お絵描き掲示板を使った低解像度のイラストの、ノイズを含むポップでカラフルな作風が印象的な二艘木洋行さんの個展『梨でおねがいします!』を2012年最初のタコシェでの展覧会として開催いたします。
二艘木さんは、最近では活動の範囲を広げ、佐々木敦さんの新刊「未知との遭遇」(筑摩書房)の表紙まわりのイラストも手掛けましたが、ご覧のように、タイトル文字とパラレルに存在するような不思議な存在感を放っています。というわけで、タコシェの壁面だけでなく、本棚の本と本の隙間や意外な空間に、アクリス板に圧着した小作品を配するなどして、書店空間とのコラボという形で作品を展示する予定です。どうぞ、お楽しみに!
(画像上:佐々木敦「未知との遭遇」表紙、下:同書カバー)
尚、佐々木敦さんからも、展示に際して、二艘木作品へのコメントをいただきました。こちらのコメントも二艘木さんのアレンジによる配布物になる予定です。
未知との遭遇、というキーワードを如何にしてヴィジュアル化するか、ということを考えてみた時、すぐに思いついたのが、二艘木さんの作品だった。
誰にもわからない機能と使命を帯びたプログラムが鮮やかに実体化したかのような、謎に満ち満ちたマトリックス。
入口も出口もない堂々巡りの迷路のような図像。
それでいて、それはすこぶるポップなのだ。
彼の絵は、いわゆるゼロ年代的であるようでいて、どこかが決定的に違っていると思う。
それは80年代のポストパンク的アンチプロフェッショナリズム、90年代のクラブカルチャー的な高揚と憂鬱、そしてゼロ年代の飽和と絶望と希望とをすべて踏まえた上で、テン年代の現在にシンクロしている。
彼の仕事には、まさに来たるべき未知なるもの、のヒントが眠っていると思う。
佐々木敦(批評家)
♥♥♥♥ポイフルでクロージングします♥♥♥♥2月5日(日)展示の最終日 16:00より、展覧会にいらしてくださったお客様に、店内のデコレーションに使ったお菓子ポイフルをプレゼントしたり(なくなり次第終了)、点在するアクリル画をご案内するガイドを行います。寒いけど、まだの方、この機会にいらしてくださいね!
終了しました。ご来場ありがとうございました。