大香港研究会「御宅族も現場に行ってきた。2019-20」¥779+tax
香港で漫画を買い付けて日本で販売する香港漫画店の店主。
これまでも買い付け出張の際に、現地で仕入れたおたく視線の漫画や町ネタを同人誌にしていたが、2019年度は、まったく様子が違った。連日ニュースになった一連のデモ、そしてコロナ。
香港書展に合わせての出張。展示会場には、ほのぼのエッセイ漫画や旅行ガイドが相変わらず人気の一方、デモや運動を支持する出版社のブースやレノンウォール(付箋にメッセージやスローガンを書いてみんなで貼るアレです)が出現するカオス。
町ではデモが続いていたが、滞在中に、運動の流れを変える地下鉄・元朗駅での市民襲撃事件(デモ参加者のみならず地下鉄乗客など市民が、シャッターの閉ざされた駅構内で地ヤクザ的集団に暴行された)が発生。
翌朝のお粥屋さんで、居合わせた香港人たちがテレビのニュースを見入る様子から、日常に暴力が侵食し、不安や悲しみや怒りetc.が伝わってゆく空気感が捉えられています。
筆者が帰国後も運動は続き、その様子は時系列に沿って年表方式でまとめられています。
そして年明け。買い付を前に、深刻化して行くコロナ感染。現地は、防疫やら必要物資の確保に大忙し。加えてデモ。
ますますカオスな香港に、マスクと除菌グッズ完備で乗り込む筆者….
現在、コロナ感染の第二波を乗り越えた香港ですが、ピークを迎える前の戦々恐々の時期の模様。
生活や自由が脅かされる時、政治とどう向き会うか、自分たちの健康や命をどのように守るか…
いまや日本人にも無縁でない問題に、長く向き合って来た香港の様子を伝えてくれる現地レポート。
B5判68pages