漫画」カテゴリーアーカイブ

近藤聡乃「ニューヨークで考え中 2」

近藤聡乃「ニューヨークで考え中 2」(亜紀書房)¥1000+税

前巻から、はや3年。
1年だけのつもりで、やって来たニューヨークに、住み続けて7年目から10年を迎える前までの
日々の雑記漫画集。

地下鉄で、あるいは町を歩きながら、次の漫画のアイデアを考え、淡々と描き続けてきた3年ほどの間に、現地で出会ってつきあっていたアメリカ人彼氏と結婚し、住み慣れたアパートを引き払って同居し、大学生になる義理の娘もできたーー。

町を歩いていても、物珍しさは減って、トキメキも消えたけど、家族もできて文字通りホームタウンになったニューヨークで、生活者ときどき異邦人の視点で描く2巻目。
日本に帰国するタイミングや理由を逸してしまってから、はじめて発見するニューヨーク、自分に染み付いている日本の味や記憶、日本語を学習する夫を端で見ながら、言葉について、文化について思うこと…などなど。

ビザ申請の度に必要な書類やまとまったお金と労力に外国人である事を痛感したり、婚姻届けの前に届けを出すための許可書を申請する手順に戸惑ったり。発音が悪かったのか相手の聞き間違えか、互いに誤解したまま奇跡的に成立した会話、日本語を学ぶ夫の簡潔すぎて心を抉る/味わい深い日本語…。平穏な暮らしの中に、そのときどきのエピソードと去来する思いが描かれています。

糸かがりでコデックス装になっているので本が開きやすく読みやすいです。

A5判160pages

森雅之作品を集めたシリーズMM文庫第3弾 「ダンスの準備」

森雅之「ダンスの準備」(カレンブックス)¥1000+税

森雅之作品を集めた自主制作コミックMM文庫、第3弾。

85年〜86年にCOMIC BOXに掲載された「ダンスの準備」、90年代にCOMIC FANTASYに寄稿した「1997年8月9日」「そんな夢」
2016年2017年に北海道のアーティストを集めての怪奇漫画誌「怪奇」に発表した作品など11短編を収録。

自然を背景に少年・少女たちを叙情的に描く? あるいは後書きのご本人の言葉によれば「午後のお茶請け」のような、ほのぼのとした森作品ですが、今回は収録された作品のいくつかは、死や幽霊がモチーフで、永遠に分たれたものたちに寄せる寂寥感が漂っています。

A5判 モノクロ88pages
※初回入荷分にはイラストとサインが入っています。なくなり次第、終了となりますので、ご了承願います。

この吹雪…

初回入荷分はサインとイラスト入りです。

網代幸介、いづのかじ、カヤヒロヤ、サヌキナオヤ、タダジュン、ネルノダイスキ、mississippi、山口洋佑、横山雄 「POPOCOMI 増刊号 誰が夢」

網代幸介、いづのかじ、カヤヒロヤ、サヌキナオヤ、タダジュン、ネルノダイスキ、mississippi、山口洋佑、横山雄「POPOCOMI 増刊号 誰が夢」(ブックギャラリーポポタム)¥1000+税

ポポタムが発行する女性アーティストたちのコミックアンソロジー「ポポコミ」に対して、画家やイラストレーター、漫画家の男性9名によるコミックアンソロジーが増刊号として誕生。

ポポタムでもおなじみの、意匠と紙小物の作家、蛙月庵(あづきあん)がtwitter上に書き留めてきた数百の夢の覚え書きの中から、それぞれの作家がモチーフを選んでコミックに仕立てた作品を『誰が夢』(たがゆめ)と題してまとめています。

巻末に作品に対応する夢の覚え書きが収録されていますが、幻想的な1つのシーンを描くための物語を作ったり、ぼんやりとした夢のイメージを額に入れたように仕上げた作画と終わり方があったり…、読んだ後から、作家たちの料理の仕方が楽しめます。

「ステテコの語源」 サヌキナオヤ
「ミツバチのささやき」 横山雄
「へんなやつとあそぶ」 カヤヒロヤ
「2029年の冬休み」 mississippi
「さわがしい星の夜は永遠に」 山口洋佑
「木暮さん」 網代幸介
「町工場受難」 ネルノダイスキ
「もっとまっとうなアイスを求めて」 いづのかじ
「カリメロと僕」 タダジュン
夢の出典ー蛙月庵「夢の覚書」より

A5判94pages 表紙イラスト mississippi

これまでのPOPOCOMIもオンラインショップでお取り扱いしております>>>>こちら

『番外地劇画 凡天太郎の魅力』

「番外地劇画 凡天太郎の魅力」(凡天劇画会)¥1500+税

黄金バットの作者として知られる紙芝居界の首領・加太こうじをして「紙芝居出身で成功した劇画家は水木しげる、白土三平、小島剛夕、そして凡天太郎」とまで言われた謎の作家・凡天太郎。

役者、演歌歌手、刺青師、テキヤ、右翼団体顧問…さまざまな経歴を持つ異色の劇画家の実像に迫る一冊。500点を超える図版、リスト、劇画作品も収録。劇画作品100ページ、全マンガ作品リスト20ページを含みます。

凡天太郎に興味がなくとも、マンガ史に興味のある人なら楽しめる内容で、特に紙芝居~赤本マンガ~単行本~月刊誌~短編誌~劇画誌への流れを凡天太郎の活動とあわせて追うことができます。

A5判300pages 凡天劇画会
表紙画をカラーで収録したペーパーの付録が入っています

山川直人「気楽な稼業」

山川直人「気楽な稼業」¥700+税

上野のれん会が発行するタウン誌「うえの」に発表した身辺雑記漫画12篇のほか、同人誌「サイコロ」に発表した『夜と朝』(16ページ)、手製コピー本で刊行した詩人・尾形亀之助の作品の漫画化『小さな運動場』(16ページ)など全15篇を収録。

季節とともに思い出す、教科書が配られる新学期、井戸でスイカを冷やす夏…など子供の頃のこと。
駆け出し時代から、20年以上のキャリアを積んだ今にいたる漫画家稼業のあれこれ。
文学作品や文士をモチーフにした作品…
と山川作品のヴァリエーションを楽しめる作品集です。

A5判80pages