書籍」カテゴリーアーカイブ

森泉岳土「爪のようなもの・最後のフェリーその他の短篇 」

森泉岳土「爪のようなもの・最後のフェリーその他の短篇 」 (小学館)¥1100+税

爪楊枝をメインの筆記具にして、墨と水を使って漫画を描く森泉岳土の読み切り短編10本を収録。(今回は冒頭に初ボールペン作品が登場)

夏にふさわしい洞窟からはじまるひんやりホラー、片岡義男作品のコミカライズ、大林宣彦監督のエピソードからタイトルに使われた幻想譚「爪のようなもの」と、ヴァラエティあふれる内容になっています。

作品にあわせて、異なる色と質の紙を使っているので、紙の本で、ページをめくる嬉しさ、ひとつひとつの世界の色や演出も味わっていただきたい。

■収録作品■
最後のフェリー
片岡義男の「彼女のリアリズムが輝く」
タゴールの「妖精」
リングワンデルング
ムルの顔
Two shades of summer
夏の夜のけものfeat.けもの
冬の偶有的神秘エトセトラ
爪のようなもの

A5判232pages

中原昌也「人生は驚きに充ちている」サイン本

 中原昌也「人生は驚きに充ちている」(新潮社)¥1800+tax

Hair Stylistics名義での音楽活動をはじめ、小説や映画評論などの執筆、コラージュやペインティングの制作と、多岐にわたり活動する中原昌也の新刊。(挿画も作家本人によるもの)

「私の体験した、希有な心霊現象を記す術」を探求する小説をはじめ、今年の2月に逝去した古井由吉との文学問答、東日本大震災後の福島で「廃墟の声」を訊いた話、新型コロナウイルスの影響により都市封鎖寸前のフランスでの無観客ライブなどについてのテクストなどを収録しています。

Novel 人生は驚きに充ちている
Interview 古井由吉氏にズバリ訊く vs.古井由吉
Interview 21世紀のクラシック音楽体験とは? vs.浅田彰
Reportage 一斗缶4個の人生
Reportage 廃墟が語りかけてくる
Essay 五輪総合演出「秋元康」という悪夢
Essay すき家、マルクス、ブラック企業
Reportage ショッピングモール空間探検記
Diary 戒厳令の昼のフランス・ツアー日誌 2020・3・4-3・17
あとがき

四六判224pages

【サイン本について】
※2020年8月2日(日)15時前までにご注文の場合、ご希望のお客様にお名入れの上、発送いたします。
備考欄にご希望のお名前をご記入ください。
(お支払い方法はクレジットなど先払いでお願いします。お送りは8月3日以降となります)

2020年8月2日(日)15時から18時の間にご来店の場合は、在店予定の作家からサイン本をお渡しいたします。
新型コロナウィルス感染予防のためにご来店のお時間をオンラインショップにてご予約願います。
ご来店時はマスク着用の上、手指消毒をお願いいたします。

ジェンダー・エッセイ 清田隆之「さよなら、俺たち」

清田隆之「さよなら、俺たち」(スタンド・ブックス)¥1700+tax

学生時代に、女性たちの恋バナに耳を傾け、相談に乗るうちに、「桃山商事」としての文筆業やラジオなどが現在の活動につながった清田隆之。

これまで女性の言い分を収集してきた彼が、蓋をしてきた自身の恋愛や失恋などの過去に向き合い、これまで聞いてきたエピソードや、友人・知人らとの語らい、本や演劇などのカルチャーと擦り合わせて、みえてきた自分の中の男性性問題をあぶりだす。
過去の幼稚で狡猾な言動、見たくない部分を振り返り、甘えや油断、無知や加害者性などの「俺たち」にさよならして、「私」への脱皮を目指す、著者初の本格的ジェンダー・エッセイ。

失恋、家事、性的同意、風俗、夫婦別姓、マンスプレイニングからコロナ離婚まで、様々なテーマに根づく男性問題を掘り下げています。

【目次】

さよなら、俺たち

1 あの人がいない人生を生きるのだ――失恋による小さな死

あの人がいない人生を生きるのだ
失恋による“小さな死”を乗り越えるには
こじらせ男子の当事者研究――失恋ホストの現場から

2 俺たちは全然客観的で中立的なんかじゃない ――男の幼稚さ

「気づかない男たち」 ――ハラスメント・スタディーズ
俺たちは全然“客観的”で“中立的”なんかじゃない―― セカンドレイプ
ボクたちはいつ大人になれるのだろうか ――大根仁作品における「男の幼稚さ」について
『ラブライブ!サンシャイン!!』のPRイラスト論争。批判の声に怒っているのは誰なのか
女子小学生にまで求められる“男ウケ”のモテ技。俺たち男はなぜ「さしすせそ」で気持ち良くなってしまうのか
世界で進む「性的同意」の議論。俺たちはその意味を理解できているのか

3 私たちはすれ違ってすらいないのかもしれない――コミュニケーションと聞く力

「男をひと括りにするな!」から進むために
我々が“聞ける男”になるために必要なこと
「コロナ離婚」の背景にある絶望感の正体
私たちは“すれ違ってすらいない”のかもしれない

4 生理が〝自己責任〟になってしまうディストピア――強固な男性優位の社会構造

田嶋陽子が再ブーム。“日本でいちばん誤解されたフェミニスト”はこんなにカッコ良かった
エロ本の作り手にお話を伺う中で見えてきた巨大構造
生理が“自己責任”になってしまうディストピア
doing偏重社会に生きる私たちに突きつけられた“ミラー小説”
「子どもを産まなかったほうが問題」は失言ではない。現政権の本音だ
「夫婦別姓は犯罪が増える」というトンデモ発言は“男性特権”が生んだ無知の末路

5 加害者性に苦しむ男たち――抑圧と孤独

女性の恋愛相談を聞きまくった結果、過剰に抑圧されるようになった私の性欲
“加害者性”に苦しむ男たち
内面の孤独
性欲は“本能”って言うけれど……男性にとって風俗とはどういう場所なのか

6 生まれたからにはまだ死ねない――beingから「私」へ

矛盾への恐怖と恋愛相談
「だったらひとりで生きればいいのでは?」と絶望される前に
家に一冊も本がなかった
自分を掘れば他者とつながる
ぺこぱ“NEO優しい”の衝撃 「優しいのにおもしろい」という革命
笑いと脱力をもたらすbeingの世界――さくらももこ論
生まれたからにはまだ死ねない

B6判304pages

大橋裕之「ニューオリンピック」

大橋裕之「ニューオリンピック」(カンゼン)¥1300+tax

東京オリンピック中止を描き、それが現実になってしまった大橋ワールド全開のスポ根ナンセンスギャグ・サイエンスフィクション問題作。

オリンピックに新種目導入、出場、メダル獲得…
子供から大人、有名選手、エスパーやオリンピックに潜む魔物、実業家、漫画家、ジャーナリストが、それぞれの思惑や妄想を暴走させて、あらぬ方向に展開する平和の祭典は、果たして開催されるのか?
衝撃的なラストと、その先に広がる景色を見届けてくださーーい!

巻末に作者と山里亮太氏(南海キャンディーズ)によるzoomスペシャル対談収録。

A5判156pages サインとあとがきペーパーつき
※サイン入りは、在庫なくなり次第終了することがあります

香港を舞台に人々の営みを描いた Overloaddance 超載舞步「都市儷人」

Overloaddance 超載舞步「都市儷人」¥1273+tax

香港のアーティストOverloaddance 超載舞步の最新漫画。

グラフィティなど、町のところどころに抗議運動の痕跡をとどめる香港を舞台に、それでも日常は続く—-

ピンポンマンションを訪れたり、誰かを想い、希望や救いを求める人間たちと、体毛のジャングルの中で、パートナーを探して命のエネルギーを燃やす毛ジラミや、花の中に閉じ込められて花粉にまみれて受粉を促す甲虫を重ね合わせながら、人間の営みが描かれています。

傷ついた体を引きずり、舫を断ち切り、一人舟に乗り込んだ男が向かう先は…

18×13.5cm ソフトカバー 132pages
中国語(翻訳ペーパーがはさまっています)

かわいい、毛ジラミたち