青木野枝、冨井大裕、二藤建人、袴田京太朗、永畑智大「彫刻から遠く離れて」

青木野枝、冨井大裕、二藤建人、袴田京太朗、永畑智大「彫刻から遠く離れて」(新しい大人舎)¥500+tax

彫刻家として、ファミリーレストラン名義で漫画家として、また国立奥多摩美術館 The National Museum of Art, Okutama(MOAO)の副館長として
活動する永畑智大。

彫刻作品の写真をマンガに取り入れたり、マンガに描いたキャラクターを彫刻化するなど二つのジャンルの間を行き来し、「縦横無尽に暴走する意味不明脱力系オブジェ」と言われる、とらえどころのない彫刻作品にメスを入れたトークを文字化。
永畑の人と作品を知る青木野枝、袴田京太朗、冨井大裕、二藤建人の4氏をゲストに、2019年の展示「国立奥多摩物語~10月のオーロラ~」で行われたトークショーの模様に、話題にあがった作品画像をあわせ収録しています。

文庫76pages


トラベシア vol.5 音楽と金

“普通に読める日本語の雑誌”「トラベシア」vol.5の特集は音楽と金 ¥500+tax

日頃、お客さんとして音楽に接しながら「音楽にかかわってお金がもらえるなんて最高だろうな」と思う一方、おりからの不景気に加えて、この春はコロナウィルスで音楽業界がピンチに。
そんな特別な時期に、様々な形で音楽とかかわりこの世界を作る人たちーお金の流れをつくる人、流れに身をまかせる人、逆らう人、眺める人ーの声を集めた特集。

これまでの号は、プロでない書き手の表現の場でしたが、今回は、名前を出して音楽とお金の流れにかかわってきた人を中心に原稿を依頼したため、ミュージシャン、音楽雑誌編集者、ライター、レコード店主、映画監督など表現を職業とする人たちが多数寄稿しています。
執筆者の出身地や居住地も、日・米・英・シンガポール・台湾と、多岐にわたる、これまでと少し違った号になっています。

【内容】
ともちゃんインタヴュー|「推し」で世界が広がった
オン・チャイ・クーン|他人の靴
ケヴィン・スミス|銭湯と梅干しハイとライヴハウス!-ぼく が日本に住むようになったきっかけの話
佐々木美佳|2000 ルピー札をポシェットで握りしめる
サミー・ミラー|使命感の大切さについて
柴崎祐二|繊細な経済圏のために 音楽と金をめぐって ジョー長岡|瞽女をめぐる旅
ジョン・アリスン|我が父モーズ
杉本拓|本業と副業-妥協せずに芸術家として生きることは可能か?
鈴木並木|素晴らしいアメリカ音楽
たちなみえみ|うた 日々を綴る
詹宏翔|Music Makes Money, But Money Makes Me Moody
寺田俊彦|小さいからこそ続けられる-CD ショップを続けること
原田和典|新たなる残骸
ひな|消費と愛用
森本アリ|新世界で橋が渡されグッゲンハイム
矢川俊介|それでも、音楽雑誌をつくる
安田謙一|カニコーセンに金の話ばっかり聞いた。
若木康輔|クロスワード・トラベシア

イラスト・ロゴ原案|畑中宇惟
デザイン|村松道代
編集・発行|鈴木並木

A5判86pages

日本暮らし3年、 “今知っている単語と文法で書き殴った”パワーが圧倒的 おむつ「純情手冊」

おむつ「純情手冊」 ¥900+tax

在日3年、目下、日本の永住権取得を目指して、日本で働きながら、喫茶店巡りや映画・音楽鑑賞に励む中国出身のおむつさんの個人誌。

新型コロナによって、仕事が「2日出勤の5日休み、逆転暮らしは幸せを通り越して普通に「無」」という状態の中、2019年に巡った昭和な喫茶店や、お気に入りの映画や音楽など、自分が今好きなものを、「日本語を何年勉強してるか、うまく言えてるか悩む前に、今知っている単語と文法で書き殴るだけ。それしかないんだ」の精神で綴って、本にしたもの。

放送事故のように白紙ページが途中に出て来たり(わざとです!)、縦書きも横書きも全部同じページ順で並んでいたり、同郷の友人へのアンケート部分は中国語だったり、言葉の選び方や組み合わせがミラクルすぎたり、「作りたかったものと全く別のものが出来上がった」りしていますが、すべて、おむつさんの喫茶愛、音楽愛、映画愛、zine愛とはんぱない伝えるパワーによって押し切られた圧倒的なジン。大型新人登場?!

写真もおむつさんによるものでフィルムで撮影したものだそうです。

表紙は一冊一冊、手ずからラミネート加工してあり、ポラロイド写真が封入されています。

A5判70pages

香港を舞台に人々の営みを描いた Overloaddance 超載舞步「都市儷人」

Overloaddance 超載舞步「都市儷人」¥1273+tax

香港のアーティストOverloaddance 超載舞步の最新漫画。

グラフィティなど、町のところどころに抗議運動の痕跡をとどめる香港を舞台に、それでも日常は続く—-

ピンポンマンションを訪れたり、誰かを想い、希望や救いを求める人間たちと、体毛のジャングルの中で、パートナーを探して命のエネルギーを燃やす毛ジラミや、花の中に閉じ込められて花粉にまみれて受粉を促す甲虫を重ね合わせながら、人間の営みが描かれています。

傷ついた体を引きずり、舫を断ち切り、一人舟に乗り込んだ男が向かう先は…

18×13.5cm ソフトカバー 132pages
中国語(翻訳ペーパーがはさまっています)

かわいい、毛ジラミたち

津田貴司・編著 「風の人、木立の人」

津田貴司・編著「風の人、木立の人」(カンパニー社)¥2000+tax

フィールドレコーディングや即興演奏で活躍する津田貴司が、芸術と衣食住をひとつながりにとらえて、これまでに出会ったパン職人、靴作家、美術家、陶芸家などさまざまな「つくりて」にインタビューをした「読むドキュメンタリー映画」。

【目次】
まえがき
satomimagae:シンガーソングライター
城下浩伺:美術作家
essay――フィールドレコーディングについて
池田絵美:パン職人/Natural Bakery 日々舎
曽田耕:靴作家
井上陽子:コラージュ作家
essay――制作ノート2016
TAMARU:bass guitar soloist/sound constructor
坂本宰:影のパフォーマンス
essay――風の強い午後に
遠藤真紀子:菓子職人/くろねこかしや
清水恒輔:ベーシスト/mama!milk
essay――生まれたばかりの雲
郡司庸久・慶子:陶芸家
essay――檜原で狐に化かされた話
田口賢治:美術作家
柳沢英輔:フィールド録音作家/文化人類学者
essay――音は、ふたたび私の蝸牛へと舞い戻ってくる
金子遊:映像作家/批評家
巽勇太:美術家/白鷺美術
essay――静けさについて
大上流一:ギタリスト/即興演奏家
あとがき
解説(福島恵一)

編著者:津田貴司(つだ・たかし)
1971年「耳の日」生まれ。早稲田大学第一文学部、同大学院修士過程修了(舞踊学)。
ソロ名義hofliのほか、stilllife、星形の庭など様々なユニットでフィールドレコーディングや即興性に基づいた音楽活動を展開。サウンド・インスタレーション制作、ワークショップ「みみをすます」シリーズを継続するほか、福島恵一とともにリスニングイベント「松籟夜話」ナビゲーターを務める。主な CD作品は『湿度計』『雑木林と流星群』『木漏れ日の消息』など。

B6判256pages