マンタムさんの馬頭骨のギター Layla 初号器改

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展示途中から、マンタムさんのオブジェがつぎつぎ追加されています。まずは馬頭骨のギター、Layla。その来歴については、少し長くなりますが、ご本人による説明をご覧ください。
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当店はその初期においてビザールギターと称される国産60年代のエレキギターを中心に特化したお店でした。

当時人気があったイカすバンド天国という番組のおかげも在り商売としては良かったのですが何ぶん古い上に元々設計もいい加減なギターも多かったので修理やお客様の要望でカスタム化するうちに技術が身につき5年も経つ頃には自分でもギターが作れるようになっていたのです。
注文も入りはじめ 当店で修理を手伝っていた人間が独立してギター工房を構えるようになってからは大抵の注文に応じてギターのカスタム化やオーダーメイドも受けられるようになり少数でしたがオリジナルギターも作るようになっていました。

ですがお客の注文の殆どがギブソンのレスポールやフェンダーのテレキャスター等既にある工場量産型のギターであり、何本か作ったところでなぜワザワザ手作りでそんなものを作らなければならんのかとバカバカしくなってしまったのです。
同時に所謂ビンテージモデルと言うものに対し私には少しも納得のいかない根拠でとてつもない値段で販売する大手楽器屋さん達にも嫌気がさしていたしそういうお店と一緒に見られたくないという思いもありました。
確かに憧れているミュージシャンと同じギターを使いたいと気持ちはわからないではないけれど彼らはそんなつもりでそのギターを手に入れたわけではないと思うしやっぱり一緒に時間を過ごして自分の分身のように使い込んで行く事の方が遥かに大切な事だろうと思うのです。

憧れと言う事の為だけに音楽を それもロックという権威だの権力だのにそもそも牙をむく為に始まったような音楽に楽器屋の口車にのせられて1年分以上の給料をつぎ込まされるような事は本当に如何なものだろうかと。

結果そういった注文には応じなくなり好きなギターのカスタムや修理だけに仕事を絞り 好きなギターを好きな時にそれでも欲しいというお客に売るというスタンスになり それならワザワザ高価なものでなくともそこそこのギターで充分いい音が出るからとリーズナブルなギターを中心にこれからギターを始めたいという人達を相手に商売をするようになりました。

ある日作家という肩書きがついたところで再度ギターを作ると言う事を考える事になったのです。

カスタムと言う意味 オリジナルと言う特性 今迄培って来たギターと言うものに対しての構造的な考え方から、このLAYLAは作られています。

ギターと言うものがほぼ現在のスタイルとなって170年 エレキギターと言うものが作られて約80年 世界中で一体どれだけのギタークラフトマンがいるのかは知りませんが 未だだれも作った事も思いつきさえしなかったギターがこのLAYLAなのです。

木鳴り(エレキギターをアンプを通さずに弾いて鳴りの良いものが良く鳴るとされる考え方)に対してピックアップは本来弦の振動によって発生する電気を音に変換しているわけだから木鳴りがするということはその木を振動させている分だけ音が逃げているのだからボディは振動しない素材の方がピックアップからすれば条件は良いという考えからボディには頭骨を使用している。

2012年秋にパラボリカ・ビスにて開催されたmantam+P.P***CRYSTAL「CATASTROPHE GLASS BAR」の為に作製されたLayla初号器を今回の展示のために改良したモデル。

24フレット 2PU (PAFコピー)2ボリューム 2トーンコントロール
価格 20万円(税込み)

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