てくり 16「パンとごはん。」

盛岡発、盛岡やその周辺の岩手の暮らしをテーマにしたミニコミ「てくり」。盛岡で暮らし、働く編集者たちだから出会えたおもしろい人やうれしい事を紹介しています。「てくり」に限らず、震災以降、東北から発信される出版物は、日本の暮らしや在り方を考えるうえでの忘れてはならない大事な視点を気づかせてくれます。

てくり16

てくり16「パンとごはん。」(まちの編集室)¥476+税

暑い夏を終え、収穫の季節に「パンとごはん。」をテーマにすることを思い立ち、盛岡周辺のアイガモ農法の稲作農家や、2012年11月末に盛岡にオープンした地元の山里で自然に近い形で栽培されたやさい料理を提供するお店「小森komori」、玄米菜食と土地の産物にこだわった「盛岡正食普及会」のフランスパン、一見おしゃれな店構えでいながら岩手の素材を活かしたパン屋さんporte deなどを訪ねます。

健康や食の安全に関心の高い人たちに、おいしさを提供してきた岩手の生産者やお店は、震災後、顧客の放射能に対する不安が大きく、自らの意識も高い分、厳しい葛藤を抱える事に。岩手の豊かな農業や食を紹介しつつ、生産者や売り手が、無農薬や有機だけでは安全といえない今、どのように新たな課題と消費者に向き合い、安全を守ろうとしているかまで取材しています。

放射能の問題に結果や答えはまだみえませんが盛岡や岩手に根ざした雑誌が、地元に根ざした農家や売り手のそれぞれの声を伝えてくれます。
B5判38P