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大橋裕之 幻の初期作品集『ゾッキA』

大橋裕之 幻の初期作品集『ゾッキA』(カンゼン)¥1300

漫画家、イラストレーター、ときに俳優として活躍する大橋裕之の初期作品集。ゾッキBもまもなく発売予定の2冊セットになります。

自費出版の「謎漫画作品集」「週刊オオハシ」をはじめ、マンガ誌やミニコミ誌などに掲載された活動初期の作品に加え、描き下ろしの「遠浅の部屋から~2006 逃避~」や、ミュージシャン・ロマン優光による解説も収録。

単行本を何冊も上梓し、雑誌の連絡も抱える作者の、これまでの作品の向こうに初期の作品を振り返ると、まだ何者でもなかった、何にも形容されなかった、生な作品にふいに出会ったようで衝撃的。
どうぞ、週刊大橋を手にしたことのある人もない人もぜひ、デビュー直後の漫画家大橋裕之に出会ってください!!

【収録作品】
伴くん/父/秘密/Winter Love/プロレス/オサムをこんなうさんくさい道場に通わせたくありません/犬死くん 第1話/日本/旅/アルバイト/光走族について/風習/プレゼント/全部燃やせ/37才/小松製パン/朝/判断/おっぱい/雨の日/偉人/石鹸の香り/殺人
[描き下ろし]遠浅の部屋から~2006 逃避~
解説 ロマン優光
あとがき

A5判160pages

↑何かが激しくほとばしってますよね?!

 

Paul Schonberger ポール・ションバーガー「The Gentlemen of Oniontown」

Paul Schonberger「The Gentlemen of Oniontown」¥1481+税

オーストリア人の著者ポール・ションバーガーは、アジアのバーコードヘアにフォーカスした写真集up and overを出版した人物。
今回は、数年にわたって東欧あたり?の“おやじ”たちをスケッチしつつ、彼の脳内にある町オニオンタウンの住人としてコレクションし、このコミュニティを数年にわたって築いてきました。

約150人の個性的なポートレイトに、それぞれの男たちの経歴や性格、町の役割や人間関係が付された
オニオンタウン紳士録はテクストはすべて古いタイプライターで打たれ、表紙も活版の風合いを感じさせる黒箔押しです。時間の経過とともに変色し古びた質感を増すアドニスラフを使用。数年かけてデザインが完成する予定です。

A5判152pages
※ページのノンブルの順番が一部来るっていたり、罫線が斜めになっている部分がありますがデザインの一部で、乱丁ではありません。

鈴木翁二「かたわれワルツ」

鈴木翁二「かたわれワルツ」(而立書房)¥2000+税

オルタナティヴ系漫画雑誌「ガロ」で活躍し、安部慎一、古川益三と並び〝三羽烏〟と称された鈴木翁二。

古きよき時代なのか、少年の心なのか、浮遊する魂をわしづかみにして紙面に焼き付けたような、
奇妙で魅惑的な漫画表現。加筆再編、未発表イラストを収録した、圧倒的詩情にあふれる文芸コミック。

「永遠」の匂いがする。濃い。たまらない。—–推薦・穂村弘

【収録作品】
かたわれワルツ(80)/柘榴と颱風(78)/麦畑野原(77)/オゝマツヨイのヨル(77)/菫(77)/庭の光(02)/歌の町(82)/一億年(93)/スワロー(77)/雲雀!雲雀!(80)/じごく(72)/少女と神さま(79)/恋と夕立(74)/むべ咲く哉(77)/転轍機(87)/ちきゅうのよかぜ(91)/海のタッチ(78)/愉しい二人(75)/サーカス(73)/街道の町(72)

著者:鈴木翁二(すずき・おうじ)
1949年愛知県生まれ。漫画家。69年、空想の恋を描いたデビュー作「庄助あたりで」をガロに発表。
以降「東京グッドバイ」「マッチ一本の話」「海の実」等で独自の世界を造る。 著書に『うみのきらきら』『こくう物語』(青林工藝舎)、『A SINGLE MATCH』(D+Q)など。
楽曲集にCD『未明ノ歌』『うたたね』(オフノート)。近刊に『オートバイ少女』(ワイズ出版)がある。

ムライ コミックエッセイ「京都ご近所物語」

ムライ「京都ご近所物語」(イースト・プレス)¥1000+税

漫画家ムライが、結婚を機に京都に移り住んだのを機に、台湾人夫の”ゴさん”とともに、季節の行事に会わせて名所を散策して描いたコミックエッセイ。

家賃は安いが、夏は暑く冬は寒い古い長屋に暮らす、他所からやってきた若いカップルが、お祭りや玄関先の植木を通してご近所づきあいをしたり、仕事の合間に四季折々の催事に出向き途中で屋台料理や地元のお菓子を味わうーーといった日常の観光&楽しみを描いた、ほっこり京都エッセイ。情報中心のガイドブックとは違った、”楽しみ方”が描かれています。

時代も国も特定できないフィクションの描き手ムライが、地元を舞台に、家族やご近所ぐるみの日常までを描いた、これまでとは趣を異にする作品です。

アイデアが浮かばずに煮詰まったとき、締切が終わって、”ゴさん”と町に繰り出し、名所の謂れを調べたり、感想を語り合います。微笑ましいやりとりに導かれて、京都散策を味わえます。作家の日常、青春モノ、家族モノとしても楽しい、住む京都コミックエッセイです。

A5判168pages

山尾悠子「角砂糖の日」新装判(書き下し掌編小説『小鳥たち』収録

山尾悠子「角砂糖の日」新装版(Librarie6)¥3200+税

1982年に深夜叢書社より刊行され、長らく品切れとなっていた山尾悠子の唯一の歌集『角砂糖の日』がLIBRAIRIE6から新装復刊。新装版特典として書き下し掌編小説『小鳥たち』を収録。

挿画は、合田佐和子、まりの・るうにい、山下陽子。函と表紙に銀箔押しをした、美しい製本です。

「小鳥のやうに愕き易く、すぐに同様する性質の〈水の城館〉の侍女たち、すなはち華奢な編み上げ靴の少女たちは行儀よく列をなして行動し、庭園名物の驚愕噴水にうかうか踏み込みたび激しく衝突しあふのだった。」(『小鳥たち』冒頭)

角砂糖の日より三首ーーーーー

春眠の少年跨ぎこすと月昏らむ いづこの森やいま花ざかり

昏れゆく市街に鷹を放てば紅玉の夜の果てまで水脈たちのぼれ

角砂糖角ほろほろに悲しき日窓硝子唾もて濡らせしはいつ

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A5判変型上製 104pages 函入り

●山尾悠子
1955年岡山県生まれ。幼少期にナルニア国物語、学生時代に澁澤龍彦の著作を介して様々な異端文学に影響を受け、在学中に「仮面舞踏会」を『S-Fマガジン』のSF三大コンテスト小説部門に応募、75年同誌に掲載されデビュー。
日本SF作家クラブのメンバーとして小松左京、星新一、筒井康隆、手塚治虫、永井豪らに刺激を受け創作を続ける一方で、その幻想的な作風と熱狂的な愛好者がいながら作品が単行本されないまま、80年代半ばから休筆状態であったことから、孤高の作家、伝説的作家と見なされるようになる。
99年に「幻想文学」誌に「アンヌンツィアツィオーネ」を発表して復活。2000年には単行本未収録作も含むそれまでの作品を集めた『山尾悠子作品集成』が国書刊行会より発行され、2003年9月には2作目の書き下ろし長編『ラピスラズリ』を発表。「角砂糖の日」は、82年発行の山尾唯一の歌集。