漫画」カテゴリーアーカイブ

木版漫画 藤宮史 「羅生門」

木版漫画 藤宮史 「羅生門」(黒猫堂)¥602+税

木版漫画の藤宮史、久々の新作。
年齢的なものからくる心身の不調に加えて遠距離介護のために完成までに2年以上の歳月をかけた短編。

芥川龍之介「羅生門」を原作に、平安時代、天変地異や基金で荒廃した都の羅生門と、そこに打ち捨てられた身寄りのない者たちの遺体、さらには死者から髪の毛を奪う老婆、その老婆を身ぐるみはがす下人の姿が、木版画で描写されています。

木版に刻まれた、雨の中の羅生門や薄明かりの中に並ぶ死体がオイリーな香りのする墨色インクで強く暗く刷り込まれています。

B5判40pages

新生総合マンガ誌 キッチュ 第2号 -特別リレー漫画/ガロのまんが道/台湾特集-

新生総合マンガ誌 キッチュ 第2号 -特別リレー漫画/ガロのまんが道/台湾特集-(ワイズ出版)¥1200+税

同人誌から、発行元をワイズ出版に移し、流通販路を広げての新生キッチュの第2号、通算8号目!

今回は、藤原カムイ企画、世代を超えた5人の作家、藤原カムイ 花輪和一 ほし埜、日高トモキチ 阿部洋一によるリレーマンガ『須弥山』が実現!

また台湾カルチャー紹介も充実、台湾でブームの廃墟探索をはじめ、ANTENNA牛魚 / 葉明軒 / nyaroro /李隆杰ら台湾作家探訪、台湾の歴史を描いた連環画を紹介。

ガロのまんが道は、前回のガロ元副編集長白取千夏雄氏に続いて、現在アックスを発行する青林工藝舎の手塚能理子インタビューを掲載。

【マンガ作品】
『須彌山』藤原カムイ 花輪和一 ほし埜、日高トモキチ 阿部洋一
『夏天吃挫冰』ムライ
『宝くじ女子!』透村
『真面目なんかじゃない』瀬戸響生
『パピリオと死体泥棒第3話』おがわさとし
『SHAPESHIFTER』R・リンドストロム
『らくがき』シゲカンジ
『創世記第11章』ひさうちみちお
『浦島太郎子』Morpho
『やらせろばかやろこのやろ』石川次郎
『今夜、バーで』画:風狸けん 原作:川上大典
『大海原に×をこけば』もぷ子
『遠く』森雅之
『12月の手紙』森環

【特別インタビュー】
●「“ガロ”のまんが道・後編 手塚能理子編」
取材・構成:呉 塵罡(ゴジンカン)

【台湾特集】
●巻頭グラビア『台湾の天外天劇場』廃墟探索部

●『台湾漫画家大探訪』
ANTENNA牛魚 / 葉明軒 / nyaroro /李隆杰
聞き手:呉塵罡(ゴ ジンカン) 構成協力:洪文茜(アカネ

●『台湾を描いた連環画を読む』加部勇一郎

【写真エッセイ】
「京都の死にたい場所」 吉村智樹
「視界の端〜モトコーに咲く花隈ソファーズ〜」市田響

【小説】
『なんば恵比寿座物語 第三話 ゴッドファーザー』 紺野まこと(イラスト:モツ子)
『国際探偵 — チェイス・オブ・ザ・ワールド 中編』關眼陣梧(イラスト:ヒノデエイジュン)
『『愛すべき廃人たち』浅倉俊樹(イラスト:沢渡鳶)』
『名探偵ブロッくんとお城のおばけ』土居豊(イラスト:鬼山龍宿)

【タイトル題字】 平田弘史
【表紙イラスト】 ANTENNA牛魚
【表紙デザイン】 セキネシンイチ制作室

A5判288pages

panpanya「グヤバノ・ホリデー」

panpanya「グヤバノ・ホリデー」(白泉社)¥980+税

『足摺り水族館』『蟹に誘われて」「枕魚」「動物たち」「二匹目の金魚」に続くpanpanyの漫画短編集。

楽園 Le Paradis [ル パラディ](白泉社)やweb増刊などに掲載された21作品と日記や自己解題を収録。

アメ横でみつけた缶ジュースで知った、グヤバノをみつけるべくフィリピンに出向くタイトルにもなった8章からなる「グヤバノ・ホリデー」をはじめ、「宿題のメカニズム」「学習こたつ」「いんちき日記術」「比較鳩学入門」「芋蔓ワンダーランド」などを収録。

カバーは、昔の果物の包装紙やシールを思い出す質感、はずすと煉瓦調の石畳がバーコ印刷(透明の厚盛り印刷)でリアルに現れます。装丁も作者によるものです。

B6判194pages

ネルノダイスキ「またとない機会」

ネルノダイスキ「またとない機会」¥500+税

短篇漫画集「エソラゴト」「であいがしら」などのネルノダイスキの最近のコピー誌やラトビアの雑誌s!への寄稿作品など6編をまとめたもの。

体のパーツが巻いた紙のようになっている宇宙人に遭遇した主人公をピンチを乗り越えることができるのか?
ミクロの視点で眺めた巨大ボビンと糸の世界
文字通り真っ黒なブラック企業での仕事…
読み切りの3つの短編と交互に、不動産物件探しで珍しい家を内見するシリーズもの3本が構成されています。

A5判60pages

なおこりん  漫画「何でアイドルじゃなくてストリップに通うんですか?」

なおこりん  漫画「何でアイドルじゃなくてストリップに通うんですか?」¥650+税

2017年から、ストリップ劇場にはまってしまったアラサー女子なおこりん。
地方の劇場にまで遠征し、その様子を漫画に描いてジンを作ったところ、大きな反響があり、ストリップを取材したNHKの番組から取材を受けることに。

そこで受けた質問がタイトル通りの「何でアイドルじゃなくてストリップに通うんですか?」。
はじめて観たときに心を奪われ、夢中でストリップを追いかけてきたなおこりんにとっては当たり前すぎて、虚をつかれたような質問に、答えに詰まってしまい、その不完全燃焼を解消すべく考えて描いたコミック”私がストリップ劇場に通うようになったわけ”が本作。

踊り子さんのダンスの見事さ、ひたむきさはもちろんのこと、女性のなおこりんにとって、むしろ女子としてはコンプレックス抱えたOLにすぎない自分だったから、胸があつくなった、女性の個性や在り方、どの踊り子さんもファンを大事にして大事にされる世界の魅力が描かれています。

これまでは、踊り子さんやお客さん、劇場の魅力を伝えてきたなおこりんが1ファンとして自身のストリップ体験を描いた作品。
ストリップに興味がある人はもちろん、性やエイターテイメントを仕事にすることに関心やら疑問のある人にもおすすめです。

B6判20pages