展覧会DM

 戦後を代表するイラストレーター
・石原豪人は、昭和50年頃から最晩年まで、林月光の別名で、ゲイアートやSM系ポルノを描きました。お色気とユーモアとレトロモダーンな感覚に溢れた月光作品をあつめた展覧会を行います。

 展示作品は、さぶ・JUNE・SMスピリッツ・SMマニア・SM秘小説・SMファン・SMキング・S&Mスナイパー・SMクラブなどに掲載された作品各種です。販売は今回行いませんが、そのかわりに、オリジナルの図録『月光秘宝館』を作成いたしましたので、ぜひおもとめください。 

石原豪人・林月光 プロフィール
大正12年、島根県生まれ。少年時代から画才を発揮し、青年時代にモンゴルに渡り、会社勤めの傍ら映画看板を描き、大陸で戦争を体験。
 帰国後、松江・東京で映画看板の仕事を続けるが、肺病を患ったことから、挿絵画家に転向。『明星』『平凡』などにスターの似顔絵を描き、昭和29年から大衆小説誌に官能的な美人画を描き人気を博す。
 また昭和30〜40年代には、少女雑誌では江戸川乱歩と組むなどしてホラーやサスペンスものを、『マガジン』『サンデー』『少年画報』などに、図解や怪獣を描く売れっ子イラストレーターに。
 昭和50年頃から、林月光の別名で、団鬼六の『夕顔夫人』『無残花物語』などの挿絵を描きSM系ポルノを描き、ゲイ雑誌『さぶ』にも創生期から加わり、口絵から目次絵、読者欄のカットまでを描く。
 とくに『さぶ』における「月光仮面劇場」は、読者体験などをもとに自ら物語を作り挿絵も描いた長寿人気連載に。
 晩年には、サブカルチャー系の雑誌でも活躍し、平成10年、生涯絵師として他界。

■■■オリジナル図録■■■
『月光秘宝館』\850(税込)
 林月光名義での初の画集で、今回の展示品を中心にゲイアート30点あまりとSM系ポルノ20点あまりを収録しました。
 漫画家にしてゲイエロティックアートの研究家でもある田亀源五郎さん、先生の晩年に編集を担当されたS&Mスナイパー編集長・渡邊安治さん、創生期のSM誌やゲイ雑誌『さぶ』『JUNE』などで編集者として長く仕事をともにされたサン出版の櫻木徹郎さんに、それぞれ林月光という作家とその作品についてインタビューを行い収録しました。A5判44P(カラー28P モノクロ16P)--通販もいたします。
 



さらに月光作品を見たい知りたい、という方に----
タコシェプレゼンツ:トークイベント『月光夜話』

○5月11日(水) 19:00 OPEN 19:30START  \1000
○at 高円寺・円盤(※場所はタコシェでないのでご注意ください!)
 東京都杉並区高円寺3-59-11 五鱗館ビル201 
 tel 03-5306-2937
○ゲスト:赤田祐一、田亀源五郎、竹熊健太郎

タコシェでの展示作品のほか、田亀さんが編集中のゲイエロティックアート集に収録される予定の官能的なイラストや、赤田さんが編集した豪人先生最後の著作にして文豪漱石の名作「坊っちゃん」にホモ視線でメスを入れた妄想とファンタジーが爆発暴走する(これを読めば、先生の想像力が常人にはとうてい及ばないことがわかります!)「謎とき坊っちゃん」用の挿絵などを含めてプロジェクターで見ながらお話を伺います。