月別アーカイブ: 2014年1月

凡天太郎「忍法無惨伝」

凡天太郎 忍法無惨伝

凡天太郎「忍法無惨伝」(凡天劇画会)¥1300+税

稀代の刺青師・凡天太郎が描く戦国忍法長編劇画!
戦乱の世に翻弄されれう生き別れた三つ子の宿命! 非情と残酷とロマンと…。

貸本漫画が衰退し、青年劇画が本格的に動き出した混沌の60年代後期に、戦争や様々な仕事を経験しながら裏社会をも見てきた刺青刺、凡天太郎が描いた非情で残酷、無常観漂う忍者モノ史劇。

収録作品は
『忍法無惨伝』1968(漫画パック連載)
『くの一殺し隠形鬼』1968(漫画ゴラクdokuhon)
『仇討ち無情』1967(漫画天国)

白土三平『忍者武芸帳』『忍法秘話』『カムイ伝』、横山光輝『伊賀の影丸』などの名作忍者漫画を擁する新書判レーベル、ゴールデンコミックスへのオマージュを込めた、植地毅とメチクロによる装丁にも注目。
解説:宇田川岳夫

新書判コミック 192pages

凡天太郎 忍法無惨伝

北村小松「火 -少年科学防諜作戦-」前編/後編

戦前は『マダムと女房』をはじめとした映画シナリオ、戦時中は戦争(協力)ものやスパイもの、戦後はユーモア小説に転じ、大衆小説家として活躍した・北村小松のSF系作品の発掘・紹介をしてきた日本初期SF映像顕彰会が今度は北村の軍事科学冒険小説を復刻。

北村小松「火 -少年科学防諜作戦- 前篇」

北村小松「火ー少年科学防諜作戦ー前編」(日本初期SF映像顕彰会)¥1429+税

北村小松が昭和16年に「少国民新聞(現在の毎日小学生新聞)」紙上で1年間連載した少年向け軍事科学冒険小説の復刻。
海野十三のような、派手なメカや超科学描写はないが、「子供の科学」レベルの科学トリックを追ううちにだんだんとスパイ追撃の冒険物になっていく手堅い愉しみがあります。
戦前の小説なので、敵の英米組織のアジトが今でいう南沙諸島(当時、新南群島=日本領)内にあったり、英米に騙されている東南アジア住民を日本側エージェントが説得する長口上が延々十数回にわたって続いたり、この時代ならではの描写が多々見受けられますが、それも含めて興味深い冒険小説。連載全323回のうち前半の山場になる181回までの内容を採録。挿絵・海洋画家、飯塚羚児の挿絵も再録、当時の少年小説世界が味わえます。

新書判216pages

北村小松「火 -少年科学防諜作戦- 後篇」

北村小松「火ー少年科学防諜作戦ー後編」(日本初期SF映像顕彰会)¥1429+税

北村小松が昭和16年に「少国民新聞(現在の毎日小学生新聞)」紙上で1年間連載した少年向け軍事科学冒険小説を飯塚羚児による連載当時の挿絵および単行本版カラーイラストとともに、物語後半である第182回から第323回の最終回までを復刻。

少年向けの科学防諜作戦作品でありながら、日中戦争4年目・英米との開戦前夜の時代の空気が伝わる作品。
この連載の終了直後に北村は二度目の海軍報道班員として南方諸島へ半年間従軍。帰国したばかりの昭和17年7月に大政翼賛会の依頼を受け“日常生活におけるスパイ防止”に関する講話「戦争と世相」を行なっている。 「火」連載当時の世相を知りうる重要な資料として、この講演内容も収録。

新書判210pages

北村小松 火 後編

オカルトスポット探訪マガジン 怪処 vol.6 特集:地獄極楽めぐり

怪処 vol.06 地獄極楽めぐり

怪処 vol.6 特集:地獄極楽めぐり 日本&海外ガイド(とうもろこしの会)¥952+税

新年にふさわしくい極楽&地獄めぐりと、不思議な力を持つ呪物を特集!

総力特集 ◎ 地獄極楽めぐり 日本&海外ガイド

地獄めぐり代表格  ハニベ巌窟院 [石川県小松市]
十界三兄弟     桑原寺 [岐阜県中津川市]
風天洞 [愛知県豊田市]
大秘殿 [愛知県蒲郡市]
ジオラマ地獄    伊豆極楽苑[静岡県伊豆市]
普談寺[新潟県新潟市]
アドベンチャー地獄 桂昌寺跡[大分県宇佐市]
アバンギャルド地獄 まんだら遊苑 [富山県立山町]
カラクリ地獄    全興寺[大阪市平野区]
恐竜ランド [和歌山県伊都郡]
東京閻魔      新宿太宗寺[東京都新宿区]
深川ゑんま堂[東京都江東区]
賽の河原      恐山 / 岩崎賽の河原 / 佐渡願賽の河原 / 西院の河原地蔵尊 / 浄土ヶ浜
撮影禁止地獄    正観寺[徳島県海部郡]/ 成田山 久留米分院[福岡県久留米市]
地獄絵       正福寺[鳥取県境港市]
胎内・戒壇めぐり  善通寺 / 善光寺 / 洞窟観音 / 善光寺 東海別院
あの世の入り口   黄泉比良坂[島根県松江市]/高天原[岡山県真庭市]
タイ地獄寺     ワットパイロンウア / ワットムアン / ワットガイ
ワットロンクン / ワットプートウドム
地獄の口      ブッダパーク[ラオス]
タイガーバーム地獄 ハウパーヴィラ [シンガポール]
台湾的地獄     金剛宮 / 八卦山南天宮 / 麻豆代天府 [台湾]

怪モノ紀行 特別編 ◎ 呪物

インタビュー 呪術・呪物研究家 西山たけし
コラム    西山たけしの呪物案内
呪物を買うならココで! タープラチャン市場[タイ]
サワディーショップ[東京都新宿区]

実食!! マイナーミート ◎ 世界の珍味を色々と食す!in サン・フーズ[愛知県豊橋市]
特集 ◎ 知られざる隠れキリシタン
廃泉をゆく ◎ 坪野鉱泉[富山県魚津市]
特集 ◎ ネット怪談の現場 杉沢村 / きさらぎ駅 / 裏S区 / 静岡VIPPER失踪事件
マンガ 「裏S区に行ってきた」
多田克己の妖怪サーベイ◎ 栃木市不思議旅[栃木県栃木市]
怪店営業中 ◎ 酒処 夕暮れ[新潟県長岡市]
随筆家 ◎ クーロン黒沢 インタビュー

B5判78pages オールカラー

怪処 vol.06 地獄極楽めぐり

怪処 vol.06 地獄極楽めぐり

怪処 vol.06 地獄極楽めぐり

駕籠真太郎 The Art of Shintaro Kago 2 / 駕籠真太郎式百鬼夜行図画 日本の妖怪

The Art of Shintaro Kago2

駕籠真太郎  The Art of Shintaro Kago 2 (timeless) ¥3333+税

フランスでの駕籠真太郎画集 第二弾。
これまでの表紙絵、見開きフォーマットの絵などをフルカラーで収録。

30cm×40cm 40pages 250部限定
The Art of Shintaro Kago2 The Art of Shintaro Kago2 The Art of Shintaro Kago2

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日本の妖怪 駕籠真太郎式百鬼夜行図画 日本の妖怪 ¥800+税 駕籠真太郎式のエログロ妖怪カラーイラストを集めた個人誌。 二口女、豆腐小僧、百々目鬼、人魚、傘化け、付喪神、のっぺらぼう、大むかで、ぬりかべ、ろくろ首、舟幽霊、安達が原の鬼婆、河童、がしゃどくろ、雪女、 などの少女幽霊が登場。16点収録。 A5判16pages カラー
日本の妖怪

日本の妖怪

2014年 あけましておめでとうございます

Takeo Yamada Lungta

新年おめでとうございます。

昨年はどうもありがとうございました。今年は、引き続きのプロジェクトに加えて、新しいお楽しみも用意中です。

さて、年頭の写真は午年にちなんで、Takeo Yamadaさんのパラダイスロストという三部作の作品集の一作目「Lungta」から、北海道は根室半島の馬たちです。

チベット語で「風の馬」を意味するルンタ。この北の馬たちは根室半島に生息する、日清・日露戦争時代に北海道の在来馬と大型馬などを掛け合わせ、軍用に改良された馬たちの末裔だそう。終戦でお役御免になり、現在は輓馬(ばんば)として北海道競馬で見られるほか、根室半島付近に半ば野生化して放置されているのだそうです。

荒涼とした極東に追いやられながらも、摂理を受け入れて穏やかに暮らす馬たちの姿に、写真家は楽園を追われたアダムとイブ、ミルトンの失楽園のイメージを重ねます。私は馬たちの安住に地に、大島弓子の「ロストハウス」を連想します。

さて、健気なお馬さんを見て作家はこう語ります。「チベットのタルチョに描かれたルンタから見るように、古代から人は風に吹かれる馬たちに祈りを乗せたことでしょう。馬は人間の心を読むといいます。馬が内包する精神的安らぎと、馬と人間との悠久の交感に思いを巡らせながら、この作品が私たちの限りある未来を展望する一助となれば幸いです」

みなさん、HAPPY NEW YEAR!

Takeo Yamada サイト
こちらで、Lung収録の他の作品もご覧になれます。
※1月6日(月)〜12(日)森岡書店にてTakeo Yamada個展「THE PARADISE LOST」

Takeo Yamada Lungta