森泉岳土「爪のようなもの・最後のフェリーその他の短篇 」

森泉岳土「爪のようなもの・最後のフェリーその他の短篇 」 (小学館)¥1100+税

爪楊枝をメインの筆記具にして、墨と水を使って漫画を描く森泉岳土の読み切り短編10本を収録。(今回は冒頭に初ボールペン作品が登場)

夏にふさわしい洞窟からはじまるひんやりホラー、片岡義男作品のコミカライズ、大林宣彦監督のエピソードからタイトルに使われた幻想譚「爪のようなもの」と、ヴァラエティあふれる内容になっています。

作品にあわせて、異なる色と質の紙を使っているので、紙の本で、ページをめくる嬉しさ、ひとつひとつの世界の色や演出も味わっていただきたい。

■収録作品■
最後のフェリー
片岡義男の「彼女のリアリズムが輝く」
タゴールの「妖精」
リングワンデルング
ムルの顔
Two shades of summer
夏の夜のけものfeat.けもの
冬の偶有的神秘エトセトラ
爪のようなもの

A5判232pages

桑本正士 写真集「幻植物園」

桑本正士「幻植物園」 ¥2727+tax

2016年に逝去した写真家・桑本正士による植物園をモチーフにした写真集。

70~80年代、国内外のミュージシャンのポートフォリオを撮影し、音楽雑誌等で活躍した桑本正士が、プライベートで撮り続けた植物園の写真を生前の遺言により、遺族の協力のもと3年がかりでまとめたもの。

自然の植生から切り離されて植物園の中に根をはる植物、ガラスと鉄でできた温室の中で繁茂する植物、人工物と植物がユニークに切り取られています。
(植物と植物の壁画が渾然一体となっていたり、植物の中にぼんやりとうつりこんだ写真家がいたりと、色々なものがみつかります)

病床の写真家の中では、写真集のイメージが明確にできていて、持ち歩きしやすい判型、モノクロ、ハードカバーetc.という、そのその希望に沿ってデザインされたそう。また前半が桑本自身がセレクトしたもの、後半が膨大なネガの中から編集人たちが増補したものとなっているとのことです。

江ノ島植物園、伊豆シャボテン公演、沖縄ひめゆるパーク、夢の島熱帯植物館、小石川植物園をはじめ、台湾の植物園も。

20.8cm× 20.8cm 52pages 企画・発行 住吉千砂

市場大介 変則自主出版本「もう、帰らない」

変則自主出版本 市場大介「もう、帰らない」¥1364+tax

市場大介による、絵と漫画がミックスされた約4年ぶりの個人誌。

これまで版下入稿したいたものをデータ入稿に変えたそうで、コピー誌みたいなベタな感じやノイズがなくなり、いきなりクリアに。
と同時に、狂気や暴力を飲み込んでしまうような無表情の美女たちの静けさがひたひたと伝わってくるような。

前半は、切り抜きなどをコラージュした”脳内宇宙遊泳漫画「王将」より抜粋再構築&多分最後の漫画「白い道」”を収録。
因果な運命を背負った登場人物たちが錯綜し、美杖エズミもカメオ出演しています。

後半は最近の絵画作品と写真になっています。

A5判108pages

NEUTRAL COLORS 1 : 自分でつくると決めたインドの朝

NEUTRAL COLORS 1 : 自分でつくると決めたインドの朝(NEUTRAL COLORS)¥2400+tax

旅の雑誌、NEUTRAL、TRANSIT、ATLANTIS を世に送り出してきた、編集者・加藤直徳の新雑誌『NEUTRAL COLORS』の創刊号。

個人的な体験や創作や記憶を、オフセットに加えて活版印刷、リソグラフ、シルクスクリーンなどのハンドメイドな印刷手法の合わせ技で構成した誌面から発信します。

特集は「自分で作ると決めたインドの朝」。
シルクスクリーンの美しい絵本で世界中にファンを持つ南インドの出版社タラブックスの工房取材にはじまる超個人的なインドへの想いが綴られた現地取材を新旧の手法を織り交ぜながら印刷することで、色彩やデザイン的にユニークなだけでなく頭の中で様々な記憶が合成されて像や考えが浮かぶように、奥行きある誌面が楽しめます。
在本彌生、矢萩多門、ユザーン、千賀健史らの寄稿もあり、テクスト量も豊富で、何度でも手にとりたくなります。

25.7cm×18.2cm 232P


中原昌也「人生は驚きに充ちている」サイン本

 中原昌也「人生は驚きに充ちている」(新潮社)¥1800+tax

Hair Stylistics名義での音楽活動をはじめ、小説や映画評論などの執筆、コラージュやペインティングの制作と、多岐にわたり活動する中原昌也の新刊。(挿画も作家本人によるもの)

「私の体験した、希有な心霊現象を記す術」を探求する小説をはじめ、今年の2月に逝去した古井由吉との文学問答、東日本大震災後の福島で「廃墟の声」を訊いた話、新型コロナウイルスの影響により都市封鎖寸前のフランスでの無観客ライブなどについてのテクストなどを収録しています。

Novel 人生は驚きに充ちている
Interview 古井由吉氏にズバリ訊く vs.古井由吉
Interview 21世紀のクラシック音楽体験とは? vs.浅田彰
Reportage 一斗缶4個の人生
Reportage 廃墟が語りかけてくる
Essay 五輪総合演出「秋元康」という悪夢
Essay すき家、マルクス、ブラック企業
Reportage ショッピングモール空間探検記
Diary 戒厳令の昼のフランス・ツアー日誌 2020・3・4-3・17
あとがき

四六判224pages

【サイン本について】
※2020年8月2日(日)15時前までにご注文の場合、ご希望のお客様にお名入れの上、発送いたします。
備考欄にご希望のお名前をご記入ください。
(お支払い方法はクレジットなど先払いでお願いします。お送りは8月3日以降となります)

2020年8月2日(日)15時から18時の間にご来店の場合は、在店予定の作家からサイン本をお渡しいたします。
新型コロナウィルス感染予防のためにご来店のお時間をオンラインショップにてご予約願います。
ご来店時はマスク着用の上、手指消毒をお願いいたします。