text 東野ひろあき 監修・須田泰成「モンティ・パイソン 関西風味スケッチ集」(プリズムギフト) ¥1365
ちょっと前に入荷したのですが…遅ればせながらご紹介します。
60年代末にBBCのコメディ番組から生まれた伝説のコント集団モンティ・パイソン。シュールでブラック、ばかばかしくもアナーキーな笑いは、ビートルズのメンバーも魅了し、日本でも劇作家の宮沢章夫やKERAも公言しているように、世界中のクリエーターたちに影響を与え続け、パイソニアンなるマニアたちを生んでいます。
オリジナルには、ヨーロッパ文化に根づいたもモチーフやイギリス独特の言い回しなどベタなものがたくさん出てきますが、そのベタな部分をあえて大阪に移して大阪弁でやってみたら…という思いつきを、朗読会とう形で実行したうえに、本にまとめてしまったのがコレです。
缶入りハムのスパムをキムチに置き換え、凶器代わりのバナナはモダン焼きに、様々な種類のチーズが挙げられるチーズショップはこれまた銘柄が多い発酵系ということで酒屋さん…というように、大阪のソウルフード?にとってかわり、登場人物の職業も噺家になったりと、とことんこだわり、オリジナルとの対比も楽しいけれど、オリジナルを知らなくてもまた楽しく奥深いです。表紙も帯をとると、モンティ・パイソン関西風味というかタイガースや太陽の塔が入っていて関西喜劇モンティ・パイソン風味でしょ!?
脚注は、ちょっとおせっかい?あるいはちゃちゃいれ?な関西のおばちゃん風味“カンサイキベディア”となっており、関西独特の表現やアイテムを説明してくれています。巻末には、関西風味注釈対談 松尾貴史×東野ひろあき(放送作家、脚本家)×須田康成(「モンティ・パイソン大全」)がついています。
B6判 208P