自分の作品を描くために休みを申し出るだけでなく、遊びに行くためにも休みを申し出て、ついに水木先生からクビを言い渡される。
結婚を控えながら、仕事も住む場所も失い、背水の陣で漫画家としての独立を目指す弟子を水木先生は最後に暖かく送り出し、土屋慎吾の青春も幕を閉じる。
ひょうひょうとした水木さん、個性的なアシスタントたちに、懲りない主人公の土屋慎吾、人間臭くも、憎めない人物たちによる青春群像。

A5判174pages

エド・ピスコー「ヒップホップ家系図 vol.3(1983~1984) 」普及版ソフトカバー

「ヒップホップ家系図 vol.3

エド・ピスコー「ヒップホップ家系図 vol.3(1983~1984) 」普及版ソフトカバー(プレスポップ)¥1900+税

エド・ピスコーの大人気ヒップ・ホップ・コミックシリーズ、第三弾!

1983年から84年の期間を追って今回描かれるのは:ラン・DMCの名声への道取り。
唯一無二の強烈な存在であるフーディーニ、ザ・ファット・ボーイズ、スリック・リック、ダグ・E・フレッシュ等。
ビースティ・ボーイズがラップ・グループとなる様子。リック・ルービンがラッセル・シモンズと出会い、デフ・ジャムを立ち上げる過程。かの有名なパイロットテレビ番組、ヒップ・ホップダンス番組『グラフィティ・ロック』、ドキュメンタリー映画『スタイル・ウォーズ』、西海岸のヒップホッップ・ドキュメンタリー『ブレイキン・アンド・エンタリン』等。

今回も綿密な調査に裏付けらたエドのヒップホップへの情熱が詰まった読み応えのある内容となっています!

33cm×23cm 112pages