- 〈畸人研究学会が選がおすすめする畸人本〉
■ 水木しげる「東西奇ッ怪紳士録 壱/弐」(小学館)
- 平賀源内、二笑亭主人、ヒトラーとその周囲の人々、郵便配達夫シュヴァル、人力飛行機を作った江戸の表具師などなど、自分の価値観に忠実に生きた、ある意味幸福な人たちを描く。ビックコミックゴールド連載の単行本化。
■水木しげる「畸人怪人大図鑑」
■ユリイカ臨時増刊号「悪趣味大全」
森村泰昌、松沢呉一、松尾スズキ、石子順造、ジョン・ ウォーターズらが執筆。サブカルチャーの中で積極的に受け入れられ解釈されてきたバッド・テイストを検証した好評の特集だが現在品切。
■百目鬼恭三郎「奇談の時代」(朝日文庫)
- 〈畸人研究学会に関連する本〉
■畸人研究学会「畸人さんといっしょ」(青弓社)
第一章では畸人研究会が定点観測的に交流を重ねてきた、常連?畸人さんの思考と奇行の軌跡を追跡。ドヤ街で独自のお手製王冠をかぶり歩く畸人、UFOとコンタクトをとる町田の木星おやじ…。第二章では、畸人遭遇率が高まる一方の学会が旅先などで出会った畸人さんとの一期一会の模様を記録。
- ■今柊二「プラモデル進化論」
畸人研究学会の今氏が、もうひとつの研究対象プラモデルについて書き下ろした。プラモデルが誕生するまでのプレプラモデル時代からPGガンダムまで。プラモデルとその業界やマーケット、時代を俯瞰し検証した力作。
- ■藤野一友=中川彩子作品集「天使の緊縛」
三島由紀夫、澁澤龍彦が熱愛した孤高の幻想画家・藤野一友。P・K・ディックの文庫カバーでも知られるSFタッチでシュールで奇怪な女性画のほか、「裏窓」「風俗奇譚」などカストリ雑誌に中川彩子の名前で発表した幻のSM作品も含めた二つの名前でまとめられた初めての作品集。序文:唐沢俊一。ミニコミ畸人研究の主幹・今柊二も畸人取材で培った取材力で藤野研究の成果を発表。
- ■唐沢俊一「なぜわれわれは怪獣に官能を感じるのか」(河出書房新社)\1700
ジラ、ケムール人、ビラ星人、蜂女、モモイロアルマジロ。あの怪獣・怪人たちに隠されたエロティシズムとは? 執筆:唐沢俊一、実相寺昭雄、品田冬樹、開田裕治、河崎実、中野貴男、睦月影郎、今柊二、他
- 今柊二氏は「東京ブックストア&ブックカフェ案内」「東京古本とコーヒー巡り」(交通新聞社)などにも寄稿
- 「定本 畸人研究Zと同じ、ちくま文庫の畸人本」
■なだいなだ「くるいきちがい考」
正常とはなにか、異常とはなにか。だれが、「やつはクルッテイル」と決めるのか。ある人間をクルッテイルとするのは、世の中の「常識」というものを問わねば、
クルッタものに対する差別をなくすことは不可能である。本書は、クルイ、キチ ガイという言葉をつくった「常識」そのものを問い直す。
- ■赤瀬川原平「学術小説 外骨という人がいた!」
「スコブル」や「滑稽新聞」など言葉遊びやパロディを展開した反骨のジャーナリスト宮武外骨。「櫻画報」を外骨に捧げ、美学校で外骨についてスライドを使って講義をしてきた著者が、外骨の面白さをまんま伝えるべく、図版や文章をふんだんに引用し、探索しつつ感想を述べ、外骨をまねたり遊び、ついに赤瀬川×外骨の架空対談を。
- ■宮元啓一「日本奇僧伝」
常人の思いつかないこと、思いついても実行しないことを敢然とやってのけた僧たちの逸話集。空を飛んだ陽勝、神通力を持つ行基ほか、歴史の表舞台に立つことがなくとも人々に語り伝えられた奇僧たちを描く日本仏教史。
- ■浅倉無声「見世物研究」¥1500
最近、さかんになってきた見世物研究に先駆ける名著。アカデミズムから長らくとりあげられずにいた見世物を明治の人・浅倉無声が研究、没後発表されたもの。見世物の分類(技術編と奇物編と細工編)と明治という近代において、その発祥から江戸以前の見世物がどう変化したかなどの考察もあわせてまとめてある。
- ■山下清「日本ぶらりぶらり」¥620
各地を放浪した様子を綴った清の文章を式場隆三郎の手直ししたり、口述筆記で文藝春秋に発表したものをまとめたもの。各地のスケッチつき。阿波踊りでは「阿呆」とかかれた浴衣でがに股で踊ることに戸惑い、長崎で「山下清に毛がはえたような男」という言葉を聞いて、自分のどこに毛がはえたらこの人になるのか…?と驚く清に考えさせられることいっぱい。
- ■永江朗「アダルト系」¥740
アダルト系とはオトナじゃないとわからない世界にハマるオトナになりきれない人々。パンチラ写真に青春をかけるカメラマン、刺青や浣腸に夢中になる人々、エロメディアの人、さらには盗聴・死体洗いなどの裏ビジネスをとりあげつつ、自らも女装にはまり木乃伊とりが木乃伊になる様が描かれる。
- ■下川耿史「変態さん!」¥640
性にまつわるコレクションに取り憑かれた17人の男たち。女相撲マニア、切腹マニア、大人のオモチャ収集家、褌フェチなどが登場。
- ■佐野眞一「人を覗にいく」¥800
つげ義春、古沢岩美、北杜夫ら異色の作家や文化人から、価格破壊のディスカウトショップ、ゴミ処理、老人ホーム、出版界など実業の世界を強烈な個性でノシ歩く人々22人のルポ。
- ■荒俣宏「パラノイア創造史」\620
悪魔の肖像を描いた画家クリストフ・ハインツマン、地球を割ろうとした男ニコラ・テスラ、偉大な記憶力の持ち主シィー、新文字を発明した人々鶴岡誠一、など過剰なる夢想と偏執の果てに何かを見出し、別世界の訪れを予感させる幻視者たちの謎と魅力に迫る一冊。
- ■唐沢俊一「トンデモ一行知識の世界」\580
Mr.トリビア、唐沢俊一氏の一行知識の世界。といっても、ただの一行知識の列挙でなく、それに関する蘊蓄もあわせて語っているところが家元ならでは。
■都築響一「珍日本紀行 東日本編/西日本編」
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- 〈そのほかの畸人本〉
■珍世界紀行・ヨーロッパ編 \5800
- ■荒俣宏「奇っ怪紳士録」(平凡社ライブラリー)
- 尋常でない発想と行動力で世界をゆるがる奇人たち…。ロシアの脅威を案じ国を憂い、蝦夷地に出向きその実体を「北海道人」のペンネームで喧伝するうちにかの地が北海道と呼ばれるになった「北海道になった男」から、ウルトラの父・大伴昌司、空飛ぶ円盤を発明した男、などなど古今東西の奇人さん27人を紹介。
- ■岡谷公二「郵便配達夫シュヴァルの理想宮」(河出文庫)
- 43歳のある日、郵便配達の途中で石につまずいたことから建築家、石工になる決心をしたシュヴァル。33年間にわたって、石をこつことつみあげて唯一無二の夢の宮殿づくりをする物語。大竹伸朗も衝撃を受けたと語ったフランスの畸人?の夢物語。
- ■ダイディ・フォン・シェーヴェン、アンゲリカ・タッシェン「エキセントリック・スタイル」¥1250
どこかガウディやエッシャーのようなんだけども、よくわからない情熱に突き動かされて我流に俺流テーマパークを創ってしまった無名の市民や畸人さんたちの世界各国に探し出した作品集。(一般にはアウトサーダーアートなどと呼ばれる…)。シュヴァルさんの石や貝の家はもちろん、身近な安ピカ品、廃物をも使った環境芸術や、デコトラもびっくりタイヤにまでペインティングしてある車などなど、濃厚な作品揃い。
- ■根本敬「因果鉄道の旅」(KKベストセラーズ)¥1470
「根本敬の人間紀行」のサブタイトル通り、どういうわけか因果な人にひきこまれるのか呼び寄せるかしてしまう根本による異人伝。大学時代の級友内田にはじまり、同業の先輩・蛭子能収、市井の超能力演歌歌手、はては、奥崎謙三、勝新までをたっぷり巡礼する。根本敬のエッセンスが詰まった一冊。
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