「純の休日」より 自画像?

2004年6月12日(土)
17:00〜約一時間
ご来場ありがとうございました

 タコシェでのロングセラー「血まみれ天使」が、描きおろしカラー口絵を加えて「血まみれ天使 新装版」(久保書店)として再発、さらに最近作品を集めた「卑しく下品に」(一水社)も発売となり、タコシェにて早見純先生生まれてはじめてのサイン会が行われました。

 スタート5時の直前にタコシェに到着した早見先生。すでに店内には先生を待つお客様。ひといきつく間もなく、さっそく持参の筆記具を取り出しサインを開始。
 事前に「お客様をお待たせしないよう、サインとワンポイントイラストの練習をしておいてください」とお伝えすると、「大丈夫です。どんな絵もすぐに描けます」と豪語していた先生でしたが、生まれてはじめてのサイン会でお客様を前にした興奮からか、イラストにも力が入り汗をかきながらの入魂のサインとなりました。
 自作の中でも変質者としてしばしば登場する純君。その実物を前に緊張する読者のみなさん、そしてそれ以上に緊張する先生。両者の緊張の波がぶつかり合う中、先生はお客様のリクエストに応えながらおひとりおひとりに違ったイラストを描きました。そう、同じ絵は描くまいと禁じ手をはたし、自らを追い込むという美意識と技が織りなす3時間近い恍惚の時を描きまくったのです…。
 古い著作を持参された80年代からのファンから最近の読者まで。予想に反して女性ファンもそこかしこに!若い娘さんたちからお花やファンレターをいただき、先生の口元にも思わず笑みが…。
 当日、皆様からいただいた感想や暖かい励ましのお言葉は、先生の胸をあつくし、体中を巡り、熟成されたのち、より卑しく下品な作品に昇華されることでしょう…。ありがとうございます!
 予想以上に時間がかかり、長らくお待たせしてしまったお客様、たいへん申し訳ございませんでした。
 今後とも早見先生とその作品の応援をどうぞよろしくお願いいたします。
今年中には代表作を編んだ海外版も発売の予定です。

新刊のご案内
早見純「血まみれ天使 新装版」(久保書店)\998(950):増補・新装版「血まみれ天使」。新たに描きおろした巻頭カラー4ページが加わっています。醜く卑屈な男の鬱憤が爆発!女の瞼と口を糸で縫い合わせ、さらに手足を切断する極悪さ! 83年から89年までの情念炸裂傑作集。80年代のスプラッタ・エロ劇画の最高峰! B6判 320p


早見純「卑しく下品に」(一水社)\1200(1143):離れていても結ばれているカップル、この世にたったひとりの出会うべきひととの巡り会い…そんなロマンチックなできごとも、どうして早見先生の手にかかると、こうも卑しく下品に表現されてしまうのか…。
 そう、ロマンもファンタジーもちょっと方向がずれたり過剰になれば妄想・犯罪へ。ロマンと変態は紙一重!線の一本一本、一塗り一塗りが先生の血であり体液であるような…そんな純の念のこもった作品9編に自作解題がついてます。A5判 150P