ミニコミ」カテゴリーアーカイブ

ベルリンの韓国人アーティストJeong Hwa Min「Cyan」

Cyan

Jeong Hwa Min「Cyan」¥3000

ベルリン在住の韓国人アーティストで、Le Monde Diplomatique(フランスの新聞Le Mondeの姉妹紙で政治・国際問題、外交に関する記事が中心の月刊誌 )などに寄稿しているJeong Hwa Minが自身でシルクスクリーンプリントした絵本のようなコミック。

主人公は白ネコのシアン。お家を抜け出したシアンは、ジャングル、サーカス、映画館、エベレストなどを巡って大冒険をします。鮮やかな蛍光カラーで刷られたポップな絵柄が魅力。

27.5cm×20.5cm 20P(2色刷り)110部限定ナンバー入り

Cyan本文

ラトビアからオルタナティブコミック誌 kuš! とš!が届きました

s! 10 表紙

みなさん、ラトビアってどこにあるか御存知? バルト海に面した、バルト三国の真ん中、リトアニアとエストニアに挟まれた国で、1991年にソ連から独立して、今はEUに加盟しています。

ソ連から独立後も、ラトビアのコミックは子供向け、歴史もの、風刺が中心で出版点数も少なかったのですが、そこにやって来たマンガ好きのスイス人が、芸術系コミックを紹介しようとして2007年に創刊したのがこのkuš!だそう。外国の有名作家にも原稿を依頼し、内外の作品を広く掲載する中で、自国の作家も育ち、展示やワークショップも行なううちに、後続のコミック誌も生まれ、規模こそ小さいが活況を呈してきたラトビアのコミックシーン。その地域性とエネルギーが伝わるコミック誌kuš!とš!が届きました。kuš!とラトビアのマンガシーンについては田中六大さんが発行する漫画同人誌uzo♯11に特集が組まれていますので、詳しくはそちらをご参照ください。

二誌の違いは、kuš!を発行する上で経済的なピンチに見舞われたとき、なんとか継続しようと、サイズを小さく(それに伴い送料も削減)したのがš!。どちらもタイトルはラトビア語で「ねえ」「ちょっと」という意味だそうです。判型こそ、小さくなりましたが、収録作品とペース数は増え、クオリティはアップ! 編集人のDavidさんは今後も状況に応じて雑誌の形も実験してゆきたいと前向きです。

二誌はこれまでにキクチヒロノリ、田中六大、香山哲など日本の作家の作品も収録しているほか、場所柄か、東欧、北欧の作家も多く紹介しています。言語は英語で、印刷はオールカラー。コミックというより絵本、あるいはBDっぽい作品も収録されていてヴァリエーションも豊富、グラフジンとしても楽しめて、と〜ってもお得です。

上の画像は最新号のš!10号。表紙はポーランドの漫画家Maciej Sieńczyk。この号は「sea stories」がテーマなのですが、この人、大型船の船長が手袋をとると指が赤児になっていて、イクメンしながら航海するなんていう妙な状況を渋いタッチで描いていたり、謎の漂流物が海から流れ着くお話を描いていたり…と妙です。

Reincarnation

また、日本から参加した香山さんは2色で描いていて、いつものタッチと違った印象が。

s!10

バックナンバーも含めて入荷しましたので、各号についての詳しくはこちらをご覧ください(¥300〜¥800)。お求めのお客様にkuš!特製ポストカードをプレゼントします!

kus! / s! / uzo

新しい出版文化プロジェクト「本の島 vol.1」

本の島  vol.1

「本の島 vol.1」(本の島)¥1050

「本の島」とは、2009年に亡くなった編集者・津田新吾が構想していた、あたらしい出版文化のかたちです。

そのイントロダクションは以下の通りです。

「島と島とをつなぐようにして、星と星とをつなぐようにして、ゆたかに響きあう本の世界を夢見ること。文芸書や人文書の分野で、並外れた情熱と妥協のない審美眼をもって、人びとの記憶にのこる数々の本を世に送りつづけた編集者の故・津田新吾。かれの構想したインディペンデント・ブックレーベル、「本の島」。その夢を、書物の書き手、作り手、売り手、読み手がそれぞれの場所で創造的に受け継いでいきながら、あたらしい出版文化のありかたを模索する共同プロジェクトです。いざ、出航」

生前の彼を知る人、あるいは死後に「本の島」というイメージに共鳴した人たちにより、そのアイデアをヒントに出版文化の新しいありかたを模索する現在進行形の共同プロジェクト、それが「本の島」です。その本の島が雑誌を創刊しました。タイトルも「本の島」。

コンテンツは—-
「本の島」上陸に向けて。 本の島News Letter No.0  津田新吾
津田新吾に——Marseille(乃)喪(乃)籠り、……  吉増剛造
津田新吾 本を夢見る力  野崎 歓
言葉の護衛兵を本の島に送り込む(前)  堀江敏幸
フットボールの島々1 コルシカ島  陣野俊史
容疑者の夜行列車に乗車 短歌×多和田葉子『容疑者の夜行列車』  石川美南
何という生き方  鄭 暎惠
読むことの風  淺野卓夫
島々から神河内へ  西口 徹

波のような地紋の入った青無地にタイトルだけの表紙。雑誌ながら、表紙裏表紙ともに活版刷りで表紙にはチリ(本文より2〜3ミリ大きめにとった部分)もつけて、本の形をしています。

A5判74P

プロジェクトの活動についての詳細は「本の島 ISLANDS OF BOOKS」を
本の島 タイトル

そして、こちらのレビュー冊子もあわせてどうぞ。
本の島々

「本の島々」(本の島)¥200
 
 津田新吾が構想した出版のヴィジョン「本の島」に共感した8人がブックフェアのために選んだ、それぞれの10冊+αためのレビュー集。

寄稿者は
阿部日奈子(詩人)「譲らない人々」
桂川潤(装丁家)「希望の島々」
郷原佳以(フランス文学)「孤独とイマージュ」
越川芳明(評論家)「「ポエジーの島」めぐり」
管啓次郎(詩人)「元素の島」
樽本樹廣+山川真由子(「百年」店主)「primitive books」
蜂飼耳(詩人)「聴耳空耳島」
渡辺富士雄(「しまぶっく」店主)「空と大地のもうひとつの場所」

A5判8P

大谷秋人マンガ集「オールライト」/「mood」

オールライト

大谷秋人マンガ集「オールライト」¥1000

短編5本とおまけ漫画を収録。
大きな工場で、たった一人無数にある穴に手をつっこんでは中からクラゲを引き抜きだけのバイトに明け暮れる青年が、あるとき見慣れない穴をみつけて手を入れて触れたものとは…?
ほかにも、手が箱状になってしまった青年や、見知らぬ女の子のポートレイトが常に視界に入っている少年の物語など、ちょっとシュールなのに、淡々と流れる日常の機微が描かれています。

 一見地味な装幀ですが、章ごとの扉の刷色が違っていたり、表紙のタイトルがエキポシ加工してあったりと拘りのデザイン。

A5判96P
オールライト本文

mood

大谷秋人「mood」¥600 

邯鄲夢のように、すべてが喫茶店でお茶をしている間の幻想にも思えるような物語。
ライブ会場会った男(みかけ宇宙人)となんとなくお茶した事から、知り合いとなる主人公。ただ、お茶する主人公のおぼろげな記憶の中で、その男のバンド活動が断片的に進行する…。

B6判20P (2色刷、表紙はトレーシングペーパーとカラー出力との二枚重ね)

mood本文

作品に出てくる4人組のバンドのそれぞれのキャラのフェルト人形つきもあります。¥1200

mood フェルト人形

COMIC ロケット vol.3 May 2012「地図を手にして新しいこと!」

comic ロケット

COMIC ロケットvol.03 (ロケット編集委員会)¥500

特集は「地図」。地図をテーマに11人の作家が読み切り短編を寄稿しています。
メモ書きみたいな地図、大雑把な地図、未来地図、住宅地図、道ばたの町内地図etc. いろいろな地図を小道具に11の物語が展開します。

掲載作品
山本美希「ANIMALS」
アニュウリズム「地図と私」
トサカウシ「次会うときには」
なるなる文庫「リバーシブル」
関根美有「親愛なるプルーデンス」
山坂ヨサンセン「鹿背山」
清田羊「たからもの」
アンドロー吹田「宇宙ダンジョンにようこそ」
工藤正樹「工藤正樹の北の国から」
ミヤハラリキ「或る町の地図」
今井栄一「秘境ラーメン」

A5判84P

COMIC ロケット本文