漫画」カテゴリーアーカイブ

藤宮史 木版漫画集「或る押し入れ頭男の話」

藤宮史 木版漫画集「或る押入れ頭男の話」

藤宮史 木版漫画集「或る押入れ頭男の話」(青林工藝舎)¥2000+税

大学に入り、一人暮らしをはじめたものの、人間不信から、ひきこもりになり、白昼夢想にふけり「押し入れの中で暮らしてみたい、いっそ自分自身が押し入れになってしまえば、煩わしい人間関係に悩むこともない」と念じつつ、うたた寝からさめてみると男の頭は押し入れになっていたーーー

そんなカフカの「変身」のようにはじまり、人間存在を問う作品。
迂闊にも孤独を手に入れたいと思った男が、その容貌もあって、現実世界に翻弄され陥穽に落ちてゆく姿を描きます。人間から押し入れ人間、やがてほぼ押し入れ、そして……、緩慢に消滅へと向かう数奇な男の物語。

前作「黒猫堂商店の一夜」収録作と、この本の収録作を制作するのに10年を費やしたそう。ゆっくり濾過されるように歳月をかけて形になった、寡作な作家の貴重な作品集。

A5判上製144pages

oshiire400_1 oshiire400_2 藤宮史 木版漫画集「或る押入れ頭男の話」

 タイトルと表紙のワンポイントは型押し

しろうべえ「マンガミニマムショート集」

しろうべえ「マンガミニマムショート集」

しろうべえ「マンガニミマムショート集」(しろうべえ書房)¥600+税

10年ほど前から、自作コミックをホチキス製本のジン形式で発表していた、しろうべえが4年前に、小出版の普及を目的にした印刷・製本所「しろうべえ書房」を京都に立ちあげ、独自の製本ノウハウを築く中で、現時点で持てる技術を駆使して、自身の作品集を発行!!!
編集・デザイン・装丁・印刷・製本すべてを自身が担当し、帯のデザイン、質感の違う紙づかい、部分2色刷りなども取り入れつつも、持ち味の?DIY感、手作りスピリットを伝える一冊に仕上がりました。

トーンを使わない力強い線画のタッチが魅力。特に最後の中編「タイムマスリップ」は、連続した見開きを大胆に使ったクローズアップなど、映画を眺めているような展開が印象的。

A5判128pages

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しろうべえ「マンガミニマムショート集」

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関よしみ「パニック! あたし死ぬの?」

パニック! あたし死ぬの?関よしみ「パニック! あたし死ぬの?」(ぶんか社)¥745+税

シチュエーション・ホラーの女王こと、関よしみ久しぶりの作品集。
戦争、環境破壊による突然変異、遺産相続のためのサバイバルゲーム…などをモチーフに描かれる絶望と死。

少女漫画風の絵柄からはイメージしにくいかもしれませんが、ハードかつヘヴィなサバイバル・ホラー、壮絶パニックです。

B6判178pages

もぷ子 漫画作品集「短篇まとめ」

もぷ子「短篇まとめ」

もぷ子「短篇まとめ」¥1000+税

もぷ子が、2011年~2014年に発行した同人誌
「イッテルビーム」
「風車の人」
「おらが村にもプーンが来た」
「すごく短い話たち」
「天気雨」
「海に飛び込む」
「白魚さん」
その他合同誌
「創kiz3」「すいぞくかんのおにいさん」
に寄稿した23作品を収録した、集大成的作品集。

初期の力強い太い線、数ページの短篇でみせる風になびく草や雨粒や雪のひとひらが圧倒的な描写、人々の熱狂や身近な人物に抱くブッラクな感情などの心理描写…、もぷ子作品の魅力を満喫できます!

A5判64pages

駕籠真太郎「TRACT」

駕籠真太郎「TRACT」

駕籠真太郎「TRACT」(HOLLOW PRESS) ¥2593+税

駕籠真太郎、描き下ろしのオールカラーコミック。
パスタ、ケーブル、ミミズなど、線状のものの悪夢や強迫観念が形になったよう。
スパゲッティやミミズが迫り、人々の身体に入り込み蝕み、世界を破壊する地獄図絵!!!
恐怖や線が伝染するように、人から人へ、車にも建物にも入りこみあらゆる場所を侵食してゆくーーー。

前書きはTCAFの創設者でもあるジャーナリストのクリストファー・ブッチャー(英文)
本文にはテクストはありません。

A4判64pages Hollow Press

tract400_1 tract400_2.jpg 駕籠真太郎「TRACT」