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特集はマンガ! 書評王の島 vol.05 フジモトマサル/長嶋有 ロングインタビュー

書評王の島 5

書評王の島vol.05  フジモトマサル/長嶋有ロングインタビュー ¥800

これまで小説を中心にとりあげてきた豊﨑由美さん責任編集の「書評王の島」が、マンガを特集!といっても小説との接点をちゃんと押さえた、この雑誌ならではのマンガ特集です。

【巻頭ロングインタビュー】
ロングインタビュー1:イラストレーター兼漫画家フジモトマサル(代表著作リストつき)
ロングインタビュー2:小説家 長嶋有 『長嶋有漫画家計画』の単行本化と初の漫画作品『フキンシンちゃん』発売を受けて小説の兼業についてを取材

【あの名作が、まさか……! 小説競作】
朝倉かすみ、まさきとしか、松田青子に、それぞれのエヴァーグリーンな漫画作品をあげてもらい、その作品の後日談を小説にしてもらう企画。
まさきとしか×水木しげる『河童の三平』
朝倉かすみ×岩館真理子『幾千夜』
松田青子×小田扉『江豆町』

【44人の「この本×このマンガ家」】
44人がそれぞれ夢想する、この小説をこのマンガ家さんの絵で読んでみたい、という夢の?コラボを発表。それぞれの小説、マンガ家に対する思いと、マッチングのワケを語ります。

【マンガ大賞2012メッタ斬り! 】
「あの子は天才よ編」 小田真琴×畠山香織

そして定番の 書評王に輝くお玉稿18本(2010年11月期〜2012年3月期分)

A5判136P

早見純「LE LABYRINTHE DES RASOIRS」

>le labyrinthe des rasoirs

早見純「LE LABYRINTHE DES RASOIR」(Editions IMHO)¥2100

 これまで、計画はありながら、イギリスではその内容の過激さゆえに出版にいたらなかった、早見純コミックが、ついに海外でリリースされました。フランスの出版社Editions IMHOが、日本で品切中の「純の魂」を発行! 果たして、フランスの日本ブームに一石を投じる事ができるか !?

 本を開く向きは日本版と同じですが、表紙のイラストのトリミングが日本版と少し違って絵全体を使っていたり、微妙な違いもあり。

 収録作品は「激痛100%」「さっきまではステキ」他、80年代から断筆を間にはさんで復帰後の作品10編。漫画だけでなく、日本版での巻末企画「早見純と愉快な仲間たち」と題した早見純と20代ギャルズの合コン形式!対談まで訳されています。

A5判216P

復刻怪奇漫画 黒須喜代治「死絵奇談」

死絵奇談

黒須喜代治「死絵奇談」(グッピー書林plus)¥945

昭和35年頃に兎月書房より刊行された怪奇貸本マンガの復刻を、貸本マンガ同人復刻レーベルのグッピー書林plusが10余年の構想を経て発行。

幽霊画を売る「死絵堂」一族は、死後、遺体の肉が腐り落ちると蛭になり、人を襲う。主人公、死次郎は、一族の呪われた血に苦悩しながらも、せめて授かった双子(すでに蛭に似ている)を、呪いから解放しようと東奔西走するのだが…。
そに描写には水木しげるに似た印象を受けるかもしれませんが、同じ時代に同じ兎月書房で活動していた紙芝居出身の作家という共通性が両者を近いものにしているようで、貴重な怪奇漫画の復刻。

A5判160P

HTC communications 「ざつおん!!! ZATSU(((ON!!! session two」

ざつおん!!! 02

HTC cummunications 「ざつおん!!! ZATSU(((ON!!! session two」¥700

 軽音楽部の女の子たちが、けいおんを逸脱しちゃって、知識やテクはないけどゲームボーイをエフェクターにつないだりして、あらんかぎりの轟音を響かせ力の限り演奏! ケンカしたり仲直りを繰り返して、学校や町で自分たちでも予測のつかないような音を出して新しい世界を切り開いてゆくキュートな青春コミックの第二弾!

●轟音とともに青春する3人の主人公たち。しかし町でも学校でも彼女たちの音楽は“騒音”扱いで、おまわりさんに注意されるやら、居場所は次第に失われてゆく。折しも、町からはレコード屋さんが消えはじめ、3人の出会いを運命づけたあのレコードを売っていた店も閉店するという…。お店に終結した3人は、自分たちの思いのたけを轟音で表現するのだが、果たして!?

章と章の間にゲストライターたちおすすめの新旧の雑音レビュー、巻末にはいぬもとぱなならまの漫画を収録。
ゲストライターは、ばるぼら、夜野一義、パンパース、masayuki、四日市、岸田裕章

A5判74P

マンガ 福士千裕「せんねんとせんえん」

せんねんとせんえん

福士千裕「せんねんとせんえん」¥800

市場大介が編集したアンソロジー「素敵」や漫画同人誌「ハッシュマグ」などに作品を発表している福士千裕の作品集。

自身のサイトに発表した作品に、描き下ろしを大幅に加えて収録したものですが、編集にあたって新旧を組み合わされ、様々な断片が起承転結に関係なく、どこからでも読めてどこで終るともないような構成になっています。特にネームを作るわけでもなく、基本的に下書きすることなく1コマ描いてはつぎの1コマを考えて描くというような制作方法で、ボールペンやマジックを使った独特の線や質感、しかも絵とオノマトペの文字の線の質感も近く、すべての境界が溶け合ったような、これまでの漫画の文法を越境した不思議な作品。

同時期に発行された、「全感覚」に短編が収録されているほか、表紙も飾っています。

B6判102P