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- ●03.07.26 花火
- 数年前、ベオグラードから一時帰国した友人は、旧ユーゴスラビア出身の妻に故郷の名物・隅田川の花火を見せようと、街に出たはいいが予想以上の人出に立ち往生し、鑑賞ポイントに辿り着かないうちに花火大会がはじまってしまった。景気のよい打ち上げの音だけが響く人混みで、妻は悪夢--空爆--を思い出し、すっかり気分が悪くなり、花火を見ることなくひきあげたと苦笑していた。もっとも空爆直後は爆音に怯えていた友人夫婦も、しばらくすると、音だけで爆弾の種類と爆撃ポイントの位置や距離がわかるようになり、「いちいち慌てなくなったけどね」と、さらりと語ってもいたが。
- そんな話をきいてから、あんなにも私をワクワクさせた花火の音が、体験したことのない空爆にだぶってせつなく怖い。
- 打ち上がる美しい花火に「空爆ではない」と確認しながら、何千、何万という人が同じ夜空を見上げて歓声をあげていること、もうそれだけで奇跡のようにも幸福にも思えるのであった。
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