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2011年前後の変化の時代を綴る円盤店主・田口史人「二〇一二」

田口史人「二〇一二」

田口史人「二〇一二」(円盤・リクロ舎)¥2300+税

高円寺の音楽スペース円盤店主、田口史人のよる27万字に及ぶ、日々の記録。夏葉社から上梓した「レコードと暮らし」の裏テーマを綴った本になります。

日常が途切れることなく続いてゆくように、記述は表紙から裏表紙におよびます。タイトルが切り抜かれたカバーの窓から、テクストが覗いてます。
2008年、2011年、2012年、2015年の四部構成で、主に円盤のこと、出張先のこと、映画鑑賞日記、食べ物のこと、様々な事が綴られています。
独白的なテクストから、2011年前後の変化の時代に向き合った店主の姿勢が伝わってきます。
ーーーお互いを絶賛しあわないと「ディスった」とか言われるような世の中ですからこの程度の批判でも今ではタブーに近い感覚になってきていますし、それが決別に直結することもありそうです。
しかし、賛辞を送りあわなければならない関係の脆さといったらないと思います。
そもそも僕もあなたも下衆でしょうもないくだらない生き物である「人間」なんですから、そのような賛辞に値する結果や行動など維持できるわけはないのです。
それを維持しようと、お互いに裸の王様になりあっている状況の滑稽さと危険さから少しでも多くの人が逃れて、やっとこさのそこそこの人間であろうとしてくれることを希望しています。
まさにそのくだらない僕自身がこの社会で生きていけないのですから。そうでなければ困るのです」

本に出てくる事柄は…
ネット・オークション、アマチュア、SNS、ライヴハウス、ブッキング、サービス業、営業マニュアル、東日本大震災、失業手当、原発、東京の生活、距離感、カテゴリー、ボーダーレス、80年代、90年代、秘め事、セブンイレブン、パトロン、自由、ミュージシャン、黒澤明、盆栽展、三ツ沢通信、地方都市、インディーズ、死んで行く人達、フリーミュージック、収集家、今井次郎、アナログ盤、アルゼンチン・タンゴ、今井正、間章、川勝正幸、日本万国博覧会、作品、マーケティング、田原総一朗、落語、URC、民芸、貧乏、相場、ロック、音楽の本、位相反転、引っ越し、ギャラ、祭り、小沢昭一、アンビエント、アンダーグラウンド、うつ病、菊地成孔、絵かきうた、円盤ジャンボリー、芸術、遊び場、KONO、ムードコーラス、オーディオ、本厚木、直島、スカム、ポータブル・レコード・プレイヤー、美空ひばり、チンドン屋….

四六判346pages
円盤からの自費出版

エド・ピスコー「ヒップホップ家系図 vol.3(1983~1984) 」普及版ソフトカバー

「ヒップホップ家系図 vol.3

エド・ピスコー「ヒップホップ家系図 vol.3(1983~1984) 」普及版ソフトカバー(プレスポップ)¥1900+税

エド・ピスコーの大人気ヒップ・ホップ・コミックシリーズ、第三弾!

1983年から84年の期間を追って今回描かれるのは:ラン・DMCの名声への道取り。
唯一無二の強烈な存在であるフーディーニ、ザ・ファット・ボーイズ、スリック・リック、ダグ・E・フレッシュ等。
ビースティ・ボーイズがラップ・グループとなる様子。リック・ルービンがラッセル・シモンズと出会い、デフ・ジャムを立ち上げる過程。かの有名なパイロットテレビ番組、ヒップ・ホップダンス番組『グラフィティ・ロック』、ドキュメンタリー映画『スタイル・ウォーズ』、西海岸のヒップホッップ・ドキュメンタリー『ブレイキン・アンド・エンタリン』等。

今回も綿密な調査に裏付けらたエドのヒップホップへの情熱が詰まった読み応えのある内容となっています!

33cm×23cm 112pages

佐々木マキSASAKI Maki 「Ding Dong Circus and other stories, 1967-1974」

Ding Dong Circus

佐々木マキSASAKI Maki 「Ding Dong Circus」(Breakdown paress)¥2600

ガロ掲載作の15編を収録した、初の英語版、ベスト選集。
タイトルの「ディン・ドン・サーカス」はじめ、「かなしい まっくす」「サマーコース」「ヴェトナム討論」などを収録。

This collection presents, for the first time in English, the best of Sasaki Maki’s work, mainly from alt-manga super magazine Garo. Drawn between 1967 and 1974, the fifteen stories here follow Sasaki’s groundbreaking exploration of collage methods in comics storytelling, weaving through references to R&B, rock ‘n’ roll, the Vietnam War, Andy Warhol, the Summer of Love, the Beatles, British humour, and the wacky world of Japanese consumerism. Ding Dong Circus demonstrates what manga fans already knew: that in Sasaki Maki, Japan can claim not only a pioneer in experimental comics, but one of the world’s masters of Pop Art and a trenchant avant-garde critic of the Sixties.

20.4cm×15cm 256pagees オフセット印刷
帯文は村上春樹

翻訳編集を担当したRyan Holmbergによる解説および編集裏話的なコラムがあります。

Ding dong Circus

Ding dong Circus

Ding dong Circus

ダーティ松本,早見純,三条友美(モーリー・ロバートソン,会田誠,ロマン優光,永山薫)「劇画あまとりあ」

劇画あまとりあ

ダーティ松本、早見純、三条友美+モーリー・ロバートソン、会田誠、ロマン優光、永山薫「劇画あまとりあ」(久保書店)¥2222+税

ダーティ松本、早見純、三条友美—
三人三様にマンガ界の極北に屹立する劇画天使たちの傑作短編を、高橋鐵の性風俗誌「あまとりあ」を世に出した日本のエロス出版の雄、久保書店が、フランスのバンド・デシネに肖った造本設計でおくるアンソロジー。
カバーをとると一見、銀無地ですが、光を受ける角度で「劇画」「Gekiga Amatoria」の文字が浮かびあがります。

モーリー・ロバートソン[ジャーナリスト]、会田誠[美術家]、ロマン優光[ミュージシャン]、永山薫[批評家]が偏愛を綴ったエセーを特別寄稿。

ダーティ松本「黒い水曜日」
早見純「涼子、6049日目!」
三条友美「きりきり同盟」

A4判96pages

劇画あまとりあ

劇画あまとりあ

劇画あまとりあ

劇画あまとりあ

Fanette Mellier「Dans la lune」

dans la lune

Fanette Mellier 『Dans la lune」(Editions du livre) ¥3000+税

月の満ち欠けを洗練した形で8色のインクの配置や重ね具合でシンプルに表現した作品。宇宙科学と詩学のアマルガムのような幾何学的な美しさを備えています。

この月は作品が作られた11月の30の月の表情だそう。シャンパーニュ地方の町、タンクーで2010年に子供のためのクリエーションセンターで開催されたファネット・メリエの展覧会「Dans la lune」から展開した本で、実際の展示の模様はこちらでご覧になれます。
ギフトにもおすすめの一冊です。

21cm×20cm上製64pages 表紙に青の箔押し

 photo dans-la-lune_zpsz8az6mwn.gif

dans la lune

dans la lune

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