あらいあき「チュウチュウカナッコ」

kanakko

あらいあき「チュウチュウカナッコ」(青林工藝舎) ¥1050

70年代も終わり。そんな頃ー
福々軒のウエイトレス、カナエカナコはコミュニケーション能力ほとんどゼロ。そんなカナコと、わりと人生下手、かもしれない人々による、ペーソスあふれるキュートなボンヤリ物語。ヒネヤ商店街は、今日もにぎやか。

約10年の歳月をかけて描いたカナエカナコを中心とした、そのバイト先の中華料理店”福福軒”周辺のカナコと同世代の人々の物語。コニュニケーション力のなさゆえに、客商売でもいドン臭いだけのカナコの内面描写が中心ですが、長いブランクを経ての後半は、バイト先や周辺の人々に不憫に思われたりからかわれたり、風変わりなバンド”グルグルゾンビーズ”が登場し、カナコもその活動に巻き込まれたりと、カナコを中心としたヒネヤ商店街の青春群像のようになってゆきます。

著者のあらいあきは—-90年代初頭からマンガ・イラストレーションを手がけ、いくつかの作品を発表したのち、99年に第一回アックスマンガ新人賞奨励賞受賞。2001年より「アックス」にて『チュウチュウカナッコ』連載開始。役者として大人計画公演『ファンキー』(96年)、『ヘブンズサイン』(98年)、井口昇監督映画『クルシメさん』(97年)、『恋する幼虫』(03年)などの主演作がある。本書が初のマンガ単行本。
作品の中には、(実在しないけど、どこかリアルな)前衛演劇の演出家やアマチュアバンド、アルバイターなどなども出てくるのも楽しいです。

サイン入りの本に加えて、特典として栞とチラシ(これは、本では描かれていない、海に行く主人公たちの車中の様子1P分のマンガと、裏面にメッセージとラフスケッチがのっています。チラシは倉敷の蟲文庫とタコシェでのみのオマケ)がついています!
B6判196P

KANAKKO

おまけはチラシとしおり。

また、このチュウチュウカナッコの番外編みたいなお話を収録した自費出版本「ゼンマイアタマ」もお取り扱いしてます!

それから、来る9月12日(日) 15:00〜18:00 あらいあきさんを招いての店内イベントを予定しております!