投稿者「タコシェ」のアーカイブ

ケロッピー前田の「モドゥコン・ブック増補完全版」刊行記念フェア

「モドゥコン」とは「モディフィケーション・コンベンション(身体改造世界大会)」の略。
世界最大の身体改造ホームページBME が主宰する、 過激な身体改造 に特化した招待のみの大会で、1999年から3年続けて開催され、02年に『モドゥコン・ブック』が出版されました。

現地で取材にあたったケロッピー前田さんは、BMEを主宰するシャノン・ララット氏から日本での出版を提案され、モドゥコンに関する記事を寄稿した『BURST』の出版元コアマガジンに持ちかけたものの、出版不可と判断されたため、自らが翻訳&自費出版することで2003年に刊行されました。

長く品切れ状態でしたが、このたび新規カラー16ページを加えた増補完全版として復活。
男性器から火を吹き、指や手足を切断し、性器を完全除去する実践者たちのインタビューから、切除した男性器の調理法や身体の各部位への生理食塩水注入、インプラントやスプリットタン、ボディサスペンションなどの90年代以降に広まった身体改造を詳しく解説、世界的な身体改造ブームの火付け役となった決定版です。

アイボールタトゥー 、マグネティックインプラント、マイクロチップ、トレパネーション、ベーグルヘッド、ゼンタスティック、ウヴァティアール、ペインオリンピックなどを加え、2020年代 の最新の身体改造事情にまで繋がる情報を網羅しています。

今回はその出版を記念して、作品展示を含めたモドゥコン・フェアを開催いたします。一般書店やアマゾンなどでは扱えない禁断の書「モドゥコン・ブック 増補完全版」、ぜひ当店にてその現物をご覧ください。

ケロッピー前田さん 在店アワー
6月5日(日) 15:00 -17:00
6月10日(金) 18:00 – 20:00 (最終日)

◯ケロッピー前田
1965年東京都生まれ。千葉大学工学部卒、白夜書房(のちにコアマガジン)を経てフリー。世界のカウンターカルチャーを現場レポート、若者向けカルチャー誌『BURST』(白夜書房/コアマガジン)などで活躍し、海外の身体改造の最前線を日本に紹介してきた。その活動は地上波の人気テレビ番組『クレイジージャーニー』で取り上げられ話題となる。
著書に『クレイジートリップ』(三才ブックス)、『クレイジーカルチャー紀行』(KADOKAWA)、責任編集『バースト・ジェネレーション』(東京キララ社)、『縄文時代にタトゥーはあったのか』(国書刊行会)など。

※6月8日(水)はお休みをいただきます
※手指消毒やマスク着用など、感染予防にご協力願います。

早川モトヒロ個展 REPETITION

2022.4.29 fri —5.13 fri

アーティスト早川モトヒロさんが約10年にわたって描きためた膨大なスケッチの中からセレクトした鉛筆画の展示です。

同名のZINE(限定300部)をリリースするほか、SNSに投稿するなりBANされた幻のイラストをプリントした記念Tシャツを発売します。

半年にわたり作品をセレククトするアーティスト

早川モトヒロさんが思いついたアイデアを描きとめ、展示作品に登場する景色やキャラクターとして納得ゆく形になるまで、毎日、繰り返し裏紙に描いた鉛筆画は、約10年の間に段ボール何箱にもなりました。その膨大な作品を掘りおこし、何カ月もかけて選別し、展示/zine発行の運びとなりました。

◯早川モトヒロ
1974年山口県生まれ。
2000年山口芸術短期大学卒業後、東京を拠点に活動をスタート。
近年は精力的に活動を行い、展示会のほかライブペイティングやミュージックビデオやフェスのイメージキャラクターに使用されるなどアーティストとして国内外を問わず活躍中。

※11(水)はお休みをいただきます
※手指消毒やマスク着用など、感染予防にご協力願います。

もぐこん テン年代作品集「日々」

もぐこん テン年代作品集「日々」 ¥1200+tax

「気配」に続く、もぐこんがテン年代自選作品集。
に発表した漫画の中から自選した8本を収録。
不条理だけどどこかおかしみがある「気配」のセレクションに対して、記憶の奥底にしまっているような過去やひりつく思いを取り出したような作品が多く、内容的に対になった感じです。

自分をその人の理解者だと思って、愛おしんだり保護者目線になったり、そんなポジションに後ろめたさを覚えたりしているうちに、わかったつもりだったその人が、ある日突然ふわっと別のステージに飛び去ってしまう…、そんな寂寥感や取り残され感が宿る作品のあれこれ。

:::収録8作品:::
「日々」(17)「お兄ちゃん、お願いだから死んでください」(12)「誰かとどこかで」(13)「いい湯」(16)「妹の結婚」(18)「ゴミ箱」(16)「私書室」(18)「10月29日」(14)

A5判160pages
2021.11.21

発売・発送は11月21日夜からになります。

翻訳文芸誌 BABELZINE vol.2

翻訳文芸誌 BABELZINE vol.2 ¥1500+tax

英語圏を中心としたSF・幻想文学・変な小説を翻訳するサークル「バベルうお」の同人誌。

最近の作品を中心とした翻訳小説11編と、主宰者である白川眞氏の評論「単数Theyの発明と翻訳の可能性」を収録しています。

:::収録作品は::: (概要はバベルうお様のサイトより)

◎G・V・アンダーセン「シュタインゲシェプフ」藤川新京 訳
石に生命を吹き込む創造者ギルドの駆け出し職人ハーツェルが初めての仕事で修復することになったのは三百年前の巨匠ドゥルアンの手がけた異形の石像アンブロワーズだった。戦間期の揺れるドイツを舞台に青年の友情と恋を描くほろ苦い物語。世界幻想文学大賞受賞作。

◎マシュー・クレッセル「ラブ・エンジン・オプティマイゼーション」藤川新京 訳
あなたのことはあなた自身よりもよく知っている。主人公サムはクラウドから収集した個人情報を駆使してジェーンの心を射止めようとするが思わぬ横槍に見舞われる。ビッグデータ時代の恋愛をテーマにしたテクノ・サイコ・サスペンス。

◎ホリス・ジョエル・ヘンリー「アウター」平海尚尾 訳
放射線によって歪められた美しいビーチ。放射線によって歪められた住民たち。心優しい少年トゥーゼンは底知れぬ怒りを抱えて怪物アウターへと変貌していく。カリブ海から届いた鮮烈な短編。

◎フラン・ワイルド「輝きのみが残されて」藤川新京 訳
見たものを次々と植物に変身させてゆく奇妙な夢。人間嫌いの植物学者・ガニット博士は夢の謎を解き明かすために立ち上がるが……バラードやカヴァンを思わせる冷たく美しい終末譚。

◎セス・フリード「メンデルスゾーン」白川眞 訳
あの夏、ぼくの父さんは巨大アライグマとライバルになった。平穏な日常を取り戻すべく、家族はアライグマと対決する。もう戻らない少年時代の、ひと夏の冒険。

◎ラフィアット・アリユ「いつまでも夫に愛されるための五八のルール」西村取想とシタギセール=カオル 訳
夫に愛されるために呪術の力を借りたイマンが体験する恐怖の夫婦生活。散りばめられたブラックユーモアに思わず笑っていたはずが、絶望的な幕引きに思わず心が翳る。

◎A・T・グリーンブラット「バーニング・ヒーロー」藤川新京 訳 人体発火能力を望まずして手に入れた公認会計士のサムは人助けを志して地元の能力者チームに参加するがうまくいかないことばかり。果たして彼は憧れのヒーローになれるのか?ユーモラスで少し切ない異色のスーパーヒーローストーリー。《ネビュラ賞ノミネート》

◎レティー・プレル「新鮮な空気」藤川新京 訳
肉体のくびきを逃れて仮想世界に移住した母と息子。永遠の生と自由を約束され何一つ不満のない暮らしを送るはずだった二人だが…… シンギュラリティ後の世界でなお手に入らないものをめぐる親子のすれ違いを描き、重い読後感を残す物語。

◎ジェラール・クラン「終止符」西村取想 訳
いまだ知られぬ居住可能惑星を探して宇宙空間を漂う宇宙船のなかで起こる怪奇現象。後にフランスSF界の重鎮となるクランが若かりし頃に思い描いた、「物語」のその先とは!?

◎アンディ・ドゥダック「イムノ・シェアリングの時代の愛」川端冷泉 訳
致死的な感染症が蔓延した世界で、愛はどのようにその形を変えるのか。来るべき一つの未来の可能性を描く、病気と愛の物語。《ユージイ・フォスター記念賞ノミネート》

◎ヤツェク・ドゥカイ「レム外典」藤川新京 訳
再構成された作家の仮想人格、それが外典。ポーランド、ドイツ、日本で生み出された三体のスタニスワフ・レムの外典のたどる数奇な運命をつづる架空の本の書評という形で描かれた現代ポーランドSF界の俊英による究極のレム・トリビュート!

評論○「単数Theyの発明と翻訳の可能性」白川眞
今話題の単数Theyについて。翻訳に向き合うにあたって単数Theyをどう捉えたらいいのか、実際にどのように使われているかとともに解説。

A5判 246 pages
発行:週末翻訳クラブ・バベルうお
2021.11.5
※発行にあわせてvol.1も増刷されました

Mayeul Vigouroux 「La Manticore ラ・マンティコール」

Mayeul Vigouroux 「La Manticore ラ・マンティコール」¥3273+tax

タイトルのManticoreとは、ライオンの胴と人の顔と蠍の尾をもつ伝説上の人喰い怪物。

暴君である女王ユスラの出産に立ち会った夫グフランは、妻のミソジニーを怖れ、とりあげられたばかりの女児を見るや「立派な男の子だ!」と妻を労い、すぐさま兄弟のもとに子供を送り出し、男子として養育させる。シャミルと名付けられたその子は、叔父のもとで大事に育てられ、礼儀作法から学問、戦術などの教養を身につけてゆくが、衣服の下に隠されたもう1つの自分のアイデンティティに苦悩するようになる。

成長して、母を訪ねたシャミルは、突然、許嫁がいる同盟国の王女ジョティとの政略結婚を言い渡され、国を出るものの、破いた衣服に自身の血を塗り、Manticoreに襲われて亡くなったことにして、姿を消して漂泊の旅に出た。
行き着いた町の公衆浴場で、居合わせた女性に、男性でもあり女性でもある自身の苦悩を告白し、ケアを受けたシャミルは、風の噂で自分が去った後、母が病にたおれ、国が乱れ、ジョティも姿を消したことを知り、彼女を探し出し、陰謀が渦巻く城へと乗り込む。

自身のアイデンティティや運命に苦悩する一方で、学びや癒しを得ながら、邪悪な力と闘い母と向き合い、自らの居場所を探すシャミルの様子を、架空の国を舞台に寓話のように描きます。シャミルの不安や苦悩やときとしてManticoreの姿になって登場します。

著者のMayeul Vigourouxは、ENSAD(国立高等装飾美術学校)に学び、神話や寓話、中世の装飾写本などに着想し、卒業制作のためにこの作品を制作。細部に施された様々な装飾模様の美しさや、絵巻物のように一つのコマに異なる時間のレイヤーが重ねて描かれているのが印象的です。
Atelier Quintalで多色リソ印刷されています。

34cm x 27 cm ミシン綴じ 48pages フランス語