書籍」カテゴリーアーカイブ

ばるぼら 野中モモ「日本のZINEについて知ってることすべて」

ばるぼら 野中モモ「日本のZINEについて知ってることすべて 同人誌、ミニコミ、リトルプレス、自主制作出版史1960〜2010年代」(誠文堂新光社)¥2600+税

日本では、ミニコミ、リトルプレス、同人誌などと呼ばれてきた出版物を、”大資本や権威に頼らないインディペンデントなメディア=ZINE”の括りで捉えなおし、豊富な図版や関係者のインタビューとともに検証する日本の自主制作出版史の集大成。

『デザイン』誌の人気連載に、未収録資料や年表などの新規資料を追加し、1960年代から現在に至る日本のZINE文化を豊富な資料と証言、ビジュアルによって振り返る年代記。

日本のZINE文化に詳しい著者2人が、年代とテーマごとに資料を分類。制作時の状況や成り立ちを丁寧に解説していく。そのほか、各年代のZIENをめぐる状況をよく知る人々へのインタビューを収録するなど、貴重資料が満載。
zineマップと年表つき。

20年以上、タコシェで、その時々の色々なzineを見てきたけど、それ以前の歴史的なzineや見たことないzineも収められた、これまでになかった日本のジンの集大成!です。これからzineを作ろうとしている人にもおすすめです。

B5判324pages

金氏徹平『金氏徹平のメルカトル・メンブレン』

金氏徹平『金氏徹平のメルカトル・メンブレン』(ナナロク社)¥3700+税

香川県・丸亀市猪熊弦一郎現代美術館で開催した、金氏徹平の同名展のために制作された作品集。
4冊組の作品集として、各書籍ごとに異なるデザイナーが金氏徹平の世界を表現しています。作品はジッパー式のビニール袋に封入され、袋の表面にはアーティスト自身の手によるドローイングが施されています。

内容
1 漫画作品集「コラージュ・ロマン・ユートピア」

マンガ雑誌に擬した体裁で コラージュの技法で制作された本作に、豪華ゲストによる寄稿も多数掲載。
寄稿:オオルタイチ/音楽家、円城塔/小説家、岡田利規/劇作家、 岡野大嗣/歌人、郭鸿蔚/美術家、坂本慎太郎/音楽家、三角みづ紀/詩人、 柴崎友香/小説家、松田青子/小説家、森千裕/美術家、倉石信乃/詩人、 木下龍也/歌人、ウィスット・ポンニミット/漫画家

ブックデザイン:服部一成
B5判(並製208pages(2色刷)
※両面カラーポスター付(本文綴込み)

2 対談インタビュー小論集「メルカトン・メンブレン」

対談:長嶋有(小説家)、インタビュー:坂本慎太郎、小論:大森俊克(美術批評家)
本展のタイトルを考案した長嶋有、元「ゆらゆら帝国」の坂本慎太郎、両者との対話に見えてくる金氏徹平の表現論。巻末には詳細なバイオグラフィーも掲載。

ブックデザイン:南大輔
A5判(中綴じ)36pages(2色刷)

3 メイキング写真集「組立 オバケのスカルプチャーのレクチャー」

金氏作品を組み立てる様子を青柳いずみによって再現。
200枚以上の写真で構成した、 作品のレシピ集。
福永信の詩情あふれるテキストが添えられる。

ブックデザイン:名久井直子
B6判(並製)208pages(4色刷)
※特製シール付

4 カタログ「金氏撤平のメルカトル・メンブレン」

会期中も変化を続ける展示の魅力を収録した一冊。
オオルタイチなど多彩なゲストとのパフォーマンスの様子など、その全貌を掲載。

ブックデザイン:金氏徹平・有佐祐樹
A4判32pages(4色刷)
撮影:パトリック・ツァイ、守屋友樹 写真提供:表恒匡
論考:国枝かつら

5 DVD 「金氏撤平のメルカトル・メンブレン」

展示中に行われたゲストとのパフォーマンス、ワークショップの様子を一部収録。

1. 2016年7月17日 オープニングパフォーマンス「オバケのスカルプチャー」
2. 2016年8月27日 プロジェクションマッピング「holes and buildings (MARUGAME)
3. 2016年9月24日、25日 ワークショップ「オバケの迷彩」
4. 2016年10月8日 パフォーマンス「タイチのためのスカルプチャー」
5. 2016年11月6日 クロージングパフォーマンス「スカルプチャーのオバケ(積み木、雪だるま、バリケード)

●金氏徹平(かねうじ・てっぺい)
1978 年京都府生まれ、京都市在住。2001 年京都市立芸術大学在籍中、
ロイヤル・カレッジ・オブ・アート(ロンドン)に交換留学。
2003 年京都市立芸術大学大学院修士課程彫刻専攻修了。
現在、同大学講師。日常の事物を収集し、コラージュ的手法を用いて作品を制作。
一貫して物質とイメージの関係を顕在化する造形システムの考案と変容を試み、
絵画、映像、写真など多様な表現形態を通して新しい彫刻のかたちを探求。
個展「溶け出す都市、空白の森」(横浜美術館、2009)、
「Towering Something」(ユーレンス現代美術センター、2013)、
「四角い液体、メタリックなメモリー」(京都芸術センター、2014)、
「金氏徹平のメルカトル・メンブレン」(丸亀市猪熊弦一郎現代美術館、2016)など
国内外での展覧会のほか、舞台美術や装丁も多数。
あうるスポットプロデュース「家電のように解り合えない」(2011)、
KAATキッズ・プログラム2015 おいしいおかしいおしばい
「わかったさんのクッキー」(2015–2016)での舞台美術をはじめ、
「TOWER(theater)」(2017)では自身の映像作品の舞台化を手掛ける。

「ホラーコミック レザレクション Vol.01」

『ホラーコミック レザレクション Vol.01』¥1850+税
イラストレーター酒井康彰が企画・編集のホラー漫画アンソロジー。

ホラー漫画がブームだった90年代に、少年期を送った酒井が、ホラー漫画ファンとして、またアーティストとして、クラウドファンディングでの応援を得て実現した本格ホラー漫画雑誌。
漫画家はもちろん、イラストレーター、怪奇作家、小説家、画家、アーティスト、20人以上のアーティストの
新作描きおろし作品、未公開作を集めた200ページ超のボリュームでの創刊です。

【夢幻画牢 [甲]】(カラーイラスト作品)
GENk 「密歌事」
GENk 「私の誕生日」
呪みちる 「搭屋小僧の最期」
西塚em 「溶葬の沼」
五ノ井愛 「蛇の子」
星レン 「怨みの孵化」
里見有 「2頭」

【HORRORS [第一部]】(漫画作品)
界賀邑里 「オーディション」
稲垣みさお 「ハコ生活」
川勝徳重 「お葬式」
金風呂タロウ 「訪問」
ナチミサト 「美容整形医師の恋」
崇山祟 「愛妻弁当」
谷口世麿 「野良ゾンビのハナちゃん」
生熊奈央 「蛾獲首」
鯛夢×戸神重明 「正夢を見る少女 ~秘蒐実話怪異譚~」
戸神重明 原作 「正夢を見る少女」

【夢幻画牢 [乙]】(モノクロイラスト作品)
黒川じょん 「蟲女 ~むしおんな~」
高橋秀武 「幻相黒月」
晴風野田 「侵食」
財賀アカネ 「拷問しようとしたらバケモノだった」
Charmal 「school days」
高港基資 「悪霊ハ嗤フ」

【HORRORS [第ニ部]】(ホラー漫画作品)
鍋島真麻 「骨間の濡れ事」
駕籠真太郎 「部屋」
オガツカヅオ 「かぐやひこ」
酒井康彰×黒実操 絵物語 「怪人形 ブリキ之介」
鯖玉弓 「H山開発プロジェクト」
高野美香 「インサイド」
雨がっぱ少女群 「人魚になりたかったお姫さま」

A5判256pages(うちカラー8ページ) カバーあり

ホラーコミックレザレクションの創刊を記念して、怪奇・ホラー系のジンを特集してみました。こちらもあわせてご覧ください。

人と動物の体感がくるくる入れ替わる? 香港の作家Overloaddance Overloaddance 超載舞步「殺了貓」「畜牲」

Overloaddance Overloaddance 超載舞步「殺了貓」¥2407+税

香港のアーティストOverloaddance 超載舞步の漫画短編集。
筆、ペン、鉛筆、グラフェイティと、画材とタッチを変えて描かれる猫の物語。

巨女の姿をした怪物を倒す一匹狼ならぬ一匹猫(ちょっと西遊妖猿伝の悟空みたいな雰囲気が)町中で猫を虐待する男を狩るストリート猫、飼い主とベッドに入りながら猫が見る夢の物語、いつの間にか人と猫が入れ替わって、エリザベスカラーをつけられる感覚や自分より大きな生き物に遭遇する感覚を想像させられたり、室外機や庇の上から日常を覗いている猫の存在を感じたり…
まったりしてい話もあれば、バイオレンスもありで猫の感覚を増幅して感じるシュールな世界を楽しめます。テクストなしです。

17.5×12cm 上製 104pages

ーーーーーーーーーー

Overloaddance 超載舞步「畜牲」¥1111+税

香港のアーティストOverloaddance 超載舞步のコミックとイラストをミックスした作品集。

「畜牲」で描かれているのは、人間を含めた生き物たち。
人ごみを描きながら、突然、ネズミのような小動物の視点で人々を見上げるようになったり
ガリバーのように足下に人々を見下ろすようになったり…。
人と獣が入れ替わるだけでなく、野生や生理的な感情や欲望を管理する側とされる側
(必ずしも人間が管理しているわけでなく、人が人をがんじがらめにしていることも)
などなどが、淡々とあるいはブラックに描かれています

21.5×16.5cm 104pages

東京ビルさんぽ「いいビルの世界 東京ハンサムイースト」

東京ビルさんぽ「いいビルの世界 東京ハンサムイースト」(大福書林)¥2000+税

東京のビルを、2冊に分けて紹介する企画の第1弾。
東京在住在勤の8人が、数年かけて東京右半分を渉猟し足でさがした、ほぼ無名だけどいいビル・マンション500選を紹介。

高度経済成長期以前の、街になじんだ、しかし今は実現できない素材・技術・デザインのビルや集合住宅。問屋街・金融街・学生街・住宅街など、さまざまな街のビルを概観する内容となっています。
外観の写真が中心で、1/3くらいはタイル/エントランス/取っ手/バルコニーなど、作られた当時の質感やデザインを楽しめるようになっています。

500のうち10箇所ほどは、取材して内部も紹介しています。

一軒一軒、紹介していますが、東京東部を歩く楽しみは、戦前の建物、戦後間もなく、70年代…と様々な
時代の建物のモザイクが楽しめるところ。目白や高田馬場あたりまで入っています。(なので高田馬場の梵寿綱も含まれます)

収録エリアはーーー
蔵前〜馬喰町、茅場町・日本橋、銀座、勝どき〜晴海、秋葉原〜岩本町、神田、神保町〜水道橋、湯島〜春日、合羽橋〜浅草、上野・御徒町、日暮里〜三河島、押上〜東部沿線、金町〜平井、門前仲町、西台〜蓮根、十条・赤羽・王子、大塚、池袋、目白

外観だけないビル鑑賞ポイント〜面格子、壁画、タイル、窓、エントランスや階段〜の紹介のほか
70年代漫画でいいビル探し、などのコラムも楽しい。

A5判200pages