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ついに“ゴリ婚”こと飯島市朗「ゴリラとの結婚」の全貌が明らかに!!!

飯島市朗「ゴリラとの結婚」

飯島市朗「ゴリラとの結婚」(グッピー書林)¥1000+税

2003年、飯島市朗傑作集1「トルコ星座の男たち」から14年。そこに「後編」のみが収録され、前編の発掘が待たれていたゴリ婚こと「ゴリラとの結婚」の全容が明らかに!!!! 男女に関係なく濃い造形の人物たち、人間とは思えない力強いアクションに超絶的な間接の可動域…、独特の擬音、読者を置き去りにするストーリーの飛躍。 “劇画史に封印された最後の牙”、飯島市朗が帰ってきた〜!!!!!
表題の「ゴリラとの結婚」(前・後編)の他、全11編の短編を収録。
一般書店非流通復刻!

【収録作品】
・蜘蛛の怪奇
・女体惑星
・地球の終焉
・ゴリラとの結婚(前・後編)
・悪魔に会う(前・後編)
・冷凍する女
・ある奇形種類
・奇病
・ゲテモノ料理

【初出・出典】
日文社「漫画ブラックパンチ」
1970年2月号~1970年12月号

A5判128pages

飯島市朗「ゴリラとの結婚」 飯島市朗「ゴリラとの結婚」 飯島市朗「ゴリラとの結婚」

ゼイナ・アビラシェド「オリエンタル・ピアノ」 関口涼子・訳

オリエンタル・ピアノゼイナ・アビラシェド「オリエンタル・ピアノ」 関口涼子・訳(河出書房新社)¥2400+税

オリエンタル・ピアノ」の紙面は、音とデザイン化された絵にあふれている。
状況説明のテクストも登場人物たちのセリフもクツが鳴る音や鳥のさえずりも同じ字体で書かれて、オノマトペがペンや筆で書かれたマンガを見慣れた人には少しとっつきにくかもしれない。
しかし、それは50年代のペイルートに暮らす主人公の一人アブダッラーを取り巻く音の景色でもある。彼は自身の音楽を奏でるために(たとえばハリー・パーチのように)12平均律にない4半音を奏でるオリエンタル・ピアノを開発し、ウィーンに招かれ、ピアノの量産化に向けて普及活動に精を出す…。

一方、現代のパリ。幼い頃から祖父にフランス語を仕込まれ、アラビア語と2つの言葉の中で育った若い女性が、ベイルートからのこの町に移住し、両国を往復しながら、やがてフランスに帰化するうちに、フランス語に不在の言葉に気付いたり、アラビア語にないニュアンスを体感したりして、二つの言葉は編み物のように絡み合いながら、このもう一人の主人公の中で、豊かな表現を織りなしてゆく。

曾祖父と曾孫娘の物語が交錯するなかで、(曾祖父と親友の性格が正反対なら、その親友は双子の片割れであり…、
時代は変れど曾祖父も曾孫娘も東洋と西洋の間で自らの音楽or言葉を奏で…と)様々な要素がデュアルかつ精密に描かれてゆく。

言語や文化を、自身の記憶や体に取り込み、再び紡ぎだすことで自身の物語=人生を歩んでゆく様は、誰もが自分のオリエンタル・ピアノを発明し、奏でる行為であるかのように。

B5判212pages

オリエンタル・ピアノ

意気揚々としたアブダッラーの気持ちはトビウオの音符で表現され。

オリエンタル・ピアノ

フランス語とアラビア語は、彼女の中で編み物のようにひとつに織り込まれてゆく…

オリエンタル・ピアノ

アレクサンダー・ゾグラフ作 ハル吉訳「爆撃地セルビアからの手紙」

アレクサンダー・ゾグラフ「爆撃地セルビアからの手紙」

アレクサンダー・ゾグラフ作 ハル吉訳「爆撃地セルビアからの手紙」(峠の地蔵出版)¥1400+税

かつてバルカン半島にあったユーゴスラビアは90年代に入ると、スロベニア、マケドニア、クロアチア、ボスニア・ヘルツェゴビナ…と、各地域が紛争を経て次々に独立。そこからあぶれたセルビア人がコソボに移住したことから、アルバニア住民の反発を招き、98年に、過激派のコソボ解放軍とユーゴスラビアおよびセルビア軍が対立し、コソボの自治回復を支援するNATOの介入を招き、セルビアは空爆にさらされた。

本作は、1999年のNATOによるセルビア空爆中に、漫画家ゾグラフが、友人の漫画家クリス・ウェア(『ジミー・コリガン』が有名)に、当事者としての週刊漫画を描いてはどうかと勧められ、爆撃のさなかに海外の雑誌やウェブサイトに掲載された1ページ完結漫画集。

爆撃の危険の中、限られた情報の中で、漫画家は事態を冷静に見詰める一方で、「僕はただ漫画を描きたいだけなんだ。悪夢から目覚めさせてくれ」と訴えたり、アイロニーたっぷりに爆弾の種類を描き分けたり、停電中に自分の内なる声に耳を傾けたり、はたまた友人のロバート・クラムが夢に出てきたり…。

爆撃への恐怖と不安はたまた、紛争に対する無力感だけでなく、創作や漫画への想い、日々の暮らし、などが、プロパガンダや圧力の下にもかかわらず驚くほど冷静かつリアルに描かれた、著者の代表作で、何カ国語にも翻訳されたもの。特徴的なタッチも、読みすすむにつれて、クセになってきます。

今回、本書の訳者で発行人のハル吉が、国際的に活躍するセルビアを代表する漫画家のひとりであるゾグラフにダメもと?で出版の企画を申し込んだところ快諾され、原書にはない、セルビア地図や脚注、インタビューも付して出版の運びとなった。
巻末インタビューでは、自作のみならず、セルビアの漫画シーンについても言及しています。

A5判120pages

爆撃地セルビアからの手紙

ナギサプロ『夜のハレンチ野郎』

ナギサプロ「夜のハレンチ野郎」

ナギサプロ「夜のハレンチ野郎」(凡天劇画会)¥600+税

兎月書房『墓場鬼太郎』4巻以降(ニセ鬼太郎)の作者・竹内寛行が、若者たちの無秩序なセックスとバイオレンスを描いた連作短編集「夜のハレンチ野郎」。
竹内寛行がチーフを務めるナギサプロ=凡天太郎プロダクションによるもので、60年代に「漫画パック」に掲載された短編6本を収録。

時代とはいえ、人権お構いなしのエロとバイオレンスの横行がすごい、まさにハレンチな世界。
それは50年代末~60年代初期にかけて、貸本漫画の衰退と入れ替わるようにおこった劇画ムーブメントの中で、”青年漫画”へと結実するメインストリームとは別に、傍系劇画誌の無法地帯に棲息し、やがてエロ劇画へ開花する作品で、凡天劇画会では「番外地劇画」と称して復刻しています。

ゆきがかり上?アシスタントもしていた田中多美子(凡天太郎夫人)へのインタビューで、凡天太郎とアシスタントたちナギサプロの面々の様子が語られています。漫画も破天荒なら描く人たちも無茶苦茶だったようです。

A5判96pages
わかりにくですが表紙のタイトルは銀。

panpanya 「動物たち」

panpanya 「動物たち」

panpanya「動物たち」(白泉社)¥980+税

白泉社「楽園」本誌やweb増刊号に掲載された13編に、同人誌に発表した「猯」、各種カラー作品、日記や用語集まで収録したpanpanyaワールド的作品集。

初単行本から一貫してpanpanyaらしい凝った装丁。
カバーをはずると、コンクリートの滑り止め加工がエンボスになっているほか中のカラーページも見応えあります。

B6判 184pages

panpanya 「動物たち」

panpanya 「動物たち」

panpanya 「動物たち」