漫画」カテゴリーアーカイブ

コミックFantasy 15

 

comicfantasy15

コミックFantasy 15   ¥840

執筆メンバーは—
『ウォークボード』秋元なおと
『さみしい みいたくん』田中六大
『闇夜の海から 追加編2』イタガキノブオ
『カエカとオシケ7「タバコと実加さん」』奇観鳥
『カエカとオシケ8「空回りの術」』奇観鳥
『カエカとオシケ9「怪」』奇観鳥
『おかしな学校』甲野 酉
『ジャックの旅』鮭夫
『魔法使いの弟子たち』小野カロン
『看板』奇観鳥
『世界の色』木村史乃
『生き物図鑑19&20』佐藤弓生&イタガキノブオ
『うかんでは 消えること いくつか』早川司寿乃
『薔薇の泉2「ささやき館から」』内海敏彦
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イラストエッセイ 秋元なおと,木村史乃、内海敏彦
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●第14回コミックFantasy『ファンタジー・コミック大賞』
謡犬ユネ  『たまごのココル』 独創賞
選評 イタガキノブオ

表紙 田中六大 裏表紙 サノマサコ
A5判170P

鈴木詩子「女ヒエラルキー底辺少女」

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鈴木詩子「女ヒエラルキー底辺少女」¥1050

 杉作J太郎、みうらじゅん、古泉智浩と、ダメな男子の青春を描いたコミックの系譜は、いまやしっかり認知され多くの読者の共感を呼んでいますが、たとえばその女子版があったら…、というのが期待の新人・鈴木詩子さんの作品でしょう。

 本当の、家族って? 友だちって? 恋って? そして私だってチヤホヤされたい!!——謎の仕事をする父親とおおざっぱな母親と暮らし、友だち(?)からは“ブー”と呼ばれ、情けない目にあってばっかりの女子高生・桃子。

 宮台真司さんから「底辺同士で連帯するどころか、底辺同士でツブし合うゼロ年代。「〜なんてどうせ消えるさ」という奴から消えていくゼロ年代。酷薄は2ちゃん的状況を活写した「現実自体がコメディ」漫画」というお言葉を頂戴した作品は、男子ばかりでなく、女子社会もやっぱりたいへん、という日常がリアルに描かれています。

B6判192P

 今回、鈴木さん初単行本記念として、イラストつきサインを入れていただいたうえに、自主制作した冊子「ロマンティック☆引かれムード」をタコシェ特典としておつけしています。こちらは、下ネタを盛り込んだ、バンドマンを狙いながら実は適当にあしらわれる桃子ちゃんの悔しいお話! 数に限りがありますのでこの機会をお見逃しなく! 女子だけでなく男子も読んでみてね!

ぴろぴと「ロボット」

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ぴろぴと「ロボット」¥368

 漠然とした不安感に包まれるホラー映像作家ぴろぴと氏の「絶望工場」に続くコミック。
 今回は、イラストの抽象度も増し、テクストと一体化し、迷宮のような様相を呈しています。
A5判16P

robot cover

表紙はこのように黒一色で、左下に作者名とタイトルが小さく入っています。

武富健治責任編集「鈴木先生教科書ガイド1」

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武富健治責任編集「鈴木先生教科書ガイド1」¥600

 緋桜山中学校2年A組の担任で国語教師の鈴木先生と生徒たちの日々の出来事や事件を、先生の内面描写とリアルな描き込み、壮大な学園ドラマとして現在進行中の武富健治『鈴木先生』。
 すでに2009年までに単行本8巻が発行されましたが、そこで、多くの登場人物とそのキャラと関係性を整理するガイドブックが、作者自らの編集で作られました。

 これまでに名前が出てきた全キャラを描きおろしポートレイトつきで解説、主要キャラには数々の逸話も紹介されています。
 巻頭には描下し漫画1Pと、これまでのカラー扉で主な出来事とロゴの変遷を辿る3Pのカラー記事が、巻末には、「初期の鈴木先生」「バタフライナイフ事件の真相」など文章トピックも設けています。
 また、登場人物の名前でもあだ名でも検索できる索引も付されています。
 
 ガイドブックとしてはもちろん、座席表など、作品を構想する上で作家が作りあげた、2年A組の世界を垣間見ることができる、メイキングものの側面も持ち合わせた冊子です。
A5判72P

泉信行 他「フィクション・ハンドブック」

フィクション・ハンドブック

泉信行 他「フィクション・ハンドブック」 ¥1290

 マンガはもちろん、物語やエンタメにも通じる、フィクションを読み解くうえで思考のツールになるような評論を集めたアンソロジー。
 編集人で執筆者のひとりでもある、「漫画をめくる冒険」の泉信行が知人との対話の中で興味をもったポイントを、改めて原稿にしてもらうという形でまとめられた新書版サイズのガイドブック。

 内容は—
chapter 1 視点論
「恋愛劇にみる視点の折り返しと、『うっかり感情移入』:みやも(ブログ:身辺雑感/脳をとろ火で煮詰める日記
「内語と負け役と個人主義」伊藤悠(ブログ:指輪世界の第二日記
「フィクションへの〈入口〉と〈ハシゴ〉」:泉信行

chapter2 感想論
「良い映画と悪い映画と千利休」:泉信行
「あなたの感想・批評がdisられるとき」:泉信行
「「面白さ」におけるアマチュアリズムの優越–ニコニコ動画を例に–」:大工(DikePとは (ダイクピーとは) – ニコニコ大百科
「「媚び」とは」:泉信行
「「王道」とは」:泉信行

chapter3 漫画論
「津田雅美コマ割り研究序説 ver.2」:高柳紫呉(ブログ:紫呉屋本舗
「津田雅美と」ページの輪切り」:泉信行
「「視る」ための手がかりはどこにあるか–マンガにおける「視点」をめぐって」:岩下朋世(個人サイト:IWASHITA Housei

 新書判140P