及川健二「沸騰するフランス」 四六判294P ¥1785
フランス初の女性大統領候補に、最大野党の社会党がロワイヤル元環境相を選出したことで、かつての小泉劇場以上に、フランスの政治が面白くなっています(まさに激動のとき)。
対抗馬は、この前まで盛んだった移民系の若者たちを中心とした暴動を抑えた与党・民衆運動連合のサルコジ氏(ハンガリー系移民二世で、相撲は知的なスポーツでない発言をした人物)ということで、今後、ますます目が離せません。
そんなフランス政界を、日本人ジャーナリスト・及川健二さんが、2004年から2006年までフランスに滞在しつつ取材したのが本書です。
極右の親玉ルペン、大統領候補に浮上したロワイヤル女史、ヨーロッパ緑の党重鎮の赤毛のダニー、市民運動の鑑・ミッテラン夫人……と、今後、フランス政界のキーパーソンとなる人物に単独・体当たりインタビューをしています。
フランスで生活しながら、マスコミとは全く違ったアプローチで、エトランジェとして要人たちと直接わたり合って取材した大統領選の背景はもちろん、ジダンがワールドカップで頭突きをかました背景や極右が台頭してくるワケなどもみえてきますよ。タコシェでもお求めになれます。