ミニコミ」カテゴリーアーカイブ

お芋を通して食だけでなく、イモヅル式に人が見えてくる「イモヅル」

足と頭と手と舌を使ったお芋取材で、“食”についてだけでなく、都市と地方の関係や、伝統と新しさについてまで掘り起こす「イモヅル」。ご覧の通り、地味な表紙ですが、消費者の立場だけでなく、生産者の声にも耳を傾け、流行に流されない芋と人のネットワークを広げています!!

イモヅル vol.1

イモヅル vol.1 ¥463+税

人と芋、人と本、人と人…サツモイモを通してイモヅル式に?つながる冊子。

見た目は地味だが、表紙は活版。
中身はというと「おいもさんのお店 らぽっぽ」などを全国展開する白ハト食品工業が手がける
体験型のテーマパーク「なめがたファーマーズヴィレッジ」や、サツマイモの普及に努めた蘭学者・青木昆陽のゆかりの地などを訪ね、聖地巡礼に終らず、地方と都市、温故知新な仕事の手法にまで言及する、お芋のようにほっこりししつつ、しっかり養分のある…冊子です。

もくじ
●一の蔓 であう
なめがたファーマーヴィレッジ
甘藷試作跡/甘藷先生墓
やきいも日和

●二の蔓 こしらえる
アレで、アレする
やく/ふかす/あげる/ほす/つぶす

●三の蔓 よむ
あの人が書いた、芋のはなし
赤瀬川原平、石牟礼道子、椎名誠、宮本常一、吉野せい

A5判16pages

イモヅル vol.1

イモヅル vol.2

イモヅル vol.2 ¥463+税

2号も足と舌を使った取材で、サツマイモのルーツを在来品種に辿る。

地域野菜や古代種ブームがある中で、在来種を辿ることでそれぞれの栄枯盛衰の理由や農業の
現在が見えてくる。品種改良で消費者の好みに合ったものが作られたり、味がよくても作付けの効率で栽培されなくなったり…、オリジナリティや伝統を守りながらお芋をおいしく作っていだくには
どうしたらよいのか?
後書きではサツマイモから作る蜜「あめんどろ」に触れ、在来種ならぬ在来甘味も紹介しています。

巻頭寄稿、芋食う一歳児の息子を見つめる新米パパの恋心にも近い?想いに、胸がいっぱいになります。

もくじ

●寄稿 「息子とサツマイモ」島田潤一郎

●特集 在来品種 いまむかし 紅赤/太白

●report 日本いも類研究会 第1回サツマイモ産業振興セミナー
「干し芋産業を考える!」

●ヨムイモ ー読む芋ー
獅子文六、柳田國男、佐野洋子、池澤夏樹、さくらももこ、斎藤昌三

A5判16pages

イモヅル vol.2

あまみのラブホ探訪 vol.3 インタビュー 終末トラベラー× hotel アイネ

あまみのラブホ探訪 vol.3 インタビュー 終末トラベラー× hotel アイ

あまみのラブホ探訪 vol.3 インタビュー 終末トラベラー× hotel アイネ ¥600+税

終末トラベラーことあまみによる、昭和遺産ラブホテルを記録する同人誌。
法律や条例、経営難、高齢化などの要因が重なり絶滅の瀕するラブホが現存するうちに記録すべく奮闘する筆者が、その活動が縁で、思い入れ深いhotelアイネのオーナーやスタッフへのインタビューが実現。

ホテルの歴史や今昔、日常業務、メンテナンスについて、風営法で敷地外に看板が出せなくなってからの工夫やら、アイネならではの凝った内装について、今後の生き残りを賭けた展開などを伺う。
温泉をひたり、テレビ画面も大きくしたり、カラオケ+照明を充実させたりエンターテイメント要素をふんだんに盛り込むアイネのサービス精神。鏡の間の鏡をいつもピカピカにしておくだけでも、たいへんなのだそう…。

ゴージャスな鏡の間、万華鏡のような室内で回転するベッド、ビーナスが誕生しそうな貝殻を模したお風呂などなど、それぞれ異なる意匠のお部屋の写真もたくさん収録されています。

A5判30pages オールカラー

アレクサンダー・ゾグラフ作 ハル吉訳「爆撃地セルビアからの手紙」

アレクサンダー・ゾグラフ「爆撃地セルビアからの手紙」

アレクサンダー・ゾグラフ作 ハル吉訳「爆撃地セルビアからの手紙」(峠の地蔵出版)¥1400+税

かつてバルカン半島にあったユーゴスラビアは90年代に入ると、スロベニア、マケドニア、クロアチア、ボスニア・ヘルツェゴビナ…と、各地域が紛争を経て次々に独立。そこからあぶれたセルビア人がコソボに移住したことから、アルバニア住民の反発を招き、98年に、過激派のコソボ解放軍とユーゴスラビアおよびセルビア軍が対立し、コソボの自治回復を支援するNATOの介入を招き、セルビアは空爆にさらされた。

本作は、1999年のNATOによるセルビア空爆中に、漫画家ゾグラフが、友人の漫画家クリス・ウェア(『ジミー・コリガン』が有名)に、当事者としての週刊漫画を描いてはどうかと勧められ、爆撃のさなかに海外の雑誌やウェブサイトに掲載された1ページ完結漫画集。

爆撃の危険の中、限られた情報の中で、漫画家は事態を冷静に見詰める一方で、「僕はただ漫画を描きたいだけなんだ。悪夢から目覚めさせてくれ」と訴えたり、アイロニーたっぷりに爆弾の種類を描き分けたり、停電中に自分の内なる声に耳を傾けたり、はたまた友人のロバート・クラムが夢に出てきたり…。

爆撃への恐怖と不安はたまた、紛争に対する無力感だけでなく、創作や漫画への想い、日々の暮らし、などが、プロパガンダや圧力の下にもかかわらず驚くほど冷静かつリアルに描かれた、著者の代表作で、何カ国語にも翻訳されたもの。特徴的なタッチも、読みすすむにつれて、クセになってきます。

今回、本書の訳者で発行人のハル吉が、国際的に活躍するセルビアを代表する漫画家のひとりであるゾグラフにダメもと?で出版の企画を申し込んだところ快諾され、原書にはない、セルビア地図や脚注、インタビューも付して出版の運びとなった。
巻末インタビューでは、自作のみならず、セルビアの漫画シーンについても言及しています。

A5判120pages

爆撃地セルビアからの手紙

ナギサプロ『夜のハレンチ野郎』

ナギサプロ「夜のハレンチ野郎」

ナギサプロ「夜のハレンチ野郎」(凡天劇画会)¥600+税

兎月書房『墓場鬼太郎』4巻以降(ニセ鬼太郎)の作者・竹内寛行が、若者たちの無秩序なセックスとバイオレンスを描いた連作短編集「夜のハレンチ野郎」。
竹内寛行がチーフを務めるナギサプロ=凡天太郎プロダクションによるもので、60年代に「漫画パック」に掲載された短編6本を収録。

時代とはいえ、人権お構いなしのエロとバイオレンスの横行がすごい、まさにハレンチな世界。
それは50年代末~60年代初期にかけて、貸本漫画の衰退と入れ替わるようにおこった劇画ムーブメントの中で、”青年漫画”へと結実するメインストリームとは別に、傍系劇画誌の無法地帯に棲息し、やがてエロ劇画へ開花する作品で、凡天劇画会では「番外地劇画」と称して復刻しています。

ゆきがかり上?アシスタントもしていた田中多美子(凡天太郎夫人)へのインタビューで、凡天太郎とアシスタントたちナギサプロの面々の様子が語られています。漫画も破天荒なら描く人たちも無茶苦茶だったようです。

A5判96pages
わかりにくですが表紙のタイトルは銀。

BOOK5 vol.22 最終号「年末恒例アンケート 今年の収穫」

book5 22号

BOOK5 vol.22 最終号「年末恒例アンケート 今年の収穫」(トマソン社)¥600+税

本や古書店、名画座まわりのニッチなテーマを掘り下げてきたBOOK5の最終刊。

2016年の終わりとあわせての、さようならですが、恒例のアンケートで、ゆかりの作家やアーティスト、編集人、書店員etc. 約90人がそれぞれ、今年出会った本とそれ以外の収穫をあげています。

特集 年末恒例アンケート 今年の収穫

いがらしみきお/植本一子/木村衣有子/岡崎武志/林哲夫/平山亜佐子/山本善行/小田島等/西崎憲/柳瀬徹/山川直人/世田谷ピンポンズ/小山力也/宇田智子/濵田研吾/島田潤一郎/月永理絵/イーピャオ/小山ゆうじろう/内堀弘/林さやか/前野久美子/扉野良人/かとうちあき/畠中理恵子/南陀楼綾繁/荻原魚雷/浅生ハルミン/北村知之/森山裕之/北條一浩 他

連載
コラム・新刊案内  朝倉史明/南雲重徳/佐藤翔/栗山新/荻原魚雷・鳩野恵介
せどりしようZ! Z
漢字のカナメ 虚勢博士
古本屋ツアー・イン・ドリーム 小山力也
詩はSFに乗って Pippo
どうせ本は見つからない 南陀楼綾繁
なんてひどい店なんだ 古書赤いドリル 那須太一

18×21cm 60pqges

B00K5は終刊ですが、編集人は2016年11月末から善福寺で古書店「松田書店」をオープン! 新たな形で活動続行中!!!
東京都杉並区善福寺2-24-20
吉祥寺から徒歩15分/ 関東バス*立野境 徒歩30秒
営業時間 12時ごろから日没まで
不定休 日・祝開店 (おでかけ前にトマソン社さんのサイトやtwitterなどでご確認ください)