2006.10     トップへ

  by Ayumi NAKAYAMA

●06.10.02 あこがれの暮らし
 先月の日記で摘み草生活のことに触れましたが、すてきな摘み草のお菓子の本をみつけました。新田聡子『野山のデザート 季節の野草、木の実、花をおいしく食べる』(地球丸)。わらびをピザにトッピングしたり、いたどりをジャムにしたり(そういえばルバーブに似てますね)と、おなじみの山菜を意外なとアレンジで楽しんだり、菫やたんぽぽ、桜をゼリーやドライフルーツにして、これまでのアーシーな摘み草料理と違った、オシャレな楽しみ方がいっぱいです。
 それからもうひとつ。『Dearキクチさん、ブルーテント村とチョコレート』(キョートット出版)。都心の公園のテント村に暮らす女性アーティストいちむらみさこさんの著書です。
 いちむらさんは、森の中のブルーシートの小さな家々が集まる景色をメルヘンのよう眺め、時間にしばられずに人と話し、絵を描く、この村の人たちの生活に触れ、自ら望んでテント村の住人になります。そこで、ヘアスタイルはリーゼント風、なに系ともいい難い独自のファッションの女性・キクチさんに出会った瞬間、魅了されます。堂々と上手にゴミを拾う様子や自転車で飛ばす姿を、毎朝同じ電車に乗るステキな人に憧れるように遠くから見ているうちに、キクチさんと知り合いになり、その生活や考えを知り、ますますキクチさんを好きになってゆきます。和服を着付けてもらって一緒にお茶会を楽しんだり、キクチさんが描いた絵で個展をしたり…、しかし、そのキクチさんが次第に心身に変調をきたし、テント村を去る頃、都の政策によるテント村の切り崩しがはじまり、ゆるやかに結びつき、助け合ってきた人々も一人二人と村を去るようになります。灯火が消えゆく村に彼女は残り、多くを持たなくても誇り高く生きたキクチさんや村人と同じ強さを自分の中に見出すまで、村で暮らそうと決意します。
 以前、一度、いちむらさんが暮らす村を訪ねましたが、のびるを摘んだり野いちごでジャムを作ってしっかり自炊する人もいて、絵画を描いて展示する木陰のカフェもあり(そこはお金でなく何か物を持ってゆけばお茶が飲める物々交換の世界)、私が思っていたホームレスの世界とは別の、しなやかでゆたかな生活がありました。
 住人はパートで働いたり、外界の人がカフェに来るのを歓迎したり、風通しもよく、過剰な情報に振り回されることのない地に足がついた生活の中から紡ぎ出されたいちむらさんの言葉は、キクチさんに語りかけるように優しく響きます…。
 私はタコシェで、この本をくらし系の本と同列にならべて、女の子たちに読んでほしいと思います。

●06.10.01 室内奏楽
 門司に実在する建物を、擬人化ならぬ擬カボチャ化して描いた絵本
『カボチャドキヤ』(石風社)の作者であるトーナス・カボチャラダムスさんが門司から上京されて、ブロックフレーテ(たて笛)の演奏をなさるというので目白のブックギャラリー・ポポタムに聴きにゆきました。
 一年ほど前から、CD〜それもオペラなど大作〜を聴き、我流でコピーしてレパートリーを増やしてきたとのことで、独学にしてはここまで演奏できるようになったのは大したもの?と、少々自慢しつつ、照れたり冷や汗をかきながら、ワーグナーやヴェルディを熱演されました。
 トーナスさんは、地元の古い洋館の保存運動に一役買い、カボチャドキヤ国立美術館を称してその館長さんをしながら、絵を描き、夕刻、笛の練習をしながら町を歩き、居酒屋さんでほろ酔いのお客さんを前に演奏したりするそうですが、そんなおじさんが町に一人でもいたら愉快でしょうね!(頭もカボチャと同じように刈り込んでいます)

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