書籍」カテゴリーアーカイブ

北井一夫「流れ雲旅」

北井一夫「流れ雲旅」

北井一夫「流れ雲旅」(ワイズ出版)¥2300+税

デジカメ時代になっても
北井作品だけは
やはりフィルムがふさわしい  ーーーつげ義春

1970年代初め、写真家・北井一夫は漫画家つげ義春らとともに、
青森県の下北半島や大分県の国東半島などに撮影旅行をした。
作品は当時、アサヒグラフに掲載され、『つげ義春流れ雲旅』として単行本にもなったが、
今回の写真集はその復刻ではなく、
北井が撮ったオリジナルネガから新たにプリントした約140点を収録している。
モノクロのざらついた画像には、すでに失われた日本の原風景と昭和の人々の表情が刻み込まれており
そのうち何点かの中には若きつげ義春、あるいは藤原マキの姿もおさめられている。

写真が都市を志向していた時代に、敢えて村に趣き、撮影した写真家の
その視点と景色に注目したい。

A4変型並製152pages(ワイズ出版)※初回入荷分サイン入り

nagarekumo400_1 nagarekumo400_2 北井一夫「流れ雲旅」

梁丞佑 写真集「新宿迷子」

新宿迷子

梁丞佑「新宿迷子」(禅フォトギャラリー)¥4630+税

新宿・歌舞伎町に魅せられた韓国出身の写真家・梁丞佑が98年から2006年にかけて撮影した街と人々は、東京オリンピックに向けて浄化される新宿から失われゆくエネルギーや時の移り変わり、それでもなお変わらぬ人々の営み……を見せてくれます。
ーーーーーー

新宿駅東口から歌舞伎町の方に吸い込まれるように歩いて行くと、もう胸がドキドキしてくる。
人間の欲望が見え隠れする街が歌舞伎町である。その景色が好きで好きでたまらない。
キラキラ光っているネオンの下に、ダンボールを敷いてあおむけに寝ると、これがまた、気持ちいい。
なんだか社会という歯車から外れたようで違った角度から自分のこととか色々なことを考えられる。
悩んだ時はダンボールが最高だ。
新宿・歌舞伎町を撮り始めて三年目のある夜。
新宿コマ劇場の前で、ダンボールの上に寝ている幼い子供を発見した。
当時、一見派手な事柄を好み、追いかけ撮影した私は、この光景にこの町の真相を見たような気がした。
そして目が離せなくなった。
それから注意して町を見てみると人々が寝静まった時間、眠らない町には眠れない子供達がいた。
「ホームレス」の子供、夜の仕事をする母親を待つ子供、そして親の出稼ぎについて来たが、
落ち着いてとどまれる場所が無いために、仕方なしに街中を「居場所」にする子供達がいた。
彼、彼女らは大人とともに現れ、大人とともに消えていた。様々な問題もあるが私はこんな街が大好きだ。
しかし、2・3年前からこの街も変わり始めた。普通の街に…。ーーー梁丞佑

profile
梁丞佑(Yang Seungwoo)
韓国出身。96年に来日、日本写真芸術専門学校、東京工芸大学芸術学部写真学科、同大学院芸術学研究科メディアアートを修了。在学中より写真家として活動を開始し2003年の在学中に米国International Photography Awards Other Photojournalism Section入賞。
2008年にはキャノン写真新世紀佳作入選、2009年に東京都美術館にて開催された第34回「視点」への出品など、対象に深く入り込むスタイルを貫き、国内外で評価を得ています。

新宿迷子

新宿迷子 shinjukumaigo400_4

このほかにも、「青春吉日」「君はあっちがわ 僕はこっちがわ」「君はあっちがわ 僕はこっちがわII」などの作品集をお取り扱いしております。

永田カビ「さびしすぎてレズ風俗に行きましたレポ」

永田カビ「さびしすぎてレズ風俗に行きましたレポ」

永田カビ「さびしすぎてレズ風俗に行きましたレポ」(イースト・プレス)¥925+税

楽しい高校生活の後、大学に入るも半年で退学、鬱と摂食障害に…。居場所を得ようとバイトにつき、体調不良や過食と戦いながら勤めるも、クビになり、自宅療養という名のニート生活も辛く、バイトしたり、やめて好きな漫画を描いたりの葛藤の中、自分で自分をしばっていたものから解放する事に気づき、これまで自分で封印してきた性的欲求、誰かに抱きしめられたい願望に向き合うべく意を決して気になっていたレズビアン風俗に予約!

28年間、性的経験もなかった作者が、自分の意志を尊重し自らを解き放つ転機となるレズ風俗体験の前後の心と出来事を描いたエッセイルポ漫画。

タコシェに「消化器系神経系ストラップ」や「点滴少女ストラップ」を納品してくれていた永田5月さんが永田カビ名義でpixivに掲載した漫画を全編改稿+描きおろしを加えて単行本。

A5判144pages

なお、「殺意の連鎖シール」¥200+税 もお取り扱い中です。

殺意の連鎖シール

佐伯俊男 Toshio SAEKI「Rêve écarlate」

佐伯俊男 Rêve écarlate

佐伯俊男「Rêve écarlate」(Cornélius) ¥3518+税

70年から72年にSMセレクトに掲載された作品をまとめたものです。

本を制作したジャン・ルイさんによると、Cornéliusは佐伯作品を年代順に網羅して出版してゆきたいとのことで、これがその第一弾。70年〜72年の作品を可能な限り集めた本作は、すでに散逸してしまった作品も収録雑誌からスキャンしてレタッチして復刻、”日本にもない、どこにもない作品集” とのことで、自信作のようです。

17.4 x 24.6 cm 192pages

佐伯俊男 Rêve écarlate

佐伯俊男 Rêve écarlate

佐伯俊男 Rêve écarlate

珍スポットトラベラー金原みわの紀行エッセイ 「さいはて紀行」

金原みわ「さいはて紀行」

金原みわ「さいはて紀行」(シカク出版)¥1000+税

珍スポット、B級スポット、秘宝館、ストリップ、ジャンクション、工場、珍建建築、電波住宅、珍寺、珍仏、巨大仏、新興宗教、奇祭、純喫茶、遊郭跡……
遠くにあるようで日常のすぐそばにある「さいはて」を巡る旅人、金原みわの旅の記録をまとめた紀行エッセイ集。

最近、都築響一のロードサイズ・ウィークリーでも執筆している金原みわは、ネタ探し的に珍スポットを訪ねるのなく、その空間を作った人々にも暖かな眼差しを向ける。たとえば、淀川の河原でホームレスアーティストに出会い、飼い野良猫?へのキャットフードを差し入れたり…、後日、彼の死を知り、筆者が佇み眺めた河原の景色は、さながら夢のあとのような、戦いのあとのような…。

場所や登場人物たちの面白さもさることながら、金原みわの眼差しを通して再発見する珍スポットと人々の生き方を覗いてみてください。おすすめです!!!

【収録内容】
性のさいはて ――生命の潮吹きストリップ
罪のさいはて ――刑務所で髪を切るということ
水のさいはて ――淀川アンダーザブリッジ性のさいはて
異国のさいはて ――タイのゴーゴーボーイズ
食のさいはて ――ゴキブリ食べたら人生変わった
宗教のさいはて ――キリスト看板総本部巡礼
夢のさいはて ――最高齢ストリッパーの夢
人のさいはて ――じっちゃんのちんちん
巻末コメント「珍スポットのデスティニーズ・チャイルド」(都築響一)

金原みわ プロフィール
珍スポトラベラーとして、全国の珍しい人・物・場所を巡りレポートしている。関西情報誌のMeetsRegional、ウェブメディアのジモコロ、都築響一氏のROADSIDER’s weeklyで記事連載中である。ハイエナズクラブや大阪奇食倶楽部に属し、イベントも定期開催している。

文庫202pages

金原みわ「さいはて紀行」