漫画」カテゴリーアーカイブ

中村一般「こしあんぱんとグラフィティ」

中村一般「こしあんぱんとグラフィティ」¥500+tax

朝、買い物のために地元・三軒茶屋の町に出たものの、目当ての物がみつからず、それなら朝食に最高のあんぱんを買おうと、町歩きをする著者。

見慣れた景色を眺めたり、意外な発見をしながら、目的のあんぱんを手に入れ、食べ歩きしながら、グラフィティを見ながら帰ってゆく…

ある朝の小さな旅の景色ーー駅付近のアーケード部分、高速や歩道橋、電線、街路樹、標識が入り組んだ町ーを数ヶ月かけて描き、tiwtterに発表したのち改訂してまとめたもの。

SNS上の「#ダックスフンドを探せ」でも話題になった若手作家のコミックzine。

A5判28pages

Pam Pam Liu「癌症好朋友 GOOD FRIEND, CANCER」

Pam Pam Liu「癌症好朋友 GOOD FRIEND, CANCER」 ¥2091+tax

アーティストとして都市で生活する若い女性の心情をエッセイコミック風に綴り、共感を呼ぶ、台湾のアーティストPAM PAM LIU。

仕事に追われ忙しくも楽しい毎日を過ごす私の元にある日、実家の母から1本の電話が。
「乳がんと診断されたのだけど、化学療法に付き添ってもらえる?」
「大丈夫、時間が決まったら教えてね」と答え、素っ気なく電話を切ったのは
動揺のあまり、電話口で泣き出さないように、だった。

以来、闘病記を読んだり、周囲の体験談を聞いて情報収集すると、心配が増して病人に指図をしだしたり、幼い頃のトラウマや、これまでの親子姉弟関係の問題が吹き出し、父や弟に対する不満を爆発させたり!!
現実を受け入れて、淡々と化学療法から手術…と治療をすすめる母の周りの、看病家族あるあるやら、独り身の自身が老いて病んだ時の将来妄想など、心模様を描き、自身の内面や過去に向き合った記録。

作中で私は、シーツを被ったようなオバQ的姿で描かれていますが、その理由も読み進めるうちに、明かされます。

15cmx 15cm上製 184pages
繁体字中国語+English

なんで、ママが癌に? どうしよう?

このまま独り身で老いた病んだときは、介護ロボットに下の世話も….

トキワセイイチ「きつねとたぬきといいなずけ」 vol.5

トキワセイイチ「きつねとたぬきといいなずけ」 vol.5  ¥800+tax

ネットにアップして人気になった8コマ一話形式の漫画「きつねとたぬきといいなずけ」をまとめたシリーズ5弾。

ほのぼの童話風の親しみやすい青年や動物キャラクターたちが登場しますが、読む進めてゆくと、他愛ない会話や関わりの中で他者を通して自分の内面と向き合う現代人の心情が描かれていたり。

5号では、会社で大きなプロジェクトを任された田中が、チームリーダー的立場に戸惑い…田中を密かに想うナツネはタヌロヲとともに、田中と休日をすごし無邪気に振る舞い、再び村へと帰ってゆく。

ところが、ナツネは田中に教えてもらった人間の食べ物を村の仲間に教えてあげたくて、触れ回った結果、その情報は村中に広まり炎上めいた予期せぬ混乱を招き、傷つく。
田中は田中で、仕事以上に職場の人間関係に苦悩し、封印した過去の傷みが甦る….

これまで以上に、ささいな一言に傷ついたり、慰められる心模様を描いた号に。

なお、このシリーズは、加筆改訂して6月から「コミックガーデン」誌でリスタートするため、自主制作版はこれが最後になるそうです

A5判60pages

FEECO vol.2 SOUNDSTACK ISSUE

FEECO vol.2 SOUNDSTACK ISSUE ¥1636

ディスクガイドに載らないニューウェイブ名盤カタログSeason In The Dawnの著者・平山悠氏が編集、取材、執筆etc.を行う新雑誌『FEECO』(不定期刊)の2号。

グラフィックノベルやZINE、アニメ、ビデオゲームの中の音楽にスポットをあてた特集。

まず、イギリスのイラストレーターFrancis Castleが運営するCLAY PIPEレーベル。
オブジェとしてのレコードに重きを置き、好きな音源をオリジナルケースやイラスト冊子などと組み合わせて小規模リリースしています。

インタビューはJim Foetusとして80年代にデビューし現在は劇伴の分野でも幅広く活躍するJG Thirlwell。
NYの氏のスタジオで、音楽的変遷、転機となった人気番組『Venture Bros』でのスコアの仕事、進行中のプロジェクト、デヴィット・ボウイとの思い出、最新音楽への関心などを語っています(2019年11月に取材)。あわせて、日本未公開の番組『Venture Bros』を紹介、「JGに捧ぐ」日本製アニメのサウンドトラックガイドも収録。

ほかにも、セガの『ROOMMANIA#203』で流れる「ラジオからの」音楽、Playlist ZINEのこと、ポーランドのコミックzine ciutなど、いろいろ。

A5判156pages Japanese/English

表紙イラストは、ブリュッセルのギャラリーSterput galleryで、ステュ・ミードと二人展を開催したNY在住のアーティストGea Philesです。

大香港研究会「御宅族も現場に行ってきた。2019-20」

大香港研究会「御宅族も現場に行ってきた。2019-20」¥779+tax

香港で漫画を買い付けて日本で販売する香港漫画店の店主。
これまでも買い付け出張の際に、現地で仕入れたおたく視線の漫画や町ネタを同人誌にしていたが、2019年度は、まったく様子が違った。連日ニュースになった一連のデモ、そしてコロナ。

香港書展に合わせての出張。展示会場には、ほのぼのエッセイ漫画や旅行ガイドが相変わらず人気の一方、デモや運動を支持する出版社のブースやレノンウォール(付箋にメッセージやスローガンを書いてみんなで貼るアレです)が出現するカオス。
町ではデモが続いていたが、滞在中に、運動の流れを変える地下鉄・元朗駅での市民襲撃事件(デモ参加者のみならず地下鉄乗客など市民が、シャッターの閉ざされた駅構内で地ヤクザ的集団に暴行された)が発生。
翌朝のお粥屋さんで、居合わせた香港人たちがテレビのニュースを見入る様子から、日常に暴力が侵食し、不安や悲しみや怒りetc.が伝わってゆく空気感が捉えられています。

筆者が帰国後も運動は続き、その様子は時系列に沿って年表方式でまとめられています。
そして年明け。買い付を前に、深刻化して行くコロナ感染。現地は、防疫やら必要物資の確保に大忙し。加えてデモ。
ますますカオスな香港に、マスクと除菌グッズ完備で乗り込む筆者….
現在、コロナ感染の第二波を乗り越えた香港ですが、ピークを迎える前の戦々恐々の時期の模様。

生活や自由が脅かされる時、政治とどう向き会うか、自分たちの健康や命をどのように守るか…
いまや日本人にも無縁でない問題に、長く向き合って来た香港の様子を伝えてくれる現地レポート。

B5判68pages