後藤ユニ「サマーバケーション イン マイ ヘッド」¥762+税
第18回 中原中也賞の最終選考に残り、現代詩手帖などにも作品を発表している後藤ユニの詩集。
2010年以降、ネット上に発表した詩と書き下ろし作品で構成。
寝ながら眺める現実のような(遊体離脱?)、過去が幻のように現れて今に投影されたかと思えば、「忘れたいのに思い出せない」と言ったり、つかめそうでつかめない、後藤ユニの不思議な世界。
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それからわたしは幾度となく
あの 夢のような日々のことを思い出すけれど、
もうだれも
夢じゃなかったとは 言ってくれないんです
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夢かと思った
眠っていたいほどあなたが好き。
うたた寝のような気持ちで、私一生愛してる。
睡眠という甘美な響きに、誰もが一度はうっとりとしてしまった経験があるのではないか。睡眠の中のふ
たつの瞼が、溶けてくっついて開かなくなってしまう。食欲も性欲も放棄してわたしは睡眠に没頭する。スイミ
ンという名前の恋人。このままずっと目を覚まさずにいたら、いつか死んでしまうだろう。死の間際の、人は起
きているのか、寝ているのか、それとも死自体が眠りの姿をしてやってくるのか。(後略)
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A5判120pages