2003. Dec      トップへ

  by Ayumi NAKAYAMA


●03.12.30 年末
 慌ただしい時期だけど、そんな中でもお客様にはたくさんいらしていただけるのが年末。年末らしいことをする間もなくいつも通りの仕事で年の瀬を迎えることに。年内の最終営業日のこの日、やはり年末調整の仕事などで忙しい税理士さんが夜になってみえて、書類を届けてくださった。そのまま、二人で仕事納めの慰労会?で飲み屋へ。
 どうも今年一年、みなさんありがとうございました。
(写真:店頭の挨拶文は手書きで…)

●03.12.23 kuukuu
 吉祥寺のレストラン諸国空想料理kuukuuが12月をもって閉店することを、同じ建物内にある絵本の店TOM'S BOXの笹倉さんから聞いて、ぜひ閉店前にもう一度伺いたいと思っていた。このお店では、舞踊公演の打ち上げやTOM'S BOXの展覧会の流れなどで賑やかに飲食した思い出も含めて独創的な料理を楽しませていただいた。でもって、笹倉さんに電話をして「お時間があったら、ご一緒しませんか?」とお誘いしたら、「この前の日曜までだったんですよ。ちゃんとお伝えしておくべきでしたね、ごめんなさい」とのお返事で、無駄足にはならずに済んだけどがっかり。
 そこで、kuukuuの食事代のつもりで、このお店のシェフでいらした高山なおみさんのお料理の本を買い求め、その味を思い出すよすがとすることに。
 本には高山さんの食に関する文章もときどきあって、その中に印象的なものが。うんと前にアルバイトをしていたとき、じゃがいもの皮むきを任さされていたのだが、おいもが熱いので、それが味を損ねると気づきながら、水をかけながら皮むきしていた、と。じゃがいもよりも自分が偉いと思っていたから、熱いのを我慢する必要がないと、高慢な考えてでいたのだと高山さんは昔の自分を振り返っていた。
 それを見て、みのもんたの番組ではないけれど、やたらと体によいから食べる・食べないという判断もまた人間の傲慢や身勝手ではなかろうかとはったさせられた。感謝しておいしく食べることこそ、大切。

●03.12.21 ペットボランティア
 休日になると行くペットショップの掲示板に、「特別養護老人ホームでボランティアをしてくださるワンちゃん、ネコちゃんを募集しています」という貼り紙があり、気になっている。というのも、雑誌easy travelerのバックナンバーでペットのページがあり、そこにニューヨークのヘンリーというセラピー犬が紹介されていたのがきっかけ。
 ヘンリーは保健所みたいな収容施設から、山本央子さんに貰い受けされた雑種の大型犬。山本さんはアル中のホームレスと彼に寄り添う賢い犬に出会いその犬の世話をしたことから、安定した収入もない海外・女一人くらしでありながら、ヘンリーを貰い受けた。ヘンリーは、路上で人からエサを貰って食いつないでいただけに、世渡り上手で愛想のよい犬だったのだが、よくよく飼ってみると、人間を友達にはするけど主人にはしない独立心旺盛な誇り高い犬であることが判明。そこで、山本さんは試行錯誤しながらスパルタ方式でヘンリーを訓練し、彼を賢い、誰からも愛される犬へと変身させる。あるとき、ペットボランティアの概要を知った山本さんは、ボランティア犬の資質や条件をすでにヘンリーが満たしていることに気づき、応募してみるとヘンリーは様々な訓練やテストをするすると突破してセラピー犬として公式に認定され、病院や施設で働くことに。ヘンリーと山本さんはボランティア活動を通して、多くの人に出会い小さな奇跡をたくさん経験する。(詳細は山本さんの著書「ヘンリー、人を癒す」(角川文庫)に)
 動物パートナーと一緒に仕事ができるだなんて夢のよう。
 近所の老人ホームボランティア猫の資格は「人間に対してフレンドリーで膝の上でおとなしくしていられること/噛んだりツメをたてない/同行する犬を見てパニックにならない」。私のネコは全く問題ない。ただひとつ気がかりは、我が猫が人間の年齢に換算すると、おそらく老人ホームの方々よりも高齢になるということか。
(写真:暖房の前で寝ている猫と寝かされているパン生地)

●03.12.19 ゲイアート
 漫画家・田亀源五郎先生が監修された、ゲイアート画集の原画展&レセプションで二丁目へ。カラーイラストが雑誌に掲載されるようになった50年代くらいからの初期の作品からのセレクトで、その後の時代の作品もシリーズ化して出版できれば…という壮大な構想もあっての記念レセプションである。古いゲイアートの中には高名な作家が変名で描いたものもあったり、その背景もまた面白いのですが、展示されていた絵は、そっと大事に保管されていたものが多いのか、どれも状態がよく鮮やかでした。
 短髪、褌、マッチョ、やたらにでかい股間…、初期からこうした様式がしっかり確立されていたというのはすごいことだと思います。それだけ欲望がはっきり形作られ、求められていたということで、昨今のロリコン巨乳などのイラスト様式に匹敵するものですよね…。奥深さを感じました。画集には図版だけでなく、そうしたゲイアート概論が英文対訳つきで出ていますので、その意味でも貴重な一冊です。(海外みやげになります…)
 タコシェへの初回入荷分には田亀先生にサインを入れていただきました。

●03.12.16 プロの目
■私は版元ドットコムというサイトで本を紹介するコーナーをいただいているのだが、そこに新たに参加することになった岡澤さんは書体デザインの仕事をしている。会社の人と数人のチームを組み1年とか2年という長い時間をかけて数千字分の書体をひとつひとつデザインするのだ。(そして最終的にはそれをコンピュータにインストールできる形にして売ったりする)。書体デザインの専門家はどれくらいいるの?と訊くと「専業の人は50人くらいかな?」とのこと。50人によって主な書体が作られ普及しているのかと思うとすごいような気がする。
 そんなわけで仕事がらいつも文字とにらめっこしているだけに、岡澤さんの読書感想は「○○○の書体を使っていますが、ない文字を●●●で代用している箇所がだいぶありますね」などという、本当に表層的な感想だったりする。「読めりゃいい」と思っていた私も、岡澤さんたちに会ってからは、書体を少し気にするようになった。
 あるいは、西岡兄妹とのコラボレーションで布小物を作っていただいている嶋守さんに「新しいブックカバー買っちゃった」とか「こんなバッグをみつけたの」と言って布ものを見せると、手にとるや、裏返したり、縫い目を見て「大体わかりました。設計図がもうできました」なんて言う。プロの目って変。 
■北尾トロさんが杉並北尾堂でやまだないとさんの本を作りタコシェに納品してくれた。これはこれですばらしい本なのだが、私にとって北尾さんはいまや歯医者通いのナヴィゲーターである。ポット出版のサイトに欠歯生活なるコーナーを持ち、以前治療したインプラントが歯茎の中に土台を残したまま途中から折れてしまってからの治療の悪戦苦闘をレポートしてらして(長引く治療、十万単位のバカにならない治療費の問題などなど切実)、歯の弱い私は他人事とは思えずにその経過を見守っているのである。治療そのもののことはともかく、医者選びや医者へのかかり方にかけてはトロさんは医者以上に詳しいのではなかろうか。「もう欠歯生活も書けないくらいたいへんだった」と言いながら、「歯の丈夫な人は知らず知らずに歯茎がやられていっぺんにガタが来ますから注意が必要ですよ」とか、私にも「いいですか、食べたらすぐ歯磨きですよ」などと、伝道師のよう。ありがたい先達である。

●03.12.15 まとめ日記
■新年最初の西岡兄妹のフェアのために、前回好評だったブックカバーに続いて、今回も西岡さんのイラスト+嶋守千広さんのデザイン・縫製によるグッズを企画。この前は私がまとめ役みたいな感じで作ったけど、今回は、西岡さんも嶋守さんもすっかり心得たかんじで、それぞれに作業をすすめて形を出してくれて私は連絡と微調整係りといったかんじ? おでかけ用のちょっとしたバッグを作ることになりました。
 嶋守さんはふだんは洋服を作っている方なので、丁寧な縫製で、肌になじみやすい柔らかい布の扱いが得意なので、そこを活かして、帆布とコットン生地を組み合わせたトートバッグを土台に西岡さんの描きおろしのイラストが入ります。
 西岡さんは、最近、ブルーや緑系の色を積極的に取り入れはじめたので、バッグの色も緑系と茶系の二色で作ります。
 といっても、年末をまたいでの進行になるので、プリントをお願いする業者さんも忙しいのと年末進行なのとでスケジュールがとってもタイト。いろいろなことを早く決めないといけないということで、タコシェの近くの喫茶店で三人で打ち合わせをした後、さっそく電車にのって布地屋さんをはしごして布選び。店の閉店時間を気にして、雑踏を三人で小走りして布の色や仕入れ価格を比べ、三人で布のロールを運び…と本当に、イラスト提供だけでなく、作業にもかかわっていただきました。
 西岡さんと嶋守さんとで作る布の小物は、私にとってグッズ展開というよりも、作品であり、フェアの記念品的なものです。今回も、新しい色づかいに対応して布色や刷り色を選んでみました。ファンの方たちと、そんな作品を共有できたらという気持ちで、ちょっとずつ毎回作っています。

■12/15から太田螢一さんのフェアが大阪のワークルームではじまった。毎度のことながら、太田さんは家でコツコツ準備をしているのだが、どういうわけか、直前になると、あたふたすることになる。今回も「15日からですからね。そろそろ絵は発送してくださいね」と電話で言っておいたのに、額を入れ替えたり、東京・京都と違う構成にするため個人蔵のものを借りたりして、初日にギリギリに会場に到着したもよう。
 そして、なんと、初日を迎えてなお、家で作業をしているというのだ。Tシャツを大量に刷り足したらしい。さすがに、夏前からTシャツプリントをやり続けているので「刷り具合がよくなった。大分腕をあげた」というが、それより何よりさっさと送らないことには…という状況である。なのに、「これからアイロン掛けして、札を付けて、台紙を切って袋に入れないといけないから、うーん間に合うかなぁ…」などと悠長なことを言っている。大阪の会期は15日から週末20日(土)までの6日間なのである。もたもたしてたら終わっちまうのだ。「アイロンも何もいらないよ! とっとと送った方がいいって! 袋や台紙とかの材料をTシャツと一緒の箱につめこんで、今日中に大阪に送らなくちゃ! 向こうで、出しながら袋詰めしてもらうようにお願いしましょう」と言うと「ほんとに? ほんとうにそれでいいの? その言葉に救われたよ。とにかくそれじゃあ、送るからよろしくね、たのんだよ」とのこと。会場にはお手間をかけてしまいますが、そういうわけで太田さんグッズ火曜日にはシャツが増えます。お探しのものがあったら、会場の係に聞いてみてください。段ボールから出してお見せできるかもしれません。こういう経緯で、太田さんのフェアは毎回、バーゲンセールのワゴン盛りのような状態になるのであった。



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